日々の泡

1999年01月19日(火) ジェインオースティン [ マンスフィールドパーク

ミステリー小説
作者:19世紀初頭 英国
出版社・値段:キネマ旬報社 2400円

学生時代に原書に挑戦しながらも1ページで挫折したうらみの一冊。著者は「自負と偏見」の作者として有名。この「自負と偏見」は非常に面白かった。 今まで読んだ本の中でベスト10にいれてもよいくらい、何度も読み返した。最近 後日談が現代作家によって出版されたが、登場人物がすべて「下品」になっていてがっかりした。 とにかく人間の性格の描き方、その心理描写がおもしろい。どの人物も典型的な人間像であるが、その行動は首尾一貫していて読んでいても自分で駒をすすめているようで面白い。やはり私は感性のみに頼った小説よりもこうした人物描写がはっきりしていてなによりも筋がある物語が好きなようだ。久々に本来の好きな本にめぐり合ったような気がする。まだ半分読んだだけだがとりあえず忘れないようにアップ。(99年1月19日 11:00pm)



1999年01月07日(木) 香納諒一 幻の女

ミステリー小説
作者:現代 日本
出版社・値段:角川 2000円

99年の一番最初に読んだ本。かの名作差気宇、「幻の女」を思わせる題名に思わず買ったが、あまり面白くなかった。読後感がよくない。 結局はやくざの世界の話であったこともあるが主人公の弁護士の心の動きにあまり共感をもてないのも原因の一つ。 主人公の弁護士は、汚職をして職を追われた父親を非難したが、翌日父親は自殺をし、長年そのことがトラウマになっている。離婚暦あり。 世の中を斜に捉えているよくいるタイプだが、被害者の部屋にあったぬいぐるみを「ムーミンにでてくるスナフキン」とちゃんと描写しているところが妙にちぐはぐだった。 些細なことではあるが全編そんな気持ちにとらわれる個所がかなりあった。なにか作者の趣味がでているようで、興ざめである。 数年前に突然姿を消してしまった恋人が再度弁護士の前に偶然姿をあらわしたとたんになにものかに殺されてしまった、というなかなか興味をひかれる設定であるが、弁護士の義父が娘かわいさに、その女性に男と別れるようにたのみこんだとい事実があったり、やくざの親分の未亡人によるやくざの美学が語られたり、やはり陳腐な部分が多かった。  ただその女性と弁護士がつかのまの平安なひととき、コンビニで鍋セットを買い、その鍋の湯気越しにその女性が「楽しいね」と語りかける場面は、その後その女性の不幸な過去が語られていくにつれ、なんども脳裏に浮かんできた。 この女性が過去を他の女性ととりかえた、というところがこのミステリーのポイントなのだが、あまり必然性が感じられなかったのが、読後、つまらなかったという感想になってしまうのだろう。


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