【シュークリーム作成日誌】

2003年06月26日(木) ときメモGS語りその5 氷室零一について

さて、散々語りまくってきたときメモについて。
この回でひとまずキャラ紹介はおしまいです。また誰かでプレイした時にはまた感想を書くかも知れません。
次回プレイ時には、宇多津さんお薦めの姫条くんでチャレンジしてみましょうか。

というわけで、栄えある(?)三人目のクリアは、アンドロイド教師氷室です。
そう、神矢が初プレイで挫折した例の人です。


【氷室 零一(ひむろ れいいち)】

オープニングに出てくる眼鏡の美人です(笑)リベンジしました。(…復讐?)
寒そうな名前。本人はクールな熱血教師(どっちだ)。3年間PCの担任を務める。表向きの趣味は試験問題作り。PCのテストが悪かったりすると滅茶苦茶恐い。が、赤点3教科以上取ると補習を受けることになり、PCのせいで疲れた氷室の貴重な寝顔が見られるので一度はやっておきたい。
ブラスバンド部の顧問で、意外にもピアノがとても上手い。
たぶんゲーム登場人物中一番のクールビューティー。
怠け者が大嫌いらしいので、多分現実に居たら私なんか虫扱いされそう。
どんなに親しくなっても「零一さん」以上の呼び名を許容してくれない、心の狭い大人。葉月なんて「けいポン」とか呼んでも許してくれるのに。実際呼びやしないが。でも葉月は、「けいポン」とは呼ばせてくれるのに「王子サマ」呼ばわりすると怒るのはどうしてだろう。文化祭では入れ込み過ぎてセリフ間違うほどノリノリで王子様やってたのに…。
いや、それはいいんだ。これは氷室語りでした。
しかし…生徒のいっぱいいる校門前で、先生に対して「零一さん。一緒に帰りませんか」と声をかけるのは非常にマズイような気がする;まだ奈津美みたいに「ヒムロッチ」呼ばわりしたほうが危険度は低いと思うのですがどうでしょう。

葉月よりはまともに人間と交流しているらしく、ジャズバーのマスターとは小学校時代からの親友。休日に時々店でピアノを弾いている。一緒に旅行に行くぐらい仲がいいらしい。
マスターはそこそこの容姿で、姫条を氷室と同い年にして、大人の余裕を加えて老獪にしたような(?)雰囲気の持ち主なので、ホモ萌えしたい方はこちらでどうぞ(いらぬ世話)その場合多分氷室が受け(大きなお世話)プライドの高い受けってイイですよね(その話こそもういい)

いやいやいやいや。
私はこのときめもGSに関してはホモを推奨しないのです。健全な女の子向けゲームですからね。ボーイズラブじゃないです。いくら可愛いのから美形から色モノまで揃ったピチピチの男子高校生がいっぱい出てきても。チタンフレームの眼鏡の似合うクールビューティーな先生が出てきても。ダンディな謎の中年(←失言)が出てきても。小学生の可愛い弟が出てきても(危)。優しそうな謎の美少年が出てきても。
PCあってこそのこのゲーム。女の子そっちのけでカップルとなることまかりなりません。PCだけじゃなくて、友達として登場する女の子たちがめちゃくちゃ可愛いんですよ。
彼女たちとエンディングを迎えるのもいいかも知れません。………百合ですか?(苦笑)

氷室の話をしていたのにいつの間にかまた話題がずれてしまいました。氷室ホモ疑惑のせいで。(違います)
クールな鬼教師で、アンドロイド疑惑があるほどのスーパー教師な彼ですが、例によって恋愛には免疫が薄い模様。PCに対する感情値が好き以上になると、様々な奇行で楽しませてくれます。
体育祭のフォークダンスで、PCに「手をつないで下さい」と言われ、「な!?君、は、何を…」と、どもりまくり。フォークダンスですよ先生。動揺しすぎです。
いちばん楽しかったのは初詣。混雑のなかはぐれないようにと、友好状態なら「私の服の裾をつかんでいなさい」と冷静に言ってくれるのですが、恋愛状態になると「私の手を握っていなさい」…声が裏返ってます、先生。「恥ずかしいなら無理しないでも…」と言うPCに「恥ずかしくなどない!」とムキになる30歳美形独身教師。可愛いんだかなんなんだか…。

国際A級ライセンスの持ち主で、ドライブが趣味。ドライブデートで彼のスピード狂らしい一端を垣間見ることが出来る。ドライブ中、PCが先生の横顔に見とれていると、照れまくって困ってくれる。やはり氷室先生は…可愛い…のか?
こんなに恋愛に純情な30歳ってどうなんでしょうね。想像つかないので何ともはや。
でも、氷室先生はめっぽう顔がいいので、多少(多々?)の奇行も可愛いと好意的に受け取ってもらえる気がします。
美形って得ですね。



やや投げやりな結論が出たところで(笑)。
そろそろ逃避行動もこのぐらいにして、勉強に専念しなくては。
あと一週間とちょっと。まだ覚えてないことなら山ほどあります。
またしばらく日記も更新出来なくなると思いますが、暖かく待って頂けると嬉しいです。
こんなヘボ日記でも目を通して下さっている優しい皆さんに感謝しつつ。



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2003年06月25日(水) ときメモGS語りその3 蒼樹千晴について

さて一昨日に引き続き、懲りずにときメモGS語りの時間です。
今日のご紹介は神矢の一番お気に入りの子です。
なんでしょうね。例えるなら、青速水の外見を持つ白速水、みたいな?
いや、白あっちゃんほど最強じゃないですね。冗談のように気が弱い白あっちゃん…?
段々かけ離れて来たような気がします。
無理な例えはやめて、キャラ紹介行きましょう。



【蒼樹 千晴(あおき ちはる)】

ちはるちゃんor千晴くん。蒼樹とはほとんど呼ばれない。
松尾芭蕉を松尾と呼ばないのと一緒(どういう例えだ)
GSにおける館林見晴。つまり隠しキャラ。葉月同様、館林の100万倍は可愛い。
だが隠しキャラであるがためにイベントもろくすっぽ無く、スチルもエンディング含めて2枚しかない。葉月なんてエンディングのみで3枚もあるのに...。
こんな可愛い子を隠しキャラにするなんて!勿体無い!!と、ファン大暴れ。私も暴れた人。
ぜひともコナミには、ちはる関係を充実させて「ときめもGS完全版」を出してもらいたいくらいです。

千晴シナリオの欠点は正に隠しキャラであるというその一点に尽きます。デートすら出来ないなんてっ;
唯一のデートのチャンスであったあれすら、あの始末でしょう…(伏字?)折角ちはるちゃんの好きそうなピュア系の服をPCに着せて準備万端だったのに…。いや、ちはる攻略時は他の誰ともデートなどしないから、いつちはるちゃんと会う事になってもいいように、そのためだけにピュア系の服をすべての季節分用意していた私はアホです。やりきれない。
例のイベント後最後のメールを受け取って、「ちはるのバカ!意気地なし!!(←ハイジ)」と子ヤギのユキちゃんに跨って走り去りたい気分になりました。
それでも私はちはるちゃんが好きです(泣)
見た目も好きですが、とにかく性格がめちゃくちゃ可愛い。今時どこにもいないほど、ピュアでナイーブ。
ナイーブなんて言葉、普段使ったことないよ…。

アメリカから単身来た留学生で、日本語が不自由。家族に宛てたメールがアドレス間違いでPCに届いてしまったことからメル友になる。
「ちはる」という名前からPCはしばらくは相手を女の子だと思い込んでいる。
実は時々街で道を訊ねてくるブルーヘクサ(違)の少年がちはるちゃんなのだが、お互い相手がメールを遣り取りしている相手だとは気付かない。
ちはるちゃんは、親切に道を教えてくれたPCを好きになり、町で見かけては頑張って話し掛けようとします。
でもうまく喋れず、結局いつも道を聞いてはお礼を言ってさようなら。不器用。
確かにナンパとか最も不得意そうな人柄。終盤、わざわざPCの学校まで来て待ち伏せ(?)してまで話し掛けたのに、挨拶だけで帰っていった姿には涙が出そうになりましたよ(笑)
早い段階で日本語そのものは上手になっていたので、緊張のあまり上手く喋れなかったものと思われ。
可愛いけど可哀想。

序盤でPCのメールのいい加減なアドバイスを鵜呑みにして、日本語の勉強に時代劇を見るちはるちゃん。次回に会ったときにその学習成果が伺えます。メールを「これにてごめん」で締めくくる彼。可愛いです(←鬼か)
言葉は上手くなくても、ちゃんと友達はいるらしい。男友達に遊園地に連れて行ってもらって「こういう所には彼女と来い」と叱られたそうです。
でもその友達もやさしいですよね。文句言いつつもちゃんとちはるちゃんを遊びに連れて行ってくれるんだから。
その友達の顔が見られないのが返す返すも残念です。カッコよかったら尚良かったv(←待て…私は彼らに何を期待しているんだ…;)

「伝説の木の下で待っています」な、きらめき高校(懐)の生徒。ちょっと可愛いデザインのはばたき学園のブレザーばかり見ていたので、飾り気のない学ラン姿が新鮮でした。
ていうか、彼は私服のセンス無さ過ぎ。特に春先には会うのを避けたくなってしまう。
なぜ蒼髪の彼に紫のセーターを着せ、真っ青な上着を着せてしまうのだ。色指定したスタッフを体育館裏に呼び出したくなる。
葉月など他のキャラには、ときめもである事にそぐわず(?)割りとまともな服を着せているだけにやりきれなさ倍増。
その反動(?)か。制服すがたは異様なまでに可愛い。似合うとかだけでなく、顔の作画そのものが可愛い。特に照れ顔など出てくる男のなかで一番可愛いのではないだろうか。世界征服も夢でない可愛いさ。「速水並」といえば理解しやすいだろう。

彼の攻略にはPCのステータスが影響してきません。なので極端に言えばずっと寝まくっていてステータスオールゼロでも問題なし。
けれど、途中で彼が外交官を目指していることを知った私は、「きっとちはるちゃんは一流大学に進学するに違いない!」と急にPCに猛勉強をさせ始め、「やっぱりちはるちゃんに相応しい女の子にせねば!」と総てのステータスを鍛えに鍛え、エンディングでは無駄にすべてのステータスを200弱までに上げました。バカです。入れ込んでますなあ(苦笑)
そしてやっぱり他校の生徒なので、悪い噂(...)が影響してこないため、爆弾がボンボン爆発してても攻略に影響なし。なので、私はこの回には他の男の子と一度もデートさせませんでした。毎週日曜日にはちはるを探してひとりで買い物に出かけまくる日々。
おかげで初めて葉月に爆弾点灯しました。
しかし、帰り道でPCの顔を見るなり拗ねた様子で走り去る葉月はとても可愛かったので微妙に得した気分です。
しかもその後爆弾が爆発したとき、弟にPCが葉月を傷付けたという噂が流れていると教えてもらった時には、楽しくてニヤニヤしてしまいました。
まるで「あの」葉月がPCに体よくあしらわれて相手にしてもらえなかったかのようで(状況だけならそうなんですけれど)。これを喜ぶ私はたぶん頭おかしいです。おまけに歪んでます。

話を戻しましょう。
ちはるちゃんは日本語のボキャブラリーが少ないため、返って一生懸命ぶりが伝わってきて、私は彼の話し方がとても好きです。礼儀正しいしv
エンディングで、PCにきちんと自己紹介をしたいと言う彼。名前とか学校の事とかを言った後、「今は、あなたに恋をしています」。
知ってもらいたい自分の属性として、そんな事を言うちはるちゃんの告白はとても可愛かったです。
さてさて、私はちはるちゃんについて語る間に何回「可愛い」と言った事でしょう(笑)
でも本当に可愛いんですよv
あ、ちなみに私服の外見は大人びてるので、最初はてっきりPCより年上だと思っていました。
でも学生服を着ると途端に可愛い。照れ顔もびっくりした表情もみんな可愛いです(もういいって)
ああもうっ!返す返すも彼のスチルの少なさが口惜しいです。
しかもエンディングでない唯一のスチルが横顔なんて!その直後のふっとこちらを振り返った顔がいちばん可愛いのに!!(暴動)



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全く話は変わりますが、ウチの両親は健康マニアです。
テレビなんかで身体に良い食材が紹介されたりすると、すぐに買ってきます。
で、次の食材が紹介されると前のの存在を忘れます。
結果、継続性が無いのでそれで体調が良くなったという記憶はありません。
現在はヤクルトを飲まされています。日に三本も(苦)
体調が良くなったかと訊かれたので、大して変わらんと答えたら、日に5本飲むように言われました(死亡)
私のことを気遣って言っているのは判るんですが、流石にそれは聞けない。
あんな甘ったるい物そんなに飲めません。
返って太りそうです。
ありがたいやら、何とやら…;



2003年06月24日(火) SSS#50「瀬戸口×速水」

【星月夜のできごと】



晴れ渡った夜空の下、佇む男の姿は大きな影だった。
星は降るばかりに近く、春とはいえ夜の空気は吐息を白く濁らせるほどに冷たい。
髪を梳く風はしっとりと重く、幽かに花の香りがした。
プレハブ校舎の屋上で、瀬戸口は迎えが来るのを待っていた。
夜半を過ぎるまでに来るという話だったのに、使者はなかなか姿を見せない。
早く出撃すれば、それだけ早く終わるのに。
瀬戸口は少しの苛立たしさを紛らわせるべく、ポケットから煙草を取り出そうとした。
その手が、上着の中に滑り込んだところで止まった。
キシリと、トタンの屋根が鳴る。
やっと来たかと舌打ち寸前の表情で振り返れば、それは待っていたのとは別の人物だった。
小柄な制服姿が、闇の中で白く発光するようだ。
瀬戸口は視線を逸らす。
真夜中に見るには、彼の姿はあまりにも眩しい。
後ろ姿のまま所在なくなった手をポケットに突っ込む。
彼の前では煙草は吸わない事にしている。

「もう夜中だぜバンビちゃん。
 俺への愛の告白じゃないのなら、坊やはもう寝る時間だ」

目を逸らしたまま、いつものはぐらかすような口調で嗜める。
子供扱いされた速水は、珍しく怒らずに神妙な声を出した。

「もう大人の時間?」
「そう、大人の時間」

血と殺戮と欲望塗れの大人の時間が始まる。
速水のような子が起きていていい時間じゃない。
納得した様子の彼は帰るかと思ったが、そのまま瀬戸口の斜め後ろにちょこんと立った。
彼が両手を背中で組んで、小首を傾げて自分を見上げている様が、振り返らなくても気配で判る。

「帰らないのか?
 ひとりで寝られないなら俺が添い寝してやろうか」

出来もしないくせに、瀬戸口はからかうような声でそんな事を言う。
速水と添い寝などしようものなら、瀬戸口はきっと一睡も出来ないに違いない。
夜空の高みに輝く星の如く瀬戸口を照らすばかりで、その手の届かない少年は何かを言いかけて口を数度開閉させた。
数秒かかって、言葉を紡ぐ。

「僕のベッド、小さいから」

遠慮した、らしい。
彼らしい配慮に苦笑が漏れる。
嫌だと言って瀬戸口が傷ついたりしたら困ると思ったのだろう、優しい彼は。
本当に、優しくて、可愛くて、愛しくて、たまらない。
だから、触れないし、踏み込ませない。
瀬戸口のような男と関わらない方が、この子は幸せになれる。
速水が帰ろうとしないので、瀬戸口は自分が移動することにした。
約束した場所を離れてしまうが、どうせ連中は瀬戸口がどこに居たってすぐに見つけるだろう。

「じゃあ、俺。もう行くから」

片手を上げて、その場を去る。一瞬視界を掠めた速水の大きな瞳は、晴れ渡った夜空を映してとても綺麗な色あいだった。
びっくりして見開いた目。

「どこ行くの?家に帰るの?」

帰ると言ったら、一緒に帰ろうとついて来るだろうか。

「いや…綺麗なお嬢さんのとこ」

速水がついてこないように、そんな風に言った。
実のところ、そんな予防線は無意味かもしれない。速水が瀬戸口と一緒に居たいと思うとは限らない。
だから、あらかじめ彼を拒むのは瀬戸口の願望の現れだ。

「じゃあ…また明日。だね」
「ああ、また明日。バンビちゃんも早く帰れよ」
「うん。おやすみ」
「おやすみ。良い夢を」

瀬戸口は、結局一度もまともに速水の顔を見ないまま、屋上を後にした。




***




校舎の屋上にひとり残された速水は、うっすら涙の浮かんだ目を手の甲で乱暴にごしごし擦った。
今日もまた、瀬戸口とろくに喋れなかった。
最近全然話していない。避けられているような気がする。

「僕、もしかして嫌われてるのかな…」

口に出したら余計悲しくなった。
瀬戸口と仲良くなりたかったのに。
恋人にしてもらうなんてきっと絶対に無理だから、せめて友達になりたいのに。
もしかしたら、そんな必死の想いが伝わって、鬱陶しいと思われているのかもしれない。
速水はしょんぼりと肩を落とし、とぼとぼと元気のない足取りで階段を降りて行く。
明日はもう少し話せるだろうか。
近くにいるのにとても遠い、大好きな人を想う。
ひとりぼっちの帰り道、降るような星の下。
速水の細い肩に落ちかかる、蒼く透明な月あかり。




やがてどこかとても遠いところで、少年の夜を守るべく澄んだ鈴の音が響き始めた…。



Fin

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

勉強の合間に息抜きしてみました。
近頃の私の食生活は悲惨の一言です。吉野屋とマックにお世話になりっぱなしです。
や、会社の帰りに学校に行ってて、終業と移動時間と授業開始時間がぎりぎりのローテーションなんです。自然と時間がなくても食べられるものに。お昼もサンドイッチとかで簡単に済ませてあと勉強するという生活なので、そろそろ野菜を食べないと死ぬような気がしてきましたよ。
応急処置として会社で野菜ジュースを飲んでいたら、友達に「二日酔いの中年みたい」だと言われました。
お、おのれ!人がどんな思いでこんな食生活を送ってると思ってるんだ!!(泣)


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2003年06月23日(月) ときメモGS語りその3 葉月珪について

昨日に引き続き、神矢の勝手にときメモGS講座☆のお時間です。
今日からはキャラクター紹介。と、言いましても神矢がクリアした三人についてだけですので、全三回で終了です!
PCにはOVERSSYSTEM介入中につき、紹介は独断と偏見に満ちているのであまり本気に取らないように。
ちなみにネタばれの嵐ですので、変な刷り込みを避けるためにも未プレイの方は避けた方がいいかもしれません。




【葉月 珪(はづき けい)】

GSにおける藤崎詩織。だが詩織より遥かに好感が持てる。
たぶん全キャラ中いちばんプレイヤーの人気が高いんじゃないでしょうか。コナミ、今回は目論見どおりって感じですね。
容姿端麗、頭脳明晰、スポーツ万能でモデルもやっていて、祖父がドイツ人なクォーター(金髪翠眼)というド派手なプロフィールと、趣味が昼寝とジグソーパズルという地味な性格を併せ持つ男。
言葉のキャッチボール(笑)が苦手で、中学時代は殆ど友人がおらず、好きでもなく孤高を保っていた模様。高校に入ってもそれが改善された形跡は見られない。私としてはその辺のフォローが欲しかった。PCとたくさん遊ぶうちに明るくなって親しみやすくなる葉月とか。いい噂が流れるとか。
心を開く相手がPCだけとはあまりにも寂しいような気がします。あの年頃の男友達って大事だと思うんだけれど(←大きなお世話)
しかし…確かに彼は会話がし辛そうな人です。ゲーム序盤で、彼とまる一日デートしたらしいPCがどうやって話題を繋いだのか非常に気になります。親しくなると、自分が友達がいないことについて「俺と話すとみんな疲れるだろ」と、冗談めかして言う葉月。彼自身は普通に話しているつもりらしいので、自分からそんなことを考えるとも思われず。誰かに「おまえと話すと疲れる」とか言われたのかと可哀想になります。
それにしても気になるのは、彼自身は校舎裏に住む猫の一家以外友達がいないような事を言っていますが、時々話しているらしい守村はどうなるのでしょう。「僕は彼と話すの好きです」とか言ってくれてたのに。守村は友人に入らないのだろうか。バナナがおやつに入らないのと一緒で(植物繋がり)
どこでもそこでも眠くなったら寝てしまう。公園で昼寝するのがお気に入りという、アウトドア派の引きこもり(←矛盾)
道を歩いている時に眠くなったら道端で寝るか否かで、氷室先生ともめていました。あのふたりの会話好きですv
子供の頃の御伽噺を延々覚えていて、エンディングでは王子になりきって告白してくれる。ある意味乙女。
上手くすれば三年目の文化祭でシンデレラの王子様姿を見られるが、異常なまでに良く似合う。やはり白い舞踏服は金髪が一番似合うのかも。人によってはこれがベストショットだとおっしゃいますが、私はクリスマスのスチルが一番好きです。キラキラ。美人。
キラキラといえば、彼のエンディングの一枚絵はびっくりするほどキラキラです。こんな黒目がちだっけ?と目を疑いました。「新作のギャルゲー、今回のヒロインはこの子です」と言われればそうかなとうっかり納得してしまいそうなほどキラキラ。
プレイヤーの間では彼の呼称は「王子」で通ってるらしいですが、私にはどうもなじめません。
いや、彼は確かに王子なんだろうけれど。間違いないんだけれど。
たとえるなら、舞は王子でも違和感ないけれど、瀬戸口に王子はないだろう。みたいな感覚。
序盤では感情の起伏が良く判らない人だが、後半好感度が上がってからの変身振りはびっくり。
デート後の雨宿りイベントの彼に驚いたプレイヤーは多いはず。何時の間にここまで好かれていたのか謎。まるで思いつめた瀬戸口…(汗)
死ぬほどこッ恥かしいせりふを真顔で言ってくれる彼に乾杯。こんな人だと思わなかった…。もっと無気力な人だと思ってたのに。
全てにキャラにいえることですが、エンディングで彼らがバストショットのアップで喋ってくれるのは、プレイヤーに話し掛けている感覚にするためなのでしょう。だがしかし、いまいちPCとの同調率の低かった私は、「いちばんいいアングルから、カップルの告白の瞬間を除き見ている奥様戦隊」みたいな気分になってしまいました。
葉月の話から逸れました。軌道修正。
ともかく、どことなくアホで子供で可愛いです、葉月は。
熱心なファンがいるのも判る気がする。
てか、神矢も葉月好きですよ、GSの中では2番目くらいに。だって、全キャラ中たぶん一番顔がいい(←わかりやすい/笑)



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2003年06月22日(日) ときメモGS語りその2 ゲーム・PCについて

というわけで、模試受けてきました。
最低でした!
…もうちょっと出来るかと思ったんですが;
でもこれで問題点ははっきりしたので、これから2週間それを補填していこうと思います。

朝10時から10時間あまりもガッコで、流石にへろへろ。
今日はもう勉強したくないなあ…(笑)
ここでさぼっちゃいけないんだ。
頑張れ頑張れ(←客観的に自分を応援)
その前に、ごはんを食べたので(21:30)ちょっと休憩。


少しさぼって日記を書いています。
昨日に引き続いてときメモGSのお話です。
今後プレイ予定もないから、知らないけれどネタばれしちゃってもいいや、と読んでくださっている方のために、ゲームの概要を説明しましょう。
神矢の独断と偏見に基づいていますので、あまり本気にしないでください(笑)



【ときめきメモリアル GirlsSide】

どんなゲームなのか、あえて説明の必要もないかと思いますが。
主人公は高校一年生の女の子。高校入学式から、卒業までの3年間をプレイしていきます。その間に様々な友人やら先生やら変なファッションデザイナーやら理事長やらと出会い、友情を育んだりデートを重ねたりバイトしたり部活に精を出したりと、プレイヤーの思いのままに(笑)経験を重ねていきます。
プレイヤーはPCの一週間の行動(要するに訓練内容)を決定し、時に言動を決定します。そうして、3年間でステータスを磨き、誰かと仲良くなり、立派に成長して卒業していく…と相成るわけですが。
やはり育成シュミレーションではなく、女性向恋愛シュミレーションゲームなので、クリア最終目標は目当ての男性キャラクターと恋人同士になることでしょう。散々色々なタイプの男性キャラが集まっているのでよりどりみどりです。ただ、ガンパレードマーチにあるほど濃いキャラの人はいません(一部除く)。良くも悪くも爽やかです。女の子向けですからねv
元祖ときメモでは、卒業式の日に伝説の木の下で女の子から告白を受けました。このときメモGSでは、卒業式の日に学園敷地内にある教会にプレイヤーが行くと、男の子が迎えに来てくれます。オープニングで出てくる、「教会で待つお姫様を、王子様が迎えに来てくれる」という童話にのっとっているのですから、まあメルヘンチックですねv
しかし…この大事なエンディングで、神矢はひとことモノ申したい事があるのですが…;それはガンパレ絡みのお話なので、また機会があったらということに致しましょう。
ゲーム難易度は非常に低いです。プレイヤーがゲームをし慣れない女の子である!と意識した結果でしょうか。だって…電話かけるだけで、爆弾処理も応急処置が出来るし、ポイントの稼げるスチルの枚数も凄い数だし…ときめも1より遥かに易しいゲームになっています。
1ヵ月ほど前に再プレイした神矢は、葉月が詩織と同じ最高難関キャラなのだと思っていて「葉月でクリアすればオールコンプリートと同義!」と思い込んでいました。結果、がっくりするほど簡単で脱力。別に葉月が特別に難しくなってるわけではないのか、それとも他のキャラは更に簡単なのか…。
ただ、それぞれデートセリフが恐ろしく多いので、本当の意味でそのキャラクターをクリアするには、やはり2回3回とやらないとダメなのでしょうね。
私は挑戦してないですけれど(笑)

…こんな説明でいいのか、このゲーム(汗)



【PC(デフォルト名なし)】

本編主人公。例によってデフォルメでしかその顔は見られませんが、よく似ているらしい弟が可愛いことや、魅力の数値がゼロでもちはるちゃんが「とても可愛い女の子」だと言ってくれることなどから、外見はけっこういいと思われます。
私の中ではアンジェリーク2の元気アンジェみたいなイメージです。
ファーストマーチの速水同様、無能になるか、トップモデルから理事長まで掌で転がすような才色兼備の小悪魔になるかはプレイヤーの腕次第。
それにしてもコナミはどうしてPCにオフィシャルの名前をつけてくれないのだろう。幻想水滸伝といい…。
それともギャルゲーは全部こうなのでしょうか。私は名付けがとても苦手でいつも困るんですよね。アンジェリークみたいに何でもいいからデフォルトで名前つけてくれればいいのに...。





さて、そろそろ施工の勉強を始めなくては。
明日はGSの藤崎詩織こと葉月王子(←たまごではなく)について!
請うご期待☆



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2003年06月21日(土) まだ生きてるよ + ときめもGS語り その1

流石に週7日学校はきついです。
土日もガッコ。あと2週間で本試験。
でもまだわかんないことだらけ!私は頭悪いのかもしれません。
学校は「ここに通えば猿でも受かる!」というほど、懇切丁寧に指導して下さいます。
ということは、これで落ちたらサル以下ですね!!サルでもいいさ〜♪(壊れ気味)



何でもいいですけれど。
飲みも遊びも買い物もゲームもネットも禁止で、いい加減ストレスたまっています。
試験が終われば幾らでも遊べるんですけれど、目先のストレスが。
点数が思うように伸びないのもプレッシャー。





ああ…。ときめもGSやりたい。(なぜ…)





なんで今更ときめも?といわれるかもしれませんが、今の私の現実逃避願望(温泉行きたいとか、海外旅行行きたい、とか、高松の洋風懐石食べに行きたい...とかではなく「どこか遠くへ行きたいなあ...」という気分)には、ときめもが一番ぴったり来るような気がします。
いや、小理屈などいい。
とにかく今、私は遊びたいんだ!!

そもそもこの、買う時に「アダルトビデオを借りる時に丁度綺麗な女性店員にあたってしまった男子学生」みたいな気まずい気分にすらなるソフトを勇気を振り絞って買った(←そんな大層な事ではない)のは、さかのぼればガンパレに始まるのです。
リンクを貼らせて頂いていた、大好きなガンパレサイトの管理者様が、ときめもGSにはまってしまわれ、通う内に私もお薦めされて買ってしまいました。

実際プレイしたのはほんのちょっとです。
で、とりあえず初プレイ当時(半年以上昔)の感想を反芻してみます。


まあ、最初にオープニング見てびっくりしました。
なぜB’z?
シグナル結構好きで聴いてたのですが、おかげで聴けば2番にさしかかるところで、脳裏に葉月の横顔が出て来るようになってしまいましたよ(汗)
しかし、ときめものくせに(?)絵が凄く綺麗なのには驚きました。
まるでプロモーションビデオの如きアニメーション。
頑張ったんだね、コナミ。女性プレーヤーを獲得するのに必死ですね。
それぐらい力が入っていました。
ゲーム開始して、ゲーム中でもその作画クオリティが保たれていることには脱帽いたしました。
あまり期待もせず始めたのに、このオープニングはちゃんとやる気を煽るように作ってありますね。
ほんのワンカットですが、車運転している眼鏡にスーツの人が豪く美人なのに注目。クールビューティー。
その後全キャラが一斉に登場するシーンで、列柱の影に隠れるように立っていたブルーヘクサの彼。見た瞬間に思いました。
「ああ、これが今回の館林か。凄い可愛い!」と。
別に私は隠しキャラ好きではありませんが、あのサブリミナルのように出て来るちはるちゃんはとても可愛いと思いませんか?(同志を探そうとするな)
ラスト。葉月の笑顔を隠して飛び去る紙飛行機。あざとい演出。(←笑)ていうかちゃんと見せろ。ストリップでもあるまいに。ちらっと見せるな。

そんなこんなで始まったファーストマーチ。
ポスト詩織と思われた少年が、やたらぼそぼそした喋りなのに驚かされる。
まるでGackt。スタッフのなかに好きな人でも居たんでしょうか。
まあいいや...と進めつつ、オープニングで一番美人だった(推定)氷室に的を絞ってみる。
思えばこれが間違いだった。
そもそも私は一週間訓練→ステータス上げ。というときめもやらプリンセスメーカーやらのゲームが苦手でした。
自分でもすっかり忘れてましたが。
それなのにステータスチェックの厳しい氷室にしたのが祟ったのか、ゲームは途中で半年以上の中断を見るのです...。
そもそもこんなに続けられなかったのは、きっと取説のキャラ紹介を見ても、「これは好きなタイプ」と思える人がいなかったからでしょう。
思うにこのゲームは、一度きちんと最後までやってみなければ始まらないゲームなのではないでしょうか。
ギャルゲーはみんな同じか(笑)
ま、とにかく挫折した神矢は、つい一ヶ月ほど前に妹にオープニングを見せてもらいたいといわれるまで、約半年以上もこのソフトをほったらかしにしました。
なんか私こんなのばっかりだな。ガンパレしかり。
そしてピークを過ぎてから嵌るのだ(涙)
はー、寂しい;
ま、なんでときめもときめも言うているかといいますと、「ガンパレ」と言ってしまうとSS書きたくなってしまうからです。
あとちょっとだから、我慢我慢;


…て、明日は最後の模試です。
こんなこと書いてる場合じゃございません。
どうか80点以上取れますように!(呪い)




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2003年06月04日(水) SSS#49「瀬戸口×速水  シリアス?」


【愛の言霊】






ささやく、愛の言葉。
優しく、僕を騙す。
誘導尋問のような、欺瞞。



最初はただのなぐさめだったと思う。
真夜中に、まっくらな教室で偶然でくわした彼。
あまりにも憔悴して、表面を取り繕う余裕すらなく疲れきった彼を見て、思わず余計な世話を焼いてしまったのは、他ならぬ当の彼からの刷り込みだっただろう。

「瀬戸口さん、どうしたの?こんなとこで。もう午前4時だよ」
「・・・なんでもない」

どう見ても、なんでもなくは無い顔だった。

「瀬戸口さん・・・あの、僕の家に来る?」

朝になれば強制的に起こされる、詰め所の狭いベッドよりは寝心地が良かろうと提案したのだが、瀬戸口は視線すら返さなかった。

「俺にかまうな」
「そんな・・・ほっとけないよ」

瀬戸口は、ひんやりと笑った。

「優しいあっちゃんはどうでもいい奴でもクラスメイトをほっておけない・・か・・・?」

当人は皮肉を言っているつもりだったのだろうけれど、それがあまりにも力なかったから、速水は彼が可哀想になってしまった。
だからだろう。
思わずそんな言葉が口をついて出てしまったのは。

「そんなんじゃないよ。誰でもってわけじゃなくて・・・瀬戸口さんだから・・・」

瀬戸口が、はじめて顔を上げた。
暗闇に光る、猫の瞳。

「俺、だから?」
「だから・・・」

戸惑う。否、惑わされる。
決定的な一言を、言ってしまう。

「瀬戸口さんが、好きだから。
 大事だから、放って置けないんだ」

速水が驚いたのは、瀬戸口に突然抱きすくめられたからだった。
息が、苦しい。
耳元に、囁く声が熱かった。

「速水、それ、本当?
 嘘じゃない?」

冗談だよと流して終わらせるには、あまりにも真摯な声だった。
何かを必死に求める仕草で、瀬戸口は速水を抱きしめる。
どうかどうか、愛して欲しいとすがり付いてくる手を、払いのけることは出来なかった。

「嘘じゃない。・・・好きだよ」

そう、言った。
嘘じゃない。言ったらそれが、胸にすとんと入り込んだ。
瀬戸口が好き、というその気持ちが。
言葉にしたら、形にならないものが形を得る。
そうしてこの恋は始まった。




***




「あーつしv」

男は背中にくっついてくる。いつもそばにいるのに、彼は自分が愛されている事を、ことあるごとに確かめたがる。
振り払われない事に安堵する。
何がそんなに彼を不安にさせるのか速水は知らなかったけれど、差し伸べられる手を振り払ってはいけないことだけは知っていた。
振り返って、笑う。
赤茶色の髪を撫でる。銅線のように、コシの強いすべらやかな髪。頬にはくちづけを。
瀬戸口は嬉しそう。

「あっちゃん。俺の事好き?」

愛の伝道師にあるまじき質問だけど、速水は面倒がらずにいつも律儀に答える。

「うん。好き」
「どのぐらい好き?」
「んー…」

考え込む速水。それは真剣に考えている証拠なので、瀬戸口は急かしたりしない。

「僕の事、全部、どんなものでもあげてもいいって思えるぐらい、好き」
「本当に?」
「本当に。何が欲しい?何でも言って」
「あっちゃんのことなら、ぜーんぶ。って言いたいところだが、
 とりあえず、最初に…」

瀬戸口は、ちゅっと音を立てて速水の唇を奪った。
速水は、困ったような恥ずかしそうな目をして頬を染める。
ちなみにここは校舎の屋上だ。いつ誰が来てもおかしくない。
でもこの男は、いつ何処ででも誰が見ていても、速水に懐くことに余念が無い。
速水も検証することに余念が無い。主にこの目の前の男を好きになった、切っ掛けについて。

「…僕、騙されたのかなあ…」
「何?」

良く聞こえなかった、と顔を近づけてくる自称美少年の整った顔に、速水は疑念を欠片も感じさせない綺麗な笑顔で首を振る。

「瀬戸口さんを好きになって、良かったって言ったの」

愛しい人からの手放しの愛の言葉に男は珍しく頬を上気させ、しきりに照れた。
その様子に、速水も幸せな気持ちになる。
切っ掛けがなんであれ、自分が今この人を好きな気持ちに嘘は無い。

「ねえ、瀬戸口さん。僕が好き?」
「勿論!…誰よりも愛してるよ」

瀬戸口は今日も愛の言霊を発し、速水を惑わせる。
手繰り寄せる紅い糸が、途切れてしまわぬよう。
優しいこの子が、自分を見捨てることの無いように。
愛して欲しいと訴え続ける。







Fin
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

瀬戸口、詐欺師のようですね(笑)
SS書かない決意。
早くもくじける。



この日の日記がお気に召しましたら





2003年06月02日(月) SSS#48「瀬戸口×速水  らぶらぶ?」


【kiss,kiss,kiss】




星降るような夜の下、ため息を誘う、ふたりの食卓。
ふたり分の料理を前にし、ひとり頬杖をつく。
折角、彼の好きな和食にしたのに。
おひたしも煮付けも、頑張ったのに。
昼間から悪かった速水の機嫌は、今最高に最低だった。
女の子と仲良く腕を組んでの去り際、夕飯までには帰ると言ったのに。

「嘘つき…」

そもそも目の前で堂々と浮気をされているのに、律義に彼のために夕食を作る自分こそおめでたいと、速水は頭に来るのでその点を考えないようにした。
今日の女の子は速水の目から見てもとても可愛い子で、腕を絡めた瞬間に瀬戸口がめちゃくちゃに嬉しそうな顔をしたものだから、怒りも倍増だ。

「ただいま」

帰ってきた。出迎えてなんてやるものか。いや、自分の家でもないのに「ただいま」とは何事だ。

「あっちゃーん?」

食卓につっぷしたまま動かない速水に、まことに気の抜ける声で呼びかける色男。
いつもいつも愛してるとか好きだとか。言葉だけじゃ信用ならない。
だから呼ばれても顔も上げない。
瀬戸口は困って金茶の髪をかき混ぜる。

「…悪かったよ」

そんな気の抜けた詫びで反省しているつもりなのか。
誠意を見せろ、誠意を。
今度はしなだれかかってくる。色仕掛け。
なんでこんな男を好きなんだ、僕は。
あまりにも腹が立ったので、速水は彼のいちばんの楽しみを奪うことにした。
すなわち、浮気が出来ないように。

「速水?」

戸惑う瀬戸口を引き寄せて、首筋に口付ける。
ちゅぅっと音を立てて、瀬戸口が顔をしかめるくらい、きつく。
非常に目立つところに痕がついた。
馬鹿な男は恋人の怒りが治まったのだと誤解して、だらしなく頬を緩める。
速水はかまわない。
黙って彼のネクタイを緩め、鎖骨の辺りにも華を散らす。
普段は大人しい恋人が今までに類を見ないほど積極的に迫ってくれている。と、瀬戸口にはそう見えた。
速水が可愛くて可愛くて仕方が無くなり、キスを返そうとする。
が、両手で口をふさがれ、ぐいと押し戻される。

「む…?」

不思議そうに速水を見つめてくるアメジストの瞳。
この男はまだ判っていないらしい。
速水は言う。

「僕が瀬戸口さんに触ってるんだから、邪魔しちゃダメ!!」

瀬戸口は一瞬きょとんとしたあと、嬉しそうに頷いた。
速水がまだ怒っていることは認識したようだが、速水の目的が「女の子に負けないぐらい瀬戸口といちゃいちゃすること」であると解釈した彼は、どこまでも幸せな人らしい。
そもそも、可愛い女の子に腕をとられ、その瞬間に速水が物凄く怒ったような顔をしたのを見て幸福状態になる男である。
「あっちゃんがやきもち妬いてくれたーvvv」と喜んでばかりいるから、速水の意図にも気づかないのだ。
速水は口付けを止めない。
瀬戸口は煽りに煽られてもはや止めようというそぶりすら見せず、逆に先を促がすように優しく髪を梳るばかりだ。
そうして瀬戸口の呼気が乱れ切って今にも襲いかかって来る…という段階になって唐突に、速水は身体を離した。

「厚志…」

熱っぽく名を呼び掛ける男を速水は、叩き出した。
夜の中へ。
星は降るばかりに近く、涼やかに虫の声が己が美声を競っている。
瀬戸口は何が起こったのか判らずに、びっくりした目をして泣きそうな顔で速水を見た。
訳もわからず、突然飼い主に捨てられた犬みたいだったが、飼い主…もとい彼の恋人は、すがるような目を無視してぴしゃりとドアを閉めた。
そして全部の窓の戸締りを確認し、カーテンを閉めて眠ってしまった。


***


「おはようございます、瀬戸口十翼長。
 こんな早朝から貴方の姿が見られるなんて珍しい」

善行はそう言ってから首を傾げた。いつもなら一言えば十返ってくる、口が達者で生意気な部下が、今日は寡黙に一礼しただけだったのである。
まだ朝露の残る校門前で、彼は善行など殆ど目に入っていない様子で真剣に何かを待っている。
善行はふと思いついて声を掛けてみた。

「速水君なら今日はきませんよ」

ギギッと音のしそうな機械的な動きで首を回す色男。

「なんで?」

上官に対する口の訊き方ではなかったが、目が怖い。
善行は思わず1歩退いた。

「彼は今日から岡山に出張に行きました。
 一週間ほどで戻りますが…」
「俺は聞いてないぞ」
「私だって聞いてませんよ」

訝しげな顔になる彼に、善行は懇切丁寧に説明してやった。
曰く、出張は速水が望んだものであったこと。
昨夜突然速水本人から電話があり、無理やり今朝からの出張をひねり出させられた事。
だいたいこの目の前にいる瀬戸口といい、彼の部下は上官を上官とも思っていない不届き者揃いなのである。
ある意味達観している善行であった。

「速水は帰って来ないのか?
 …一週間も!?」
「か、彼がそうしたいって言ったんですよ」

善行、さらに退く。
完全に守勢に回っている。
だが、彼が生命の危機を感じる必要は全く無かった。
なぜならば、漸く事態を認識した瀬戸口は、真っ白に燃え尽きたボクサーの如くその場にへたり込んでしまったからだ。

後に瀬戸口に言わせると、それからの一週間ほど辛い日は、後にも先にもなかったそうである。
あれだけ煽った当の速水は居ない。
そして、瀬戸口がいくら瀬戸口でも(?)キスマークのバッチリついた身体で女性たちと愛を語らうほどには、厚顔無恥になりようも無かった。
実際、痕は2、3日で消えたものの、そういう手段に出た速水の気持ちを思えば基本的に速水を愛している瀬戸口には、浮気など不可能事であった。
もしも万が一、この時浮気をしていたなら瀬戸口は100%捨てられていただろうから、ある意味彼は自分を救ったとも言えるだろう。
とにかく、出張から帰ってきた速水は善行への報告もそこそこに攫われ、瀬戸口共々一週間の間姿を見せなかった。
そして部下に舐められっ放しの5121小隊司令官は、こっそり枕を涙で濡らしたとか濡らさなかったとか...。


Fin
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
なんと5月の間は2回しか日記を書かなかったのですね。
びっくりです。
忙しかった…というよりもSSを書いていたからなのですが。
近況報告のために設置したのですから、近況報告ぐらいするべきなのに(笑)
7月の頭に筆記テストがあるので、前前から言っていましたが、6月中の更新はオヤスミさせて頂きます。
SS書きたい病が発生したら、日記に駄文を書くやもしれませんが、基本的には日記もオヤスミします。
今でも休業状態だというツッコミはなしです。本人も判っておりますので(笑)

さてさて。どんなに追い詰められても欠かせないのは美女との会食。
5/21にはシラタマ嬢と、そして5/24には遠野さんとえぬぐちさんと、ごはんをしてまいりましたv
いつも思うのですが、シラタマさんはほんとにお美しいですよー。
いや見た目も綺麗なんですが、立ち振る舞いとか仕草とかいちいち洗練されてて見惚れてしまいます。
頭の外見もたいへんなのですが、頭の中身も素晴らしいです。
その知識の広範ぶりにはいつも驚かされます。
才色兼備って、きっとこういう人のことを言うのだ。ニンニン。

遠野さんは、お会いするのは実に一年ぶり…に届かんとするぐらい。
お久しぶりでしたv
お仕事で徹夜明けなのに引っ張り出してしまいましたよ。この機会を逃したらいつ会えるか判らないとはいえ…。
快くお付き合いくださって感謝感激です。
それにしても、お久しぶりなのにお久しぶりの気がしない…。最初から大変なテンションで盛り上がってしまいました。
野菜ネタとか…てんぷらネタとか…。
次から次へとお話をぽんぽん思いつかれる遠野さん。笑いすぎてほっぺたの筋肉が痛くなりました。
それにしても…真顔で下ネタを詰めるのはよしましょう(笑)
凄い楽しかったですよ…。まんぷくまんぷく。
また遠野さんには遠からずお付き合い頂きたいところです。
で、何かと神矢の被害に遭っていらっしゃるえぬぐちさん。
またしてもすみませんでした;
3時ぐらいから付きあわせてしまったから、一番感染率が高いかもしれません(神矢ウイルス)
いいですよーvえぬぐちさんは。白あっちゃんみたいでほわんとした雰囲気で。
いつお会いしてもとっても可愛らしいですvvv
でもお話していると、意外とブラックな一面もあったり。まさに速水(…え?)
空耳アワーには笑いました。
えぬぐちさんが「瀬戸口ってギャルソン似合いそうですよね」とおっしゃったのを、神矢は「瀬戸口って食べ放題(ケーキ)似合いそうですよね」と聞き違えたり。
あり得ない。
一文字たりとも合っていない。
でも私の脳裏には、女子高生たちに混じって嬉しそうにケーキを食べる瀬戸口の姿が…。
どう考えてもえぬぐちさん(速水ファン)の中の瀬戸口の方がイイ男です。
一体私はどこで何を間違ったのやら。

そんなこんなですっかり充電した神矢。
せとはや熱急上昇☆
SS書きたい病を押さえつつ、頑張ってこの一ヶ月を乗り切ります!


この日の日記がお気に召しましたら



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