【シュークリーム作成日誌】

2003年04月29日(火) 5/4 スパコミオフ会のご案内 ※(5/1改訂)


5/4のスーパーコミックシティの後で、打ち上げを開催しようと思っています。
17:00頃から新橋銀座東京方面にて(←アバウト)
参加ご希望の方は、5/2 18:00までに神矢修までメールにてお申し込み頂けると嬉しいです。たぶんひとり、ふたりぐらいならそれ以降でもぎりぎり…?

setohayafactory@yahoo.co.jp
↑コピペでご利用下さい。

申し込みに時間の余裕が無くて申し訳ありません。
言い訳ですが、私も今回は余裕無くて…(苦笑)
たくさんの皆様とお話出来るのを楽しみにしております。


この日の日記がお気に召しましたら



2003年04月21日(月) SSS#47「瀬戸口×白速水  切なく」

僕には、けして言えない秘密がある。





【ドール】





「・・・・・・っ!!」

真夜中、自分の悲鳴で目が覚めた。
飛び起きると、首筋から胸元へ冷たい汗が流れ落ちる。
ラボの夢を見たのは久しぶりだった。
悲鳴は喉の奥で押し殺され、声にはならなかったはずなのに、隣で眠る人の目を覚ましてしまったらしい。

「厚志?」

瀬戸口を、起こしてしまった。
上半身がゆっくりと起き上がり、闇に光るスミレ色の双眸が瞬きもせずにこちらを覗き込む。

「どうした?」

寝起きなのにはっきりした声。汗ばんだ前髪を優しくかきあげ、心配そうな顔をする。

「・・・なんでもない。ちょっと、怖い夢を見て」

それを聞いた瀬戸口は、眉根をしかめた。
流石に他人の夢の内容までは自分の力の及ぶところではないから、困ってしまったのだろう。

「どんな、怖い夢?」

それでもその恐怖を分かち合って、速水を助けてくれようとする彼はとても優しい。
その優しさに、応えられない自分。

「・・・中身は忘れちゃった」

嘘をつく。
だって言えない。

僕がうんと子供の頃の夢を見たんだよ。
まだののみちゃんよりも小さかった頃。
僕は何かの実験施設にいてね。
大人の人たちにいいように玩ばれてたんだよ。
実験とかもそうだけれど、子供にするような事じゃないことも、たくさんされてた。
いつもね。凄く、痛くて、気持ち悪くて、怖かった。
うん・・・。とても怖かったな・・・。
でもね、僕は気持ちいいふりしなくちゃならなくて・・・。
そうしないと、殺されるって知ってたから。
喘ぎ声とか・・・。苦しげな顔して腰振ったりね。
笑っちゃうよね。
でも、僕の子供の頃の思い出って、そういうのしか無いんだ・・・。

・・・・・・。
・・・言えるわけが無い。
黙って下を向いてしまった僕を、瀬戸口さんは優しく抱きしめてくれる。

「戦闘の夢でも見たか?
 かわいそうに・・・。お前さんみたいな優しい子がパイロットなんて間違ってるな」

瀬戸口は何も知らない。
だから瀬戸口が思いつく「速水が怖い目に遭った記憶」は、戦闘ぐらいのものしかない。

(僕は瀬戸口さんに嘘をついてる。
 彼を騙してるんだ)

それは絶対に言えない事だ。
瀬戸口は速水をとても綺麗な心と綺麗な身体の人だと誤解して、好きになってくれたのに。
だって何度も言っていた。

『速水は俺には勿体無いな』
『俺なんかで本当にいいの?』
『速水は優しい子だな・・・』

『好きだよ。愛してる』

・・・瀬戸口は知らない。
速水が本当はどんな人間なのか。
どんなことをしてきた、どんなに汚れた人間なのか。

『俺でいいの』なんて、そんなの僕が聞きたい。
本当に僕でいいの?貴方に抱きしめてもらう価値が、本当に僕なんかにあるのかな。

(無いに決まってるよね。
 ごめんなさい、瀬戸口さん。嘘ついて・・・)

こんなに優しい瀬戸口を騙している。
汚い自分を隠して、彼に愛されたがってる。
なんて卑怯な自分。
好きになればなるほど、どんどん自分は彼に釣り合わない人間になっていく。
それでも・・・。

「僕、瀬戸口さんのそばに居たいよぅ・・・」
「厚志?」

ぽろぽろと涙を零してしがみ付いて来た速水に、瀬戸口は驚いて目を見張る。
すぐに強く抱き締め返してくれる、優しい人。

「どうした?ほら・・・ここに居るぞ。
 ちゃんと厚志のそばに居るだろう?」

大きな優しい手が、宥めるように頭を撫でてくれる。
瀬戸口は速水と同じベッドには寝るけれど、セックスはしない。
幼げで清純な恋人に、そういうことをしてはいけないと思っているのだ、彼は。
それは速水にとっては都合が良かったけれど、多分したとしても本当のところがばれる事は無かっただろう。
経験の無いふりをするのが、速水は得意だった。
しかもそれは、もはや演技と呼べるレベルではない。
研究員たちは物慣れぬ純真な小動物である彼をいたぶるのを好んだから、速水にとってそれは常に命がけの芝居だった。
瀬戸口がいかに聡くても、決して気づきはしなかっただろう。
でも、そうなれば、また彼を騙す嘘がひとつ増える。
彼に愛されてもいい人間から、もっと遠ざかってしまう。

嘘も、つき通せば本当になるなら良かったのに。

速水は、瀬戸口がこの欺瞞に気づかずに、永遠に自分を綺麗な人だと信じて愛しつづけてくれればいいと思う。
そうしていつか、自分の過去が消えてしまって、自分が本当に彼に愛される資格のある綺麗な人間になれればいいと、叶う筈の無い夢をみる。





Fin
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

白さんであっても、速水が速水である限り、あの過去はついて回りますよね。
瀬戸口が気付いていても気付かなくても、白あっちゃんはその過去を負債に思うような気がします。
白あっちゃんは、他人の汚い部分や弱い部分は許せても、自分の汚い部分は許せない人のイメージがあるのです。


この日の日記がお気に召しましたら



2003年04月20日(日) 林間学校

りんかんがっこう、と打ったら全く違う字に変換されて大慌て。
今に始まったことではありませんが、このPC他の誰にも使わせられません。

さて、楽しかったお泊りも無事に終了。
あまりのテンションの高さに、体力を使い果たしてよろよろに。
どんべさん、蓮川さん、河内さん、ありがとうございましたv
と、お疲れ様でした。色々な意味で(笑)
ネタがありすぎて何から書いて良いのやら…。
詳しいご報告は後日以降に、落ち着いてからに致しましょう。

とりあえず、おやすみなさい。



2003年04月18日(金) お泊り

今週末は土日に渡ってお出かけしてまいります。
これを楽しみに、ここ2週間ばかり乗り切ってきたと言っても過言ではありません。
はふ。でも眠る前に宿題やっておかなきゃ。
また寝るの3時ごろになっちゃうなあ…。

このところ、またSSの神様がご降臨していらっしゃるようで、毎晩ちょっとずつお話が書けています。
またしても、ホラーぽいお話なのですが、近日中にお目見えできるかと。
キリ番とかも、わわわっとストーリーが沸いてきたので、やっとこさこれで消化できるやもと喜んでいます。
本人だけの中のことですが(苦笑)



2003年04月12日(土) SSS#46「瀬戸口×速水  らぶらぶv」





【お湯の匂い】






窓から、青空が見える。
雲ひとつない紺碧の空を見上げ、瀬戸口は溜息を吐いた。
憂いを含まない、満足の吐息。
手でお湯を掬う、ちゃぷりという音。
速水の家は一戸建てで、風呂には大きな窓がある。
型板ガラスのそれは外から覗けないようになっているが、開け放てば隣家に邪魔されることなく空が見えた。

「それにしても、一体どういう風の吹き回しだい?」

少々古風な言い方で、瀬戸口は恋人の気紛れを質す。
日曜日に朝から風呂に入ろうなんて、規則正しい生活を愛する速水としては異例の提案だ。
しかも、髪を洗わせて欲しいなんて。
速水は穏やかに笑いながら、シャンプーのボトルを手に取る。

「嫌だった?」
「いーや。朝風呂ってのも気持ちいいから、俺は嬉しいけど」

ぱちんとウインクを投げれば、自分は服を着たままの速水は困ったように笑い返してきた。
彼は風呂場に脚立を持ち込んでいる。
それに腰掛け、浴槽に浸かったままの瀬戸口の髪を柔らかく洗い始めた。
ほわほわと泡を立て、マッサージするように強弱を付けて頭を洗っていく。
瀬戸口はうっとりと目を閉じ、速水の好きなようにさせていた。
その表情は猫が咽喉を撫でて貰っている時にそっくりで、とても気持ちが良さそうだ。

「痒い所はございませんか?」

速水はすっかり美容師のような口調で、律儀にそんな事を聞いてくる。

「ん、大丈夫。凄く気持ちいいよ…。あっちゃん、どこでこんな事覚えてきたんだ?」

言っている事は普通なのに、瀬戸口が言うと妙に色っぽい言葉に聞こえる。
それを丁重に無視して、即席美容師は髪を洗いつづける。
何気ない口調で話しながら。

「瀬戸口さん、こうやって誰かに髪洗ってもらった事ある?
 美容院とかじゃなく」
「いや、初めてだな」

瀬戸口は速水に背を向けていたので見えなかったが、それを聞いた速水はとても…嬉しそうな顔をした。

「僕が初めて?」
「ああ、初めて」
「そっか」

えへへ…と笑って、更に熱心に髪を洗う。
今度は瀬戸口も気付いた。

「どうしたんだ、あっちゃん。ご機嫌?」
「うん。瀬戸口さんの初めてのことって、僕何にも貰ってないんだもん。
 キスも、…も」

羞恥のあまり小声になる速水に、瀬戸口はこっそりと笑った。

「初めてじゃないけど、一番だよ」
「うーん…それでも!」

初めてってなんか特別な気がするじゃないかと、速水はやっぱり譲らない。

「髪を洗うって、キスと同じくらい特別なのか?」

いささか分が悪くなった瀬戸口は、やや強引に話題の転換を試みる。
だが少年は、その問いに真剣な顔で頷いた。

「同じぐらい特別だよ。
 だって僕は、嫌いな人に髪とか触られるの嫌だもの」
「うん、そりゃそうだ」

速水に触っていいのは俺だけだ、と瀬戸口はうんうんと頷く。

「瀬戸口さんも、嫌いな人に触られるの嫌?」
「んー、普通そうだろ?」
「じゃ、瀬戸口さんは僕が好きなんだ」

弾んだ声に振り返ると、速水は満面の微笑みで瀬戸口の頭を元の向きに戻す。
ぐきっと首が鳴ったような気がした。
速水の仕草がいつもより乱暴なのは、瀬戸口を大事にしていないからではなく、照れているからである。

「こうやって、髪洗わせてくれるでしょ?
 抱きついても怒らないし、手も繋いでくれるものね。
 瀬戸口さんは、僕が嫌いじゃないよね?」

判りきってるくせに確認したがるのが可愛いなあと顔がだらしなくなる辺り、瀬戸口もかなりやられている。

「嫌いな相手だったらしないと思うなあ」
「え?」
「抱き締めたり、キスしたり、撫でたり、舐めたり…」
「わ−っ!」

速水は泡だらけの手で瀬戸口の首を締める。
滑る手を捕まえて、殺害されかけた男は殺人未遂犯を引き寄せた。

「あーっ、もう!シャツが泡だらけになっちゃったじゃないか」
「脱いじゃえば?」

苦情を申し立てる可愛い恋人のボタンを、瀬戸口は嬉々として外し始める。
速水は困った顔をしたが、抵抗しようとはしなかった。

「今度は俺が速水の髪洗ってやるよ」
「…髪だけ?」

艶やかな言葉に思わず手を止めると、恋人は悪戯っぽく見返してくる。

「他は、洗ってくれないの?」

瀬戸口は、悪戯を見咎められた子供のようにバツの悪そうな顔をした。

「洗いたいって言ったら怒る?」
「気持ちよくしてくれるなら怒らない」

『気持ちよく』の種類を量りかねて一瞬迷った様子の瀬戸口に、速水はたっぷりの甘いキスで答える。
甘いのは空気で、石鹸が仄かに混じったキスの味は苦い。
瀬戸口はまだ半分服を着たままの恋人を、軽々と抱き上げて浴槽へと連れ込む。
泡に埋もれて抱き締めあう、ふたりの側には切り取られた青空。
本当は外に出かけるのに相応しいこんな日。


時にはこんなふうに、彼らの休日は過ぎていく…。



Fin
―――――――――――――――――――――――――――――――――
いちゃいちゃパラダイス。
今日は、抱き締め隊にクルセトSSを投稿してきました。
誕生日SSじゃない方が、書きあがってしまったので、そっちの方を。
隊長、ガンバる。



この日のお話がお気に召しましたら




2003年04月08日(火) 瀬戸口さんのお誕生会

以前8日に書いた日記がなぜか消えてしまいました。
都合がいいので(?)書き直します。


4月8日。お釈迦様の誕生日…もとい瀬戸口君の誕生日。
美しいお嬢さん達をこよなく愛する瀬戸口に敬意を表し、神矢も綺麗なお嬢さんたちの集まるオフ会に参加してまいりました。

今回幹事をして下さいましたのは、ゆきふみ嬢と宇多津にか嬢でした。
本当にありがとうございます。筋金入りの瀬戸口好き。
銀座の素敵な居酒屋さんで、「おたんじょうびおめでとう 隆之」と書かれたチョコレートケーキにロウソクを立て、皆で吹き消した事を私は一生忘れません(笑)

それにしましても、なぜ誕生日の会だというのに下ネタ尽くしだったのでしょうか。今日の下ネタ王は、どんべ嬢に決定です。そのパワフルなネタ振りには誰も追いつけません。
まあ、年間MVPは当然シラタマ嬢に決定ですが。
皆さんから頂いたお菓子は、美味しく頂きますv
特に、速水ファンのシラタマ嬢・えぬぐち嬢から頂いたお菓子は「瀬戸口が速水から誕生日プレゼントを貰った」のと同じような気分になり、とても幸せな気がしました。

「ほっこり」という心温まる名前の、お酒もお食事も美味しい雰囲気の良いお店で、こんな「酔っ払った中年ですらしないだろう」というほど、あからさまな下ネタ(しかもホモネタ)で盛り上がるうら若い乙女たち。
お店には少々申し訳なかったような気すらします(笑)

周囲はともかく、私は本当に楽しい時間を過ごさせて頂きました。
きっと瀬戸口も、草葉の陰で(←!?)喜んでいることと思います。



カッコ良いけれど情けなく。女の子の扱いは上手いのに、本命には純情で。
凄く強いのに、不器用で。
どこまでも優しくて寂しがりの。
速水のことを、とてもとても大好きな、そういう瀬戸口が好きです。

と、そんな話はとてもじゃないが照れ臭いので、いつもこき下ろしまくってしまいますが、それもまた愛のカタチ。
これだから瀬戸口ファンは辞められません。



この日の日記がお気に召しましたら


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