デイドリーム ビリーバー
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2003年05月28日(水) 許してしまった

いとも簡単に、許してしまった。
時間がたってしまった話で、申し訳ないのですが。

この間の、電話でのケンカ。
ケンカっていうか
彼がブーブー言って、私がよしよしとなだめていたのが
だんだん、私が、我慢しきれなくなっただけなんだけど。

そうなると私は、ただ、無言。無言。無言。

彼が、
んー、とか、機嫌とるみたいに、少し甘えた声だしても
あくまで無言。

だって。その甘えた声につられて、こっちが何か返したとしても、結局
彼には絶対、折れる気がないんだもん。
お金出すから、弟をホテルに泊まらせろとか
そういうアホなこと、また言うもん。絶対。

よって無言。腹立つので無言。
私の名前何回か呼んでたような気もするけど、無視。

しばらくして、とりあえず「おやすみ」とだけ言った。
いやに無表情な声で。

「…寝るの?」と、彼。

「眠いから」
「…」

「おやすみ」
「…おやすみ」

「じゃね」
「…うん」

ガチャン。

会話の途中で切らなかっただけ、えらいさ、私。



ベッドに入っても、しばらくは、腹が立って寝られなかったんだけど
そのうち、
こういうケンカをこれからずっとしなくちゃならないのかとか
考えたら、泣けてきて
だって、今回仲直りしたって、どうせ同じことは
これからも起こるわけでしょ、ずっと。ずっと。付き合っていく限り。


私はねえ。束縛くんは大っ嫌いなんだよ。
だからずっと長続きしなかったんだよ。今まで。

考えて、しばらくして落ち着くと、泣けてくる。

彼と別れて一人になるのを想像してさみしいのと、
彼と別れて一人になっても、わりと生きていけてしまう自分が
想像できてしまって、そういう自分が情けないのと、
彼のことを好きじゃなくなっていくのが悲しいのと、

そんなんで、泣けてきて、
でもそのうち、疲れて、寝てしまって。



朝7時。彼からのメール着信の音で目が覚めた。

「きのうはごめんなしゃい」
って書いてあった。

まだ半分寝ぼけていた私は、「ごめんなしゃい」がかわいかったので
少し笑って
寝ぼけたまま
「私もごめんなしゃい」
って送信して。しばらくベッドの中でくすくす笑った。

かわいいなあー、かーわいいなあーって
冷たい掛け布団を丸めて、抱き枕みたいにして抱きついて
右へごーろごろ、左へごーろごろ。
かわいいなあー、たまりませんなあーって
にやにやして

しばらくして、思い出して、がばっと飛び起きた。
違うよ、私怒ってたんだ、って。


だけど、単純な私は
一晩寝たら、なんとかやっていけそうな気分になっていて。
多分彼もそうだった。
だから、ごめん、なんてメールしてきた。

そして、そのうちいろんなことがわかってきて。

例えば、彼が朝の7時にメールしてきたこと。

私はいつも7時に起きる。彼もそうだって言っているけど
起きるのが苦手な彼は、多分いつも時間通りに起きてない。
家を出るのは、わたしは8時半前だから余裕だけど
彼は8時だから、朝はいつもバタバタしてる。

私は朝いつも7時20分頃に、おはようってメールする。
「今起きた!起こしてくれてありがと」って返ってくるのが1/3。
8時に、あわてたように、「いってきます」とだけ返ってくるのが1/3。
よっぽどバタバタしているらしく、返ってこないのが1/3。

だけど今日は珍しく起きたんだ。目覚ましで、一発で。

彼は、昨日あれからお風呂に入ったはずなんだ。
だから私より、寝るの遅かったはずなんだ。その間。
考えてくれていたんだなって。
そんなことに気付いたりして。


その日の夜の電話では、お互いに少しずつ譲歩していた。
彼はやっぱり、少しすねていたけど、それも少しだけで
許せる範囲内。


電話じゃなけりゃ、そばにいられれば、
キスして頭なでて
もう少し、彼を安心させられるかもしれないのに、なんて

また、ほんの少し、結婚を意識した。



結婚願望のなかった私が
彼とつきあうようになってから、どんどん変わっていく。

一人で生きていた頃に、夢見ていた
明るくて少し乾いたみたいな、一人の未来も悪くなかったけど

彼との未来も、明るくて素敵だ。


たぶん、一人よりもっと素敵。


2003年05月25日(日) ケンカ

だってね。むかつくっつうの。

いつも、ここには
まるで、私だけがやきもちやきみたいに
よしよしってなだめるのは彼だけかのように書いてきたけど、
実情は違うんです。
本性はまったく逆なんです。
あれは、私が、彼をよく見せたいという、乙女心です。見栄です。

はっきり言って、私はもともとやきもちやきではありません。
彼に会うまで、やきもちなんかやいたことなかったし
つきあうようになってからも、私が全然やかないので
彼がすねていたぐらいなんです。

彼が、
やきもちやけ、やきもちやいてくれないと
好かれている実感がないとかなんとか、
女の腐ったのみたいなこというから、しかたなく

「お、今の人キレイ!」
なんて、道行く人に目を奪われていたら、
「なにをー?」って、怒ったふりして、彼を軽く睨んだり
腕をガシッとつかんで、やきもちのふりを、してやったんです。
「私がいるのに、なにを見とるかー。バカモンバカモン」って
いい年こいて、バカップルみたいなことを
やってあげたんです、私が。しょうがなく。

そしたら彼は満足そうに、私の頭をなでて
「宙ちゃんはかわいいなあ」
って満面の笑みで。
何てちょろい男なんだなんて、頭の隅をかすめたとしても、
そんな考えは一瞬にして
ピンク色の雲にかき消されてしまっていたわけです。
恋に浮かれた、わたしのあたまの中では。
そんで、かわいい人だなあとか、思っていたわけです。
恋ボケの私は。

そんなことしているうちに、いつのまにか
私にもやきもちがうつったみたいで
なんだかわからないけど、想像だけで泣けてきたりして

そういう心の変化が、私にとっては大事件だったから
ここにも書いてきたわけだけど
大事件っていうのは、たまにあるから大事件なのであって
私のやきもちなんて、かわいいもんよ。彼のに比べたら。

なんなのよ、あの
対処のしようのない、しつこい、しつこーい、やきもちは。
なんなのよ。

そりゃ、男は女に比べて、そういう面があるとかいうけど
知らないよそんなもん。言い訳にもならねえよ。
他の男の生態なんて別に知りたくもないし
他の男がどうだからって許せるもんでもないし
とにかくむかつくの。やきもちやきすぎなの。ほんとに31かよ、あの男。

しかも相手は、弟だよ。

弟が来るっていうんだから、泊めてやってごはんつくって
1日遊んで何が悪いのよ。
今の家は、シェアしている子と、男は連れ込まないって約束しているから
あなたは確かに入れないけど、
家族は例外なの。別にいいじゃん。弟にホテル泊まれっていう方が不自然じゃん。
いい年して同じ部屋に寝るのがそんなにヘン?
世間の人なんて知らないよ。私は全然、ヘンだと思わないもん。

弟と遊びに出かけるのは異常かよ。異常で悪かったな、弟と仲良くて何が悪い。
俺は一人っ子だから、そういうのわからんって
私だって一人っ子じゃないから、そっちの考えわかんねーよ。

だいたい弟は
私とあなたの仲を反対モードの、うちの家族の中で
唯一と言ってもいい味方なのよ。

彼氏と仲いいなら、それでいいじゃんって
単純に考えられる、貴重な人材なのよ。
やたらと深刻になってしまう母親を、うまくなだめるには
母親の前で、弟と、くったくなくラブ話をするのが、今のところ
一番効いているんだから。
それをするために、私、今年に入ってから何回実家に帰ったと思ってるのよ。
正月含めて、6回よ、6回!
実家を出て十年、年に2〜3回帰る程度だった私が、四倍以上の勢いなのよ。
交通費だってバカにならないのに。

金曜日、仕事の後、そのまま実家に3時間近くかけて帰って
土曜日、一日中、母親につきあって、親戚づきあいの愚痴きいてあげて

日曜日、
デートの予定だってことは、あらかじめ母に知らせておいて
でも、デートなんてどうでもいいのよーみたいな雰囲気で
ゆっくり、母にお茶なんか入れてみたりして
彼から「何時にまちあわせ〜?」なんてメールがきても
そんなメールきてないふりをして

彼に「いそいで帰るね」ってメールしたら
「いいよ、いいよ。家族とゆっくり過ごしておいで」
って返事がきたから

「デートじゃなかったの?」
ってきく母に、
「大丈夫だよ。家族とゆっくり過ごしておいでって言っているから」
って、わざとそのメールだけ見せて
家族思いのやさしい彼を演出してみたりして

「でも、かわいそうよ、待ってるんじゃないの?」
って言葉を、母から引き出したら
「んー、じゃあそろそろ帰ろうかなあ」
なんて、やっぱりのんびりと言ってみたりして

心の中では、もう、早く彼に会いたくて会いたくてたまらないし、
いい加減彼が、不機嫌になるんじゃないかとか
母が、デートやめて、ゆっくりしていきなさいと言い出すんじゃないかとか
内心ひやひやしているんだけど
そんな素振りは見せないで

でも、家を出たら、駅のホームまではいつも猛ダッシュだよ。
いったん家に帰るから大丈夫って母に言って持たせてもらったおみやげを
待ち合わせの駅で、全部コインロッカーに押し込んで
一秒の無駄もなく、デートに突入だよ。

そりゃあね、こういうことしているのは、彼のせいじゃないしね
私が勝手に頑張っているだけのことだしね
だけど、こういう状態でさ、家族のこと悪く思われちゃうとさ
立つ瀬がないじゃん、私。
何の為に頑張ってるのって思うじゃん。

意味わかる?わかんないよね。
私もだんだん訳がわからなくなってきた。
怒涛の勢いで書いてるからね。
ていうか、私結構、ブラインドタッチできるんじゃん。
まあ、そんなことはどうでもいいんだけど。
なんか、でも、おもしろいから、今日はこのまま突っ走ってしまおう。
なんだっけ。
そう怒ってるのよ。
誰にだっけ。彼?母親?
まあ、どっちにもなんだけど。

ていうか、母の態度がだいぶ軟化してきた今になって、なんで
彼から、弟のこと悪く言われなきゃならないの。
弟は味方だっつうの!この、わからずや!

やっぱり彼だ。彼に怒ってるんだ。ああむかつく。

だいたい、私ばっかりが自由奔放に生きてるみたいな言いかたして
わたしだってね、彼に言われて
大好きだった深夜の散歩もやめたし
痴漢、蹴飛ばしたりもしてないし
危険なことは、出来るだけ避けるようにして
結構言うこときいてるじゃん。
彼氏が出来て、付き合い悪くなるような人間になるのはいやだったけど
男友達もかなりきったし。ていうか、もちろん、
きっても支障のない人たちだから、全然いいんだけど。
きってみたら、飲み友達がいなくなって
残った男友達は、飲み会とか嫌いな人ばっかりで
逆にびっくりしたけど。
というわけで、飲み会も、まったく行ってないし。
女友達と時々ごはん食べるぐらいだし。
ていうか、それも今はどうでもいいのか。

いや、どうでもよくないわ。
そういえば最初、女友達にまでやきもちやいてたのよ、この男。

私だってね、別に、最初からケンカ口調だったわけじゃないのよ。
めちゃめちゃやさしく、なだめてたのよ。

女友達にまでやきもちやいていた時だって、
内心バカバカしいと思いながら、
でも彼の気持ちを理解しようとして

彼のこといっぱい知っている男友達のこと、羨ましいっていう気持ちならわかるから
それを膨らませた感じなんだろうなあって
いろいろ妥協案出したりして
「じゃあ、10時までに帰るから。それならいい?」とか言ってみたり

よくねーよ。そんな女友達、だいっきらいだよ、私なら。

今回だって、なだめてなだめてなだめてなだめてなだめて

だけどね、しつこいの。
もーだめなの。何言っても、聞き入れないの。頑固なの。
いくら私でも限界。

もーしらない。

ここまで男の人好きになったのもはじめてだけど
ここまでめちゃめちゃ好きな彼のことを
ここまで憎たらしく思うのもはじめてです。

にくっっっっったらしい!

明日メールがきても、無視してやる!
絶対、返事なんかしてやるもんか!


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