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雨宮【MAIL

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新しいほうがイイ?
2003年11月11日(火)

さてこの日記をうっかりお読みの皆様のお宅のお風呂は、五右衛門風呂なのか二管式追い炊きなのか、それとも最新のフルオートなのかエコキュートなのでしょうか。
暖かい地方だと追い炊きなんぞなくて、落とし湯で十分な地域もあるんでしょうか。その辺りの事情は全然知る由もありませんが、とりあえず。
信州の農村部だと未だに薪でお風呂を沸かしているお宅が残っております。

現在でも普通に流通しているのが、「兼用釜」というタイプ。
これは樽を横にしたような形の本体の横に、灯油のバーナーがくっついていまして、本体の部分で薪をくべてお湯を沸かしても良いし、薪が無ければ灯油で沸かす事も出来る(だから兼用)というモノであります。
釜の部分がそれほど大きくないので、くべる薪を小さく切っておかなければいけないのが難点でしょうか。
燃えるゴミをくべる事も出来るのが、ごく一部の女の人に評判が良かったりします(笑)

そして今時それは無いだろうと思いがちなのに、意外と生き残っているのが
……「長州風呂の進化系」
いや、これ私も何と呼べばいいのか解りません。
長州風呂ってのは、風呂釜全体が鋳物ですよねえ?
だけど、私がよく遭遇するのは、底の部分のみが鋳物(もしくは銅)なのであります。肌が触れる側壁の部分は、タイル張りで左官屋さんが作るタイプなのです。
火をくべるのは、風呂の隣に作られた部屋からで、煙は風呂の下を通り抜け、外壁に作られた煙突から出てゆきます。
んでもって風呂の排水は、何故か洗い場の真ん中にハンドルが埋め込まれていてそこで排水するという、妙にシステマチックな進化系。
壊すのにも普通のお風呂の三倍くらい大変なこのお風呂、何と呼ぶのか誰か教えてください。今度写真が撮れたらアップしますので。




大きく話がずれました(をい)
今回のお宅は、長州風呂ではなくて兼用釜のお宅でした。
リンゴを兼業で育てておられるんで、薪には不自由しないとか。
で、お風呂を新しくするにあたって、兼用釜も新しいものを入れて欲しいというご希望。
ところが、運悪く給湯専用のボイラーのほうまで工事中に調子が悪くなってしまいまして、風呂釜とボイラーを二台取り替える事になってしまったわけです。
いやまあ、どうしても薪を使いたいという話しですし、そのまま給湯専用と追い炊き用と、二台新品を入れても良かったわけですが。
給湯用のボイラーの位置を変更して、追い炊き釜の隣に持ってきて欲しいとかいう話になりまして、ちと面倒なことになりました。
いやでも、お客さんの希望だししょうがねえなあとか内心諦めていたんですが、お茶の時間にその家のお婆ちゃんが突然思いがけない事を言い出しました。
以下会話を抜粋すると。

「このあいだ妹の家に行ったら、スイッチポンでお湯が張れて追い炊きが出来たけど、あれは良いねえ。家もああいうのにならないかねえ
「え、でも薪でお湯を沸かせないと困るんですよね?」
「そんな事、誰が言っただい?」
「息子さん(お施主さん)が……」
「薪で風呂を炊くなんて、私以外誰もしねえのにかい? どうせ、私が倒れたら、誰も薪なんか炊かねえせ」
「あ、じゃあ……息子さんともう一度、相談していただけますか? 二台分の代金に少し足せば、オートのボイラー入れられますんで」

……で、結局どうなったかというと。
フルオートのボイラーを入れることになりました。
「薪があるのに使わないと勿体無い」と言っていたのは、薪で風呂を沸かした事が一回もない息子さん夫婦(笑)だったそうで。
スイッチポンのお風呂になんとしてもして欲しかった、お婆ちゃんの願いが叶ったわけでした。

薪のお風呂は暖かいけど、やっぱり面倒くさいよねと、そういう話だった訳ですが。
最後までお婆ちゃんが最新式を入れたがり、お嫁さんが薪にしたがったという辺り、実に印象的な現場でありました(笑)


え、エコ……?
2003年11月06日(木)


お風呂場の天井のモルタルを剥がしていたら、
その下がみっしりと文字で埋め尽くされておりました。

なにをっと一瞬焦ったんですが、なんの事はありません。
天井を埋め尽くしていたのは「ポルトランドセメント」の文字。

左官屋さんが、壁塗りで出たセメントの空き袋を、防水紙代わりに貼り付けていたのでした。

その数は全部で二十枚を下らなかったでしょうか。
それだけの枚数、一枚一枚袋を切り開いた手間を考えると、
防水紙をちゃっちゃと広げて貼ったほうが、明らかに早いような気がいたします。

そもそも、空き袋を防水紙代わりに使ったその理由は

ケチであったのか
エコであったのか。


二十年前に戻って問い詰めてみたい。



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