ミドルエイジのビジネスマン
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2003年03月29日(土) 千歳空港から名古屋へ

札幌出張の翌日午前中に名古屋で仕事があったので、仕方なく千歳空港から空路名古屋に向かった。

カッコいい。ビジネスマンの最高にカッコ良すぎるセリフだ。

千歳空港のレストランでは、日帰り出張の仕事だけで終わってしまい北海道を満喫できなかったかわいそうなお父さんたちのために1,200円の晩酌セットを用意している。多くの場合、生ビールと海の幸の一品がセットになっている。

大部長も出張の達人から秘伝を教わり、夕方6時半にボタン海老を従えた生ビールと一人静かに対座した。勇ましい角を突き出した大きなボタン海老が刺身の姿で大部長の前に2匹も。

こんな幸せがあっていいものだろうか。あとは、飛行機で名古屋に向かい、寝るだけだ(本当は2センチほどの厚さの書類を読まなければならないのだが、そのことは努めて考えないようにする)。

注いだばかりで、ギンギンに冷えて泡もまだ厚い生ビールのジョッキをカーッと傾ける、旨いっ。ボタン海老の尾っぽをちぎって、ちょっと醤油をつけ、一気にかぶりつく、旨いっ。しかもまだ一匹残っている。

札幌から名古屋に向かう便には、春休みとあってお子様連れの家族や若いカップルあるいは女性同士の旅行帰りが多いものと見え、少数派のお父さんたちは心なしか小さくなっている。

席について、早速例の書類を読もうと思ったのだが、なぜか記憶は飛行機が離陸するところでプッツリ途絶えている。ビールに一服盛られたか、ボタン海老には謎の睡眠誘導物質が含まれているとしか考えられない。いつかどこかのバイオベンチャーがボタン海老から人体に無害な睡眠薬を開発したと発表しても驚かないだろう。

「まあ綺麗、あれがツインタワーよ。名古屋って意外と大都会よね。」という若い女性の声で目が覚め、窓から覗くと機体はゆっくりと降下を開始しており、新しくできた名古屋駅の超高層ビルを発見することができた。大部長は眼下に広がる大都会の灯りの海を見つめながら、明日のミーティングに備えて同僚が準備万端整え、例の書類も全部読んでいることを密かに祈るのであった。









2003年03月23日(日) グリーン島で海水浴

2002年12月22日、ケアンズの朝の空にはやや雲がかかっていた。海に出かけるこの日だけは晴れて欲しかったので、空が気になって仕方ない。少しでも日が陰ると気分は沈み、太陽が顔を出すと希望に胸が膨らむ。

高速艇(と言っても大きい)で40〜50分の沖合いに小さな島「グリーン島」がある。そこに向かう高速艇の中でお父さんと長男はスキューバダイビングの正式な申し込みをした。濡れずにパラセーリングができますよとおばさんが廻ってきたり、飛行機にも乗れます、と選択の幅は大きい。

お天気の女神はとうとうお父さんに微笑み、グリーン島に到着する頃には快晴の日だということが判明した。ここで2時間ばかり海水浴だ。どうも、ケアンズと言えばグリーン島ということになっているらしい。

写真は、グリーン島の海水浴場。みんなが見ているのは水上飛行機の着水。



美しい海と水上飛行機



2003年03月16日(日) ビールのおつまみ製造中

久しぶりに家庭菜園を覗いてみた。

いつだったか、役所広司がビールのコマーシャルで実に旨そうに食べていたのに触発され、昨年から作っている。今回は2回目。秋に蒔いて冬を越さなくてはならないので、どうなることかと心配したが、元気に育っている。

前回は笹の枝なぞ脇に挿したりして、風よけや霜よけに心を砕いた。親心というものだ。暖かい地方とはいえ、冬には5センチくらいの霜柱が立つこともあり、畑の土ごと持ち上げられてしまうので、油断はならない。今回、ほったらかしにしておいたところ、2株は霜にやられて黒く枯れてしまったものの大半はスクスクと大きくなってホッとしている。鬼のような親だったなあ。

高さはまだ10センチに満たない。写真を見てもなんだか判らない方もいるかもしれない。あれですよ、アレアレ。


***初夏のビールのおつまみ***



正解は「ソラマメ」


2003年03月08日(土) 大部長、新橋に参上

金曜日の夜、パソコンで週報を書いていると関連部門のお偉いさんが隣の部の部長を誘っている。もの欲しそうな顔をしていると、お前も行くかと来たので週報は戻ってからとパソコンも点けっ放しでついて行った。

すぐ近所で軽く飲むのかと思ったら、新橋の焼鳥屋に行こうということになった。新橋は大部長にとって通勤の反対方向になるので夜わざわざ飲みに行くことはない。新橋の焼鳥屋と言えば「サラリーマンライフの象徴」とも言え、テレビではよく世相問題でほろ酔い機嫌のお父さんにインタビューなどしている。是非一度は体験したいものとイソイソとついて行くと・・・

そこは大通りから一歩入った路地の奥、ビルではなく長屋風の焼鳥屋だった。「おかあさん」を中心に、多分30年とか40年前から同じように焼鳥を焼いているのだろう。普通、テーブルが並んでいるとそれぞれ4脚の椅子がセットになっているが、狭すぎて隣のテーブルとの間には椅子が1列しか置けない。すなわち、どちらのテーブルにも向かって座れるようになっていて、その日は3人ずつだったので、間の2脚の椅子を別のグループと分け合って座った。

焼鳥屋は「つくね」のおいしさでその店の良し悪しがわかると言われている。さすがにお奨めの店だけあって、ネチネチでもなくパサパサでもなく、シットリした中に多分軟骨のつぶつぶした歯ごたえもあって大変美味しかった。つくね以外も美味しくて満足々々であった。出足が遅かったせいもあるが、われわれが注文した直後に売り切れになるものが続出、お偉いさんは注文伝票に自ら鉛筆で本数を書き込みながら、滑り込みセーフの注文の巧さを自画自賛すること頻りであった。

30年なのか40年なのか、いずれにせよ「おかあさん」とこの焼鳥屋は長いこと会社の方針についての議論や悲憤慷慨やお追従や上司の悪口などを見たり聞いたりしてきたことだろう。時代は移り、上司は部下に対して昇格や大幅な給与のアップを約束できなくなった。関連部門のお偉いさんも何を約束したわけではないし、大部長がお追従をしたわけでもない。多少会社の話を聞き、「なぁ、旨いやろ」という言葉に笑顔を交わしただけだが、酒に強い(?)大部長は朦朧とした頭の中で、その方が会社でやろうとしているのは「責務を全うするとは具体的にどういう行動をすることなのかをみんなにやって見せている」ということだと理解した。

書き損ねた週報は、今日会社に行って完成させた。金曜日の報告事項として「由緒ある鳥料理レストランにて、当社経営層と責務の全うをめぐる指導方法についてディスカッション」と記載した。ウソだっぴ。


2003年03月02日(日) 冬が行ってしまう

北国の山林の一角にキャンピングトレーラーが入るようにブロックを並べて、窓の明かりの向こうに後から後から舞い落ちる雪を眺めながら暖かいトレーラーの中で一杯のコーヒーを飲む。それくらいなら他の大概のものを切り捨てればできただろうに。

雪の中にテントを張ってサラサラとドームを滑り落ちる雪の音に耳を傾けながらランタンの灯を見つめる。それだけなら今年の冬にもできたかもしれない。

気がつかないうちに土曜から日曜に日付が変わった。深夜に、自分が本当にしたかったことを考えてみる。もう、3月になってしまった。





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