ジョージ・エルスの日記...ジョージ・エルス

 

 

エム・シー - 2003年10月17日(金)

ただでさえ国民の休日が多くその上、有給を残らず
全てとるのが常識、というマレーシアの国民性。

少しでも出勤率があがってほしい、と この国の会社
経営者は日々願ってる。

しかしその願いもむなしく、日本では考えられないよ
うな労働に関する法律がこの国に存在する。


それが エム・シー(MC)制度だ。


病気欠勤を1年のうち14日認める、というもの。
(勤続年数によっては22日。)月に一回は有給以
外で欠勤できる、という事になる。

「病気です」という証明は、医師が発行する”MC
証明”があればいい。

どんな病気でもかまわない。医者が発行した”MC
証明”さえあれば。


休暇届けのMC欄には、「風邪」「腹痛」「頭痛」
「脚が痛い」など様々。そしてそれぞれの休暇届け
に、”MC証明”が添付されている。

連続で2日休むことはない。たいていは1日だけ。
休んだ次の日はぴんぴんしてる。本当に前日、病気
だったのか、と疑わざるをえない。

きけば病気でなくても 170円ほどで普通の医者が
”MC証明”を発行してくれるらしい。


従業員がMCを有給休暇の様に使用する事は、この
国ではもはや暗黙の了解となってしまっている。



それを証明してくれた従業員がいる。

工場のインド人女性ワーカー、アムタだ。

あまり休暇を取らないワーカーなら、一枚に20件
ほど書き込む欄のある休暇届け一枚で一年間もつ。

昨年、彼女が使用した休暇届けは3枚に届きそうだ
った。勤務5年、毎年そんな調子だ。

それが今年は今のところ、一枚。しかも休暇欄の3
分の1が残ってる。

今年に入って、家を購入し、皆勤手当てをあてにし
ているらしい。

変わり身の早さ。このバランス感覚。



天職だと思える仕事に没頭することが本当に幸せな
ことなのだろうか。

本当は仕事より、生活が先に立つことを改めて気づ
かせてくれる。



アムタの夫が小さいバイクで彼女を迎えに来た。

2人乗りをして、定時きっかりに帰っていく。



そして 今日の仕事はとっくにきりがついたというの
に、隣の部屋でまだまだ仕事を続けてる日本人ボス
を気にして退社できない自分は、アムタのバランス
感覚を妙にうらやましく思うのであった。







...




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