「理系クン」(高世えり子著,文藝春秋社)
内容:理系男子と付き合うことになった文系女子による理系男子観察記。エッセイ漫画。
書店で立ち読み。この手のエッセイは立ち読み出来る所が多くて良いわぁ。 同人誌では著者のエッセイは楽しく読ませて戴いているのですが、商業は思うところ有って購入様子見。して正解。
もっと丁寧に描こうよ〜。描き込もうよ、というか? 同人と違って原稿サイズが大きい所為もあるでしょうし、同人では4コマでやっているのに1p数コマ(雑誌掲載の別のエッセイ漫画は割り当てページ数が少なかったからだと思うけどもっとコマは小さかった)ということもあるでしょうが、白い!コマの空間が計れていない! この本は全ページ描き下ろしだったと思うのですが、ページを稼ぐ事に気を取られて1p密度を考慮するのが疎かになっている気がします。 本人というより編集者のミス。 経験値浅いんだから、もっと手綱を取って完成度を上げさせないと。それとも、エッセイ漫画はこれで良いと思っている? シンプル,デフォルメと、手抜き,雑は別物なんですけどー。
描き込もうとすれば描ける人のはずなので残念です。 これさ、ネタの着眼は悪ないんだから、どっかの雑誌で1回4コマ数ページで連載して溜まったら単行本の方がよかったんじゃないかな?それとも、オタリーマン系のブームに乗って売ろうと出版を急いじゃったのかな?
ネタ運びとか悪くはないです。 私はこっち方面では女度が低いので、「へー、女子ってこんなこと考えるんだー」という面白みもあり。 でもこれ、3分の1のページで描けちゃったんじゃない?と思えてしまう。 これ出すなら、同人誌原稿を修正して出した方が良かったと思う。
追記: 2巻発売決定だそうで。あらま。切り口が良いし恋する乙女層からも共感も得られるというところが受けたのかな? でも1巻のままで良かったとは思わないで欲しいなぁ。悪くはありませんでしたが、もっと描き込めばもっと完成度は上がるはず。若いんだし、描けるんだから丁寧を心がければ将来の土台となるとおばちゃんは思うぞ。
| 2008年11月02日(日) |
「“文学少女”と死にたがりの道化(ピエロ)」 |
「“文学少女”と死にたがりの道化(ピエロ)」(野村美月著,エンターブレイン)
内容:元「美少女小説家」、今は平凡な男子高校生井上心葉と、その先輩、本のページを契って物語を食べる妖怪天野遠子を中心に織り成されるコメディアスな学園ミステリーチック小説。
諸事情で、今売れているラノベは何かを検索し、引っ掛かってきたものの1冊。 ストーリィが面白そうだったので1冊買ってみました。
ラノベは元々肌に合わないので手を出さずにいたのですが、ハルヒシリーズが面白かったので、ラノベもレベルが上がったのかなと思い、読んでみたのですが………。 あきませんでした!
文体は大した特徴はなく、気に障るほど酷くはなく、まあ読み進める邪魔にはなりませんでした。 キャラがあかん! 作りがあざといというのもある。おばちゃん、ひねくれ者だから、この手のキャラには萌えないんですよ。 でも一番の問題はそこではない。 キャラ設定が全然活きてないんですよ。 「妖怪薬局シリーズ」だっけ?あの時もそうでしたが、設定の旨みが出てない。 遠子が「妖怪」って設定、意味有った?文学好きな本を食べる奇人で問題ないじゃん(そういう設定が問題という点はおいといて)。設定がキワいのにそれが活かされていないから、その場限りの目くらましにしか見えない。 小学生が家庭科で作った、あれもこれもと無作為に乗せるパンケーキのトッピングのように、楽しい奇抜なものはてんこ盛りでも味に品がない。理事長の孫?だって、美人で何か色々秀でていて…って、ストーリィに絡んでないから全然美味しくない。 「妖怪薬局」と同じで、次巻からようよう明らかになり設定も活かされる、この巻は顔見せなんでしょうが、派手なタイトルだけ見せて「続きは次号で」では、いらちなおばちゃん、食いつけんのよ。キャラ設定の死にを無視出来るほど面白いストーリィならともかく…って、設定死んでいて面白ければその設定は要らないってことだけどね。
食いつきの良い設定作ったのなら、少しは食べさせて下さい。 フルコースのように、せめて前菜は出して下さい。 最近どーもシリーズ見据えて書きすぎるお子様小説多い気がする。将来展望があるのは良いけれど、1冊使ってプロローグですらない、登場人物紹介やられてはたまったもんじゃありません。
美羽の死んだ理由(※後日ウィキ見たところ、死んでないらしいです)とか芥川君との今後とか(笑)、気になるところはありますが、それだけの為に金と時間かけて次読む気になれません。 ツンデレ女子、嫌いだし。
ハルヒも女子キャラは最初ダメだったけど、男子は良かったし、突飛な設定でもちゃんとストーリィに染みていたから良かったんだけどなぁ。
ま、でも「人間失格」は読みたくなったので、それはプラスかな。 ラノベしか読まない若年層が、この小説で文学に入り込む手がかりになるのかもしれません。私達の時代の少女小説中心読書好き少女が、新井素子から色々な方面に旅立ったように。
ゴメンね、やっぱこの手の本はおばちゃん、手を出すもんじゃなかったわ。巣に還ります(笑)。
| 2008年11月01日(土) |
「1809:ナポレオン暗殺」 |
「1809:ナポレオン暗殺」(佐藤亜紀著,文芸春秋社)
内容:1809年、フランス占領下のウィーンで、フランス軍工兵隊のパスキ大尉は、異端貴族ウストリツキ公爵と出会い、ナポレオン暗殺の陰謀に巻き込まれていく。小説。
西宮の某古本屋で購入〜。旅先でしたが、この古本屋、結構マニアなものを安く売っていてちょっと嬉しいというか、これをこの値段で売っちゃうかというか。マイルズシリーズとか、雪風が1冊100円でしたよ。 しかしこの建物、6階に図書館、4階だったかに書店、1階に古本屋ってどーゆーつもりだ。 おいていて。
へー、パスキ大尉って美男子だったんだー。萌え〜。…って感想しか言ったらいけない気がします(笑)。 主人公のパスキ大尉の一人称で進むので、途中までそれが分からず、無骨な工作兵というイメージだったのですが、美男子だと分かった途端、それまで読み解けなかった部分が勝手読みできたりして(笑)。
真面目な歴史小説です。故に、歴史小説ならではの面白さとつまらなさがあります。 ナポレオンはこの年暗殺されなかった、その史実は知っている。だから、暗殺しようと活動する公爵たちは失敗する。結果が分かっているつまらなさ、その結果にどう導くのかの面白さ。
この時代や人物に思い入れのある人は他の感想も出るでしょう。 でも私にはそこまで突っ込む資格はない、そう思います。
相変わらずこの方の硬質な文体は好きです。
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