| 2005年06月25日(土) |
「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」 |
「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」(米原万里著,角川書店)
内容:プラハで少女時代を過ごしたマリが、当時の懐かしい友人達を探し歩く。小説?エッセイ?
Iさんより借り物。
かつて仲の良かった友人を30年ぶり?に訪ね歩く。「黒の手帳」みたいな感じ? どっかで「実体験を元にしたフィクション」だと聞いた事があるが、どうなんだろ? まるきりのノンフィクションにしては色々出来過ぎている気がするけど、だからこそイライラせずすんなり読む事が出来た。 探す過程より、友人たちのかつての姿と今を通して、激動の(便利な言葉だこと)時代の東欧を描き、断じる。 マリの持つ複雑な想いは、あの時代を生き、かつ、内からも外からもその世界を見ていたものだけが持てるものだろう。 どちらかと言えばそういう意味で価値がある話かもしれないけど、生き生きとした人物描写が面白かった。
| 2005年06月24日(金) |
「9月11日からの僕のこと」 |
「9月11日からの僕のこと」(小林紀晴著,講談社)
内容:「その時」近くで働いていた日本人と中国人のハーフの青年の日々語り。小説。
Iサンより借り物。
…すまんけどこの手の話の読みどころがどこか分からないというか分からないことはないけど「だから?」というか。
あの異常事態にも「普通の人」は生きて、考えて、生活している。そんな事ぁ言われなくても分かっているんで、別にこういう本で読まなくても良いというか。
「無国籍人」についての嫌悪もあるのかもしれない。「革命シリーズ」の悪影響ですね。
| 2005年06月21日(火) |
「ジーヴズの事件簿」 |
「ジーヴズの事件簿」(P.G.ウッドハウス著,文芸春秋社)
内容:19世紀のイギリスが舞台?天才執事ジーヴズが、放蕩の若主人バーティを襲う難題を数々の奇策で切り抜ける。コメディ小説。
バカ主人&天才執事というカップル(あえて)は好みなんですが、バーティがちょっとコケにされ過ぎていて、ジーヴズの、主人に対する愛情があまり感じられなくて、フラストレーションが溜まりました。何つーか、信頼が一方的で、ジーヴズはバーティの事どう思っているの!?と言いたくなる所が多々。や、書いてくれた話はありますが。
悪いとか不味いとか下手とかでなく、美味しいキャラなんだから!もっと料理してよ!…と、思うのはオタクで萌えを意識しているからで、一般受けには良いスタンス出していると思います。
| 2005年06月20日(月) |
「我が名はネロ 全2」 |
「我が名はネロ 全2」(安彦良和著,中央公論新社)
内容:ローマの<暴君>ネロの安彦流解釈漫画。
安彦さんファンのえーこちゃんからの借り物。
こーゆー、歴史上の人物を「通説」を無視して自分流に描いた話って好きだし、このネロの解釈は好みだし、脇役も良い味出しているんですけど、如何せんネロを描くに当たって通り過ぎる事のできない事件,エピソードが血なまぐさいものが多すぎて、夜に一気読みしたらちょっと夢見が悪かったです。 事件へのアプローチの角度は変えられても、事件そのものは結末を曲げて語れない…語るに限界があるものねぇ…。
ヘタレすぎて憎む気にもなれない、究極の「バカな子ほど可愛い」人間。でもそういう人間が最高の権力持っちゃダメよねぇ、という話。
「後年、ネロは醜く太って行った」ということらしいが、そうブサイクには描かれていなかった。主人公で性格がアレで顔まで悪くするには限界があったということか。
ネロが時々アムロに見えて笑った。
| 2005年06月19日(日) |
「皇国の守護者 1〜3」 |
「皇国の守護者 1〜3」(佐藤大輔著,中央公論社)
内容:宣戦布告のない<帝国>の侵略に、<皇国>は敗北し北領撤退を余儀なくされた。<皇国>軍剣虎隊の新城中尉は防衛戦を死守すべく命を受ける。龍と導術師(一種のエスパー)のいる世界の架空戦記もの。小説。
図書館からの借り物。 現在9巻まで出ているけど4巻以降は貸出待ちなので取り合えず3巻まで。
えーと、話のテンポやキャラは悪くないです。設定をしっかり作ってきているなーという感じ。そういう所は深みがある。
帝国=アメリカ,皇国=日本で、大東亜戦争で勝てなかった日本が、勝てたら良かったなぁ,勝つとしたらこういうやり方かなーという妄想に端を発している感じ? 一度そう思ってしまうと帝国憎しで帝国側の描写が愛せないというか腹が立つというか。(笑)
準えて分かったのは、アメリカがムカツクというか、どう勝っても美しくないのは、伝統がないからというのが大きいなぁと。どれだけ「今」軍事的に巨大で、科学の発達した文明国でも「蛮族」にしか映らない。品がないのな、と。 まあそんなことはどうでも良いとして。
拭えない違和感は、「なんで帝国はこんなちっぽけな島国が欲しいのか」ということ。何で戦争を始めたのか、さっぱり分からない。3巻までで見えて来ない。 ただ若い国が力を持て余し、領土の拡大だけを成果とする、そういう世界にしては世界が文明的でシステマティックすぎる。世界情勢としては現実の、現世のような感じ。もちっと前かもしれませんが。大国が何の前段階なく戦争…いや、侵略を進めるには文明的すぎるので、読み進めてドキドキしていても「なんで皇国を攻めるのさ?」と根底で思い続けてしまう。 「戦記もの」を書きたかったんでしょうが、何故戦になったのか…そういう描写を…まあこれからするとしても3巻までないのはトリックを描く為に殺人事件を起こすミステリーみたく、片手落ちな気が。他の設定が深いだけに食い足りない感じ。
新城の心理は凄く良く分かる。ああ、私もそうだよ、そういうヘビみたいにしつこい所があるよ…。それを昇華?出来る才と環境と運があることは羨ましいことですよ。
しかし誤字をどうにかしろ!笹島か笹嶋か笹岡か、麗子か礼子か!後者は巻を跨いでいるから仕方ないとしても(いや、本当は仕方なくないが)前者は10pの間に、だぞ!それとも三人いたのか!?2刷からは直っているのかもしれませんが、中央公論社のくせにザツな校正やるよな! 実はここまでは軍の構成とか真面目に読んでいたのですが、この後は「叩き込んでも齟齬があるかもしれないからその時々の描写で分かる範囲でいーや」に切り替わってしまいましたとさ。
| 2005年06月12日(日) |
「昼メシの丸かじり」 |
「昼メシの丸かじり」(東海林さだお著,文芸春秋社)
内容:東海林さだおの食エッセイ。19冊目らしい。
切り口も文体も独特で軽く読めるし旅のお供に丁度良いんだけど、あんまり心には残ってなかったりして。(笑)
でも食べることを楽しんでいる…娯楽にまでしている、そういう姿勢は読んでいても気持ちが良いものです。
| 2005年06月05日(日) |
「すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた」 |
「すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた」(ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア著,早川書房)
内容:メキシコのユカタン半島の不可思議な話。短編小説。
Iサンより借り物。
マヤとか古代文明とか海とかそういうものに何の思い入れもない人が読んでも意味がないというか、読んだらいけない気がした。
小説というものは題材そのものを知らなくても、知らないからこそ想像を逞しくし、楽しめるのが特徴だと思う。だけど小説は「書かれた言葉」が分からないとそもそも読めない。この本はその、題材そのものが「言語」で、この題材を分からないと読めないのだろうなと。 というわけで何の感慨も抱けませんでしたが、「面白くない」でなく「私なんかが読んでしまってすいません」と思ってしまった。
1つだけ。 幻想的ではあるけれど、この世のものと思えぬ物語ではあったけど、これ自然が、超人的なものが生んだ「まぼろし」の物語でなく、人が「まぼろし」にしてしまったお話なんだろうなと思った。
「蝶狩り」(五條瑛著,角川書店)
内容:2003年10月17日の日記参照。シリーズ第2作。連作短編小説。
だーかーら、「渚ちゃん」は止めろって!萌えねーって!逆に萎えるって! や、それで萌える人は居るとは思いますし、そういう人をターゲットにしたい、自分がそう書きたいのなら良いんですけど、この方の場合「こうすれば受けると思うからやっている」という勘違いをしている気がするんです。メジャー指向で、でも金と妄想を落とす層も取り込もうとしてやっている気がする。一般誌で受け入れられるギリギリのボーイズ要素を入れているつもりでしょうが、きっぱり越えてます。ヤらなきゃ良いってもんじゃない。 「昔は「渚ちゃん」と呼んでいたが最近は流石にそれはない、だが酒が入ったりふとした拍子で「渚ちゃん」と呼んでしまう」くらいが妄想膨らますには良く、しかも一般読者(中年サラリーマンとか)も引かない範囲でないかな。
ストーリィはご都合主義的にとんとん拍子で進みますが、謎解きというわけでないし良いと思う。スピーディーだけど緩急もちゃんと付けていて上手いし。連作短編の妙も活きている。 …でもラストがなー。 朝の忙しい時にダンナが「出張で必要な書類が見つからない」と言い出し、家中引っかき回して時間ギリギリにようやく見つけだしてダンナを送り出しせて「ああよかった…でもこの部屋どうするよ…」という状態と言うか…。全然解決していないんですけど、有りですか? エヴァンゲリオンが「シンジくんの成長物語」としては纏まったけど、他は全然、風呂敷広げっぱなしだった、あれと同じよーな感じ。
キャラものとしては良いし、同人誌出すにはネタが豊富ですが、五條先生はこのレベルを狙っているのかどうか訝るところ。<余計なお世話?
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