| 2005年02月28日(月) |
「グリーン家殺人事件」 |
「グリーン家殺人事件」(ヴァン・ダイン著,東京創元社)
内容:ニューヨークの豪邸、グリーン家で、二人の娘が銃で撃たれた。真相究明に乗り出す探偵ファイロ・ヴァンスらを嘲笑うかのように惨劇が繰り返されて行く。小説。
今まで一度も読んだことのない、ヴァン・ダインの最高傑作というので読んでみたのですが…。
こういう、古典ミステリーを愛して止まない他ならぬ最近のミステリー作家たちこそ、古き良きミステリーを価値のないものにしている気がした。 良くある手法、珍しくもないトリック、どこかで読んだような展開。それら全ては後発の作家たちが先達の真似をした…影響を受けて作品を書き、それを私が先に読んだからであって、ダインこそ新鮮で陳腐を感じるとすればそれら後発の作家たちに対してであるべきなのだろう。 けど私はダインを後に読み、「よくある話だ」と退屈した。後発の作品こそ、先達の傑作を薄めたイミテーションであるに関わらず。 彼ら…、後の凡人ミステリー作家たちは、己の未熟さゆえ、尊敬する先達の作品を「良くある陳腐なもの」に貶めてしまった。 そんな気がした。
「身の毛もよだつ恐ろしい事件」と言いますが、あまりそんな気がしなかった。ミステリー、読み慣れているからかもしれませんが、「理由のある殺人」「即死」は私的にはあまり恐ろしくないなと。 「何故」に返事のない殺人。巻き込まれたり誰でも良かったのにたまたま…とか。生きたまま体を殺がれ,海中に沈められなどして長く苦しんで死んだ殺人、私ならそういうものはもの凄く怖い。 「財産目当てに」「鉄砲でずとん」は余り怖くないなり。
訳の分からない脚注は時々ウザかったけれど、語り部のヴァン・ダインが、昨今の“ワトスン”のようにでしゃばって無駄なページを裂かない所は好感。あまりに目立たなすぎて、ダインって何者よ?と思った。ヴァンスのペットとか、“ライナスの毛布”とか?ヴァンス×ダインな本とかあったらちょっと見てみたいです。
よしながふみ各種
「ソルフェージュ」(よしながふみ著,白泉社)
「ジェラールとジャック」(よしながふみ著,白泉社)
「愛すべき娘たち」(よしながふみ著,白泉社)
「1限めはやる気の民法」(よしながふみ著,ビブロス)
「月とサンダル」(よしながふみ著,芳文社)
「彼は花園で夢を見る」(よしながふみ著,新書館)
内容:…まあ、「よしながふみ」の漫画。
遊びに行ったNさん家で読みました。
ボーイズ色皆無なのは最後の1冊だけかなぁ。「愛すべき〜」も無かったかな?どっちにしてもモラリストにはあまりお見せできない漫画。 よしながさんってば、同人の頃から可愛い絵なのにヤることはしっかりえげつなくヤるという作家さんで、そのギャップが当時は新鮮だったなー。 巻数表示がないもので2巻が出ているものは、大体「商業誌のその後」を同人誌で出したものの逆輸入?らしい。なんで背景とかかき込みが甘いです。ストーリィというよりシーンで、でもまあ、1巻目でしっかり人物が出来ているのでちゃんと楽しめます。
ボーイズの中では安心して読めますが、初心者にいきなり薦めるにはどうかなぁ、という作家さん。 「西洋骨董洋菓子店」でパンピーファンがこっちに流れて来たんじゃないかと思うけど、知らずに読んだ人がどういう反応するのかなー。…まあ、「西洋〜」もゲイ要素は入っていますけどね。
| 2005年02月25日(金) |
「お嬢様と私 全3」 |
「お嬢様と私 全3」(加藤四季著/白泉社)
内容:中国の漢の時代のギャグ4コマ。
気になっていたまんがだったのですが、いまいち踏ん切りがつかなかった所、丁度完結したし、旅先で暇だったので買ってみた。 …だから旅行先で本を3冊も4冊も買う癖、止めようよ、私…。
てっきり、中流よりちょっと上の階級のお嬢様と使用人のドタバタ4コマかと思ったら、史実に忠実な、けど四季流に目一杯まで誇大解釈された歴史4コマで意外でした。 どこまで忠実かは中国歴史に明るくないので知りませんが。
腹抱えて笑うほどでないし、絵も下手なんですが、「この人しか描けないんだろーなー」と思うと評価は高い方。
内容はきっちきちに詰め込まれていて、読後は結構疲れるのに、読んでいるうちはそうでもなかった。台詞の入れ方とかかな?ちゃんと4コマで落ちているし、だのにストーリィはしっかり展開している。 絵が下手なのがとにかくネックだが、じゃあ上手い別の人が描けば良かったかと言えば、この4コマは四季さんの絵でないとダメな気がします。 小説なら、宮城谷さんあたりにこの時代を、キャラの人格を四季さんのままで書いて貰いた…無理か。
お約束ですが、「もうやめましょう」と言われて皇帝が涙を流した、あのシーンにはちょっとキましたね。 人を感動させるのに、絵が上手い必要は必ずしもないのだと思いました。 …結構失礼な事言ってる?
| 2005年02月24日(木) |
「四両二分の女 : 物書同心居眠り紋蔵 6」 |
「四両二分の女 : 物書同心居眠り紋蔵 6」(佐藤雅美著,講談社)
内容:2003年08月19日の日記参照。
何か、今までで一番穏やかに読めたかも。そんかし、そーーんなに心に残る所はない。 最後の話はキましたけどね。というか、次回作がどうなるかがドキドキ。 今まで、ぼんくらな物書同心だったから味があったんで、立場が変わるとどう変わって行くのか。作者の腕の見せ所だと思います。…まさかこれでこのシリーズ終わりってことないよね?
今回家族の影が薄かったので、その点でも次回に期待です。
「神様がくれた指」(佐藤多佳子著/新潮社)
内容:プロのスリ、マッキーは、出所したその日に電車の中でスリに遭う。腕を痛められ追跡している時に占い師のマルチェラに助けられ、半ば成り行きでマルチェラの家に厄介になることになった。様々な人の思惑が錯綜し、事件は思わぬ方向に向かう。小説。
えーと、可もなく不可もなく? キャラは夫々それなりに立っているし筋もしっかりしているのだがもう一つ何かが欲しい気がする。シリーズものの1作になるのだとしたら良い感じだとは思うんだけど…。 まあでも長いけど退屈せず、それなりにドキドキするシーンもあったので、まあ、悪くない。次回作があれば安心して暇つぶしに買える作家、という感じ。
昼間のねーちゃんが好きなタイプ。
「ぱじ 9」(村上 たかし著/集英社)
内容:2003年08月25日の日記参照。最終巻。
パターン化されたラストだしいまいち描き方が物足りない気がしますが、それでも思わず涙。 伊達さん(だっけ?)とうららちゃんとの件も一応纏めてくれて嬉しい。
結婚式で、伊達さんの後ろにいるの、あれ、うららちゃんかな。 六浪くんの横に居るの、よもぎちゃんっぽいけど、あの後大逆転で結婚したとか? よりちゃんと男の子(名前忘れた)も立派になって。ももちゃん、27歳で結婚って、ちょっと遅いな…、苦労したかな、などと、夫々に想いを馳せるのも楽しみ。 …ぱじは、何時逝ったのだろう。 ももちゃんの晴れ姿、見せてあげたかったな…。
ぱじのビジュアルが、実はうちのじーちゃんに結構似ていてそこもまたもの悲しい。 じーちゃんとの思い出も浮かんできて。 ももちゃんはきっと最期までぱじを大事にしたんだろうな…。
不条理なギャグやあり得ない設定のキャラが多かったけれど、「何処にでもあり得る風景の話」だった。人の、人を想う心が、不条理でもあり得なくもなかったからでしょう。
後世に名を残す最高傑作とは言わなくても、時代を代表する作品の1つではあると思う。
| 2005年02月20日(日) |
「丸かじり」シリーズ2 |
「猫めしの丸かじり」(東海林さだお著,文藝春秋社)
「ケーキの丸かじり」(東海林さだお著,文藝春秋社)
「親子丼の丸かじり」(東海林さだお著,文藝春秋社)
「ダンゴの丸かじり」(東海林さだお著,文藝春秋社)
「スイカの丸かじり」(東海林さだお著,文藝春秋社)
「マツタケの丸かじり」(東海林さだお著,文藝春秋社)
「ブタの丸かじり」(東海林さだお著,文藝春秋社)
「駅弁の丸かじり」(東海林さだお著,文藝春秋社)
「伊勢エビの丸かじり」(東海林さだお著,文藝春秋社)
「鯛ヤキの丸かじり」(東海林さだお著,文藝春秋社)
「タクアンの丸かじり」(東海林さだお著,文藝春秋社)
「ナマズの丸かじり」(東海林さだお著,文藝春秋社)
「ワニの丸かじり」(東海林さだお著,文藝春秋社)
「キャベツの丸かじり」(東海林さだお著,文藝春秋社)
「トンカツの丸かじり」(東海林さだお著,文藝春秋社)
内容:東海林さだおの食エッセイ。
…よー、読んだなーーーー。 殆ど古本屋で買ったので大した価格ではありませんが。<それにしたってあーた。
私も結構食べ物に拘る質で、チャレンジャーで、安いものも高いものも試してみたいし一過言ある。 だからこそ、相容れない所がある。「いや、東海林さんそれは違うでしょう。」と。決して否定とか文句とかでなく、同じ食い意地のものとして「私はこうだ」と。東海林さんを否定するからでなく、私の流儀を伝えたら東海林さんがどんな反応を示すか知りたくて。否定されるかも。でも面白がって実験してくれるかも。語り合いたいなぁ。そんな感じ。
一気に読んで流石に飽きてきましたが、きっと手元にあるとまた読んでしまいそうです。
「バッテリー 6」(あさのあつこ著/教育画劇)
内容:2003年12月21日の日記参照。最終巻。
図書館より借り物。
実は原田巧みたいな子は嫌いなんですよ。 基本的に私は、才能が有って自信が有って努力するキャラ、好きです。でも巧くんはパス。 まだ青いからかもしれない。他者を見ず己を通すなどといった子供じみた行動をとるくせに、子供の幼児性を否定しかつ、大人がどれだけ憧れようが再び得る事の出来ない「若さ故」のあらゆる感情,行動を、無意識にしても選民思想のようにしてちらつかせている所が腹立たしいのかもしれない。 ピッチャーの癖に、投げる事は出来る癖にキャッチボールが出来ない。野球の実力と同じく精神的にも、彼の投げるものを受け取れる相手は限られているのかもしれない。
海音寺の言う事は痛いくらいに分かる。もどかしさも。 でも巧が海音寺が言う事が分からないのはある意味幸せだと思う。きっと巧は海音寺が言いたい事を正しく理解しても受け入れられないだろう。何を言いたいか、どういう想いをぶつけてきているか分かるのに、それは自分の正しいとする事とは違っている、それが分かる方が、海音寺を尊敬しているたげ寂しくて虚しくて不幸なのだろうと。
巧は天才だと思うけど、天才の中では非凡ではないだろう。 それを考えると、巧の、最たる僥倖は、豪というキャッチャーに出会う事でなく、同じように「相手が誰だろうが関係ない、オレは来た球を打つだけだ」というバッターと出会うことの気がする。この先プロへの道を歩むならそういう大打者たの出会いはあるだろうし、数多くの天才に出会うだろう。だけど今、巧は自分と同じ人種のものに出会う必要がある…出会えればそれ以上ない、そんな気がする。 巧は、無意識に、自分は天才で、違う人種で、孤独だと感じ、それを一種の糧(もしくはアイデンティティ)として生きている。彼と同じ人種との出会いが必要…いや、そういう人間に今この時代に出会っていたらどう反応したか、それを一番見てみたかった。
取り合えず門脇×瑞垣で。今度のイベントで本探しますよ。
「巷説百物語 続」(京極夏彦著/角川書店)
内容:2004年011月14日の日記の続編。
図書館から借り物。 重いの持って読んでいたのに、25日に文庫版が出ると聞いてちょっと脱力しました。
…好き合ってるなら一緒に居ていいじゃん!!住む世界が違ったって良いじゃん!! と、強く思いました。ええ、そういう話ではないと分かっているんですけどね、ええ。
理解は出来るしお話としては正解だと思うけど、釈然としなかったです。ええ、私の好み通りの展開だったらお話の完成度は落ちていたとは分かっているんですけどね。ええ。
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