| 2003年09月28日(日) |
「進め!聖学電脳研究部」 |
「進め!聖学電脳研究部」(平野耕太著,角川書店)
内容:ゲーマー学園ギャグマンガ。
私の好きな同人作家さんが「ゲーマー必読」と言っていて、同作者の別作品が結構好きなので買ってみました。 …私はゲーマーではないなと再認識。や、面白くなかったと言うより、分からないネタが多くて。なんつーの?原作知らずに同人誌読んじゃった、あんな感じ。感覚的には分かるんですけどね。
| 2003年09月25日(木) |
「女表具師技術泥棒攻防記」 |
「女表具師技術泥棒攻防記」(尾形璋子著,朱鳥社)
内容:表具師である著者のエッセイ。
「表彰屋」って小見出しのエッセイ、何じゃこりゃ。 全く同じ文が「表具屋渡世うちあけばなし」(小池丑蔵著, 三樹書房)に載ってるけど?一人称とか違うけど、手元にないから比べられないけど、使っているセリフまで一緒。何これ、盗作?それとも何か理由があるの?向こうの方が盗作だとか(向こうのが発行年はずっと早い)、実は同一人物で再録しただけとか、意図が有って書いたとか。 何か理由があるにしてもその説明がないと盗作としか思えないぞ。同じ表具師のエッセイなのに騒がれている気配がないと言うことは理由があるのか?どーよ?
そういうもやもや抱えて読んでいると、「表具屋渡世〜」に似た題材とか結構出てきて、同じ職業だから重なるのは有りかなとは思わないでもないですが、盗作?があるとそれも盗作かと疑ってしまう。小見出しと内容が合ってない部分は作者が小見出しは盗作して内容はちょこっと変えたからかなと疑うぞ。 あ、それとも、「技術泥棒」というタイトルに洒落て、1話分合意の上で盗作したとか? そうだとしてもそれは遊び心以上のマイナス。大減点。
1エッセイのテーマが不明瞭だったり、導入と本題が繋がってなかったり、「何言いたいわけ、アンタ?時間なくて推敲せずに書いたんじゃない?」と眉を顰める箇所多々。それも盗作疑惑がなければ流し読む程度でしたが。
読んでいて非情に気分の悪い本でした。
| 2003年09月24日(水) |
「OL進化論 20」 |
「OL進化論 20」(秋月りす著,講談社)
内容:OL4コマギャグまんが。
ほのぼの系OL4コマの最高峰。
昔に比べるとネタがネームに頼りがちになって面白くなくなっているが、これだけ続くとネタがなくなってきて仕方がないかなと。 昔と同じネタというのは流石にないが、昔使ったネタを捻ったものとか多くなってきて、まあ、それが面白い時もあるけど、大概マイナスですね。やはり4コマはシンプルが良い。
以前秋月りすのマンガを「絵は決して上手くないがネタは良い」と評した人がいましたが、絵、上手いよね?上手い下手は何を基準にするかによると思うけど、きっとその人は写実性を基準にしたか、コママンガのペンさばき&トーンワーク等と比べたんだと思う。でも低等身デフォルトマンガとしてはバランスも描き込み具合も言うことナシだと思うんですが。…それとも私の「上手い」レベルが低いだけだとでも?
| 2003年09月23日(火) |
「紫嵐 : Violet storm」 |
「紫嵐 : Violet storm」(五条瑛著,双葉社)
内容:「革命シリーズ」第2弾。
すみれちゃん登場〜。でも私、この子にも萌えない〜。や、萌え考えなければ良いキャラだと思います。
反して、亮司がちょっと面白い。前作でやさぐれていた子が、修羅場をくぐり抜けて、良い子になっている。ああ言う、現実離れしたでかい修羅場の後だと、成長してもスレると言うか、鋭くなると言うか、尖る方に行って、広くなったり穏やかになったりしないものだけど、なっている。表の人間のままサーシャたちに拘わっている感じが良い。
「現実を見ないでのうのうと暮らすブタども」に対する蔑みというか暗い感情がそこここで見える…感じるのだけど、のうのうと暮らすこちら側を非現実とするのと同程度に、こちらから見ればそちらは非現実で、持てし者の傲慢かもしれませんが、すべての者があなたたちの見ているモノを見る必要はないと思うわけで。国民全員が政治家になる必要はないのと同じように、選ばれた者が(不本意であれ)見、他は愚民で良いと。…言っても仕方ないと思いますが。 流行を追い、最新のファッションにしか興味なくブティックを漁る若者と、生きる為、命を張って修羅場を潜るものたち、どちらが偉いとは厳密には言えないと思う。ただどちらにせ、胸を張って生きるのが強さだと、そう思うのですよ。前者に胸張って生きる人が少ないと言うだけで、そこに弱さしかないと思うのは傲慢である、と。…何言ってんだか。
まあ何だ、彼らの見せてくれる革命がどんなものか、見守って行きたいと思ってます。はい。
| 2003年09月22日(月) |
「断鎖 : Escape」 |
「断鎖 : Escape」(五条瑛著,双葉社)
内容:密入国者を預かる「学校」が何者かに襲撃された。後始末に奔走するうち、亮司は大きな策謀に巻き込まれて行く。小説。
いわゆる「革命シリーズ」で、年1冊ずつ刊行、全10巻(つまり10年で完結)予定,現在3巻まで刊行済みのシリーズの第1巻。…だってのに「版元品切れ,再版未定」とはどーゆーことよ、双葉社!!しかも書店的にマイナー出版社で30カ所以上探したけどどこの本屋にも置いてねー!!「返本待ち」って言うけどどこから返本があるってんだーー!!…結局余所の図書館から送料負担して借りたよ…。
ストーリィ的には「鉱物シリーズ」より出来が良い。構成も洗練されている。レベルはこっちが上でしょう。でも私、サーシャにも亮司にも萌えないの。小説としては面白いけど同人誌漁ることはないな、これ。
広げた風呂敷が大きすぎないかちょっと不安。「この国に革命」を、どう上手く纏めるのか。やり方次第では凄く白けて尻切れトンボになると思うけど。
相変わらず「親子の確執」がしんどくない。私は精神的に楽だけど、昨今の流行から見ればマイナスなんでしょうねー。この辺がいまいちメジャーになれない理由?<余計なお世話。 でも私としてはこれくらいが良いので、このままで行って下さい。
「陰摩羅鬼の瑕」(京極夏彦著,講談社)
内容:過去4度の婚礼の度、花嫁が殺されて来た、「鳥の城」。今、5度目の婚礼が行われようとし、花嫁を守るよう依頼された「探偵」榎木津礼二郎は、小説家・関口巽と共に館を訪れる。
…長すぎっす、京極先生…。 ぐいぐい読ませて長いのなら良いんですが、蘊蓄がウザいウザいウザいウザい。そんなに発表したければ専門分野の論文として発表でもして下さい。…と、いう突っ込みには予防線が張られていて笑ったけど。 京極堂のセリフで。 「在野の僕と違って、発表するには証拠が要るんだ。僕のようにべらべら語ってはいかんのだ。」 …まあ、小説の書き方(小説を書きたいという欲求の生じ方)の一つに何かに触発されてそれについて自分の考えを述べたくて、それを織り交ぜて話を書き出す、というのが有り、それは学術論文と違い「こう思う」とか「多分」とか、根拠が曖昧でも、また、自分の感情を多めに出しても良いという利点はあります。推測を断定的に述べても怒られないのが小説の良い所だし。 「べらべら喋っているだけだから、これは何の責任も負う必要はないのだよ」という逃げ道作って、それでいて沢山の人に読んでもらって、まー良いわねー。 田中芳樹もそうだけど、そこまでするなら論文書いたら?という感じ。 「書きたかった」から書いたのかもしれませんが、ストーリィに関係ない(と読者が思う)蘊蓄は邪魔なだけです。印税稼ぎの為の水増しに感じました。
犯人は数p読んだだけで分かりました。つーか、何故周りが分からないのかが分からなかった。
ただ、ページ増やしの技法が、私の嫌いなミステリーにありがちの、「犯人やトリックを推理して、それは違うと認定するのの繰り返し」ではなかったので、まだマシ。ほら、「Aさんが犯人ではないか?」「Bというトリックを使って…?」とか、長々と違う事を悩むでないですか。録画のスポーツ番組みたく、「まだ半分もいってないからその人は犯人じゃないし、トリックも違う」と読者がアタリを付けているのに延々「間違い」を聞かされ続ける。アレじゃないだけ良かった。
蘊蓄も多分その分野に興味がある人なら気にならなかったと思われ。私も剥製系の事とかだったらもっと真剣に読んだでしょうし。
で、常々思っていたのですが、関口くんって、本人が書いているほど猿面でもなければヘボ作家でもないのではないかと。あの評価って、殆ど、「君たちの方が常識から外れている」という、京極堂含めた連中と、病気の本人の思いこみによるものですよね?まあ、関口受同人のように薄倖の美少年ではないと思いますが、普通の顔で、個性的な才能を持った作家でないかと。…そー言えば昔、そういうネタで小説を途中まで書いたっけ。
閑話休題。 まあ、段落の付け方とか、「そんなもん考えている暇あったら、もう少し構成どうにかせい!」とこっちが思うことでも、いろいろ考えて書いてらっしゃるようですので、もうこれは好みの問題かと。 取り合えず今回は借りられたので読みましたが、次回は、自分で買うことは絶対ないし、借りるにしても厚さと相談して考えさせてもらいます。
| 2003年09月11日(木) |
「スリーウェイ・ワルツ」 |
「スリーウェイ・ワルツ」(五條瑛著,祥伝社)
内容:母親が死亡した16年前の航空機墜落が原因で、今頃になって息子の恭祐の身辺がにわかに騒がしくなり出した。。日・米・朝、三国のスパイが、恭祐の母が持っていたとされる機密書類を巡り、争奪戦を開始した。
ああそうか、キャラが酷くなりきれていないのはキャラ夫々に「特別な人」が居るという、情を持っているからか。 由沙は非情な凄腕工作員だが、愛する人がいる。他人の命を何とも思わないに反比例して、盲愛している相手がいる。それだけで読者としては愛しいのだ。だって読者はただの第三者だから。どう間違っても物語の中に入る事はないのだから。由沙は、前に立てば虫けら以下に殺される「どうでも良い人間」で、決して実際には関わり合いたくない人だとしても、私たちは読者(当事者にはなり得ない第三者)なのだから、由沙を怖がる必要はない。人としてただ愛しい。 五條さんの小説には情のない人間は登場しない。たとえそれが歪んだものであったにせ。 情の無い人間は実際にはまず居ないと思うし、大概の情は角度を変えて描けば読む側は納得の行くものになる。小説では何らかの目的でわざと「納得いかない」キャラ(の描写)を出すのがポピュラーだが、五條さんはそれをせず、あくまでキャラ夫々の観点で描いているので甘く感じるのかなーと。や、「甘い」というより「私がムっとこない,いらつかない」だからただ単に人の内面描写が私に心地よいと言うだけかもしれませんが。
葉山好きでオタクな私は凄く楽しかったですが、そうでない人はこの本の面白みと言うか遊びが分からないんでないでしょうか。下手に鉱物シリーズを読んでいて、キャラハマりしていない人は白ける気がする。まあでも私としては、そういう、一般読者はある程度置いてきぼりにして、キャラハマりしている人に嬉しい作品作っていって欲しいです。
五條さんてば「前の仕事で情報分析って、オタク心理とオタク文学についてやってたんじゃないんでしょうね!?」というくらい良いツボ突いてます。なかなかこうは行きませんって。
あー、韓国海苔巻き、食べたいなー、っと。
「夢の中の魚」(五條瑛著,集英社)
内容:暗号名「東京姫(ドンギョンヒ)」。目的のためなら手段を選ばない、韓国人スパイ洪敏成が日韓漁業協定をめぐり情報戦を開始する。連作短編集。
普通に、洪のストーリィとしても面白い、構成も上手いのだが、どうしても「鉱物」の番外編として、葉山が出てくる度に興奮してしまう。
洪は設定によると酷い人間らしいが、味のある良い人間にしか見えない。洪サイドからだからそうなのか、作者自身が「酷い」人間を描けないからなのか…。私としてはこの作風が好きなのだが、ストーリィが硬派なだけ、キャラやシーンに甘みがありすぎるのがマイナーメジャーの原因なのかなと。 や、いろいろ本屋回りましたが、五條さんの本を置いてある所は結構少なかったのですよ。納品が少ないから売れないのか、売れないから納品が少ないのか…。 キャラにしか頼らない、ストーリィの全く面白くない某シリーズなんかよりよっっぽど面白いと思うのになぁ…。
| 2003年09月06日(土) |
「スリー・アゲーツ」 |
「スリー・アゲーツ」(五條瑛著,集英社)
内容:大量の偽札を持って、北朝鮮の大物工作員、チョンが日本に潜入した。彼の目的は何か。葉山はチョンが残した文書を解読しチョンの足跡をたどる。いわゆる、「鉱物シリーズ」第2弾。小説。
「ストーリィは硬派でキャラはあざとい」度アップ。
お約束だがラストは涙が滲んでしまった。
つくづく、日本って平和な国ね。でも私は不満足なソクラテスより満足したブタの方が良いや。ソクラテスは他人に任しまする。
父と家族。父は家長であり一番偉い。その考え方は実は、好き。 現代日本では色々意味が歪められて、父親の言うことなら理不尽でも聞かなければならないのはおかしい、子供にも人権は有る、だの、私は私で親は関係ないだの、そういう反発が聞かれがちだが、責任と一体となった権利というものは有るべきだし尊いと思う。 家族を守り、その義務の遂行により得た、「一番偉い」と言う地位、崇拝。そういうものが自然に受け入れられている国はある意味健全で羨ましいと思う。 果実は腐敗する直前が一番美味しいと言うが、今の日本がそんな感じなのかなーと思わないでもない。
一般作品的には、文庫版書き下ろし短編は余計だろうなと思う。でも好き。 何か、「この続きは期待しないで」という作者の発言がどっかであったと聞いたのですが…。こんだけ伏線張っておいて拾わないはプロでないですぜ!センセ!書いて下さい、お願いします。
| 2003年09月04日(木) |
「プラチナ・ビーズ」 |
「プラチナ・ビーズ」(五條瑛著,集英社)
内容:米国防総省の下請け情報機関に所属するアナリスト・葉山は、ある対象者から話を聞くうちに、軽い違和感を憶える。金沢で、一人の米兵の遺体が上がった。犯人は誰か。浮かび上がる「プラチナ・ビーズ」というキーワードは何を意味するのか。米朝の謀略戦を描いた小説。
ストーリィは硬派です。ボーイズ作家がストーリィのエッセンスとして使うスパイものでなく、伏線とかアイテムとかしっかりした話。でもキャラがあざとい。美形が多いしシチュエーションがボーイズ属性持っている人にはツボ突かれるようなもの多し。…次回作以降にくらべれば、まだ少なかったと後で思いましたが、読み終えた瞬間、やおいサイト巡りたくなったくらいあざとし!
作者は女性ですよね?そう聞きましたが。人間描写が凄く女性的。このジャンルでは、「女性作家が書きがち」というか、「男性作家は絶対描けない」と言うか。 スパイもので男性作家は必ずと言っていいほどそうなるという、勧善懲悪系の描写がない。勧善懲悪と言うか、三国が絡めばどこかが必ず人非人(に読者には映る)として書かれているのに、それが無い。 性悪であっても人間味は有るというか、愛せる描写がされている。 この描き方はある意味「甘さ」として映るかもしれない。「そんな人間居るか」と。ただそれは、通常のスパイ小説の、ステレオタイプな人物描写に疲れてきていた私にはとても心地よかったです。
仕掛けも結構甘いと言うか分かりやすい。サーシャがどうやって「プラチナ・ビーズ」を運ぼうとしたかは出港時に分かりました。ちょっと「亡国のイージス」を彷彿とさせたりして。 ああ、「亡国」と比べれば男と女のセンチメンタリズムの違いが良く分かるんでないかな。
良い意味でも悪い意味でも現実的。 プラチナ・ビーズが何か、蓋を開けてみてそう意外なものでもなかった、等と、「はっっ」とさせる設定は少なかった。それは拙さではなく、むしろ現実味だろう。フィクションと違い現実はこんなものだと言う、リアリティに感じた。
バカじゃないアメリカ人ってこの手の話では初めて見た気がするよ、私ゃ。&読後「アメリカ人ってやっぱり大っっっ嫌い」と思わなかった話はこれが初めて。
しかしサーシャがチマ・チョゴリのリボンを変えさせて何をメッセージとして受け取っていたんだろう?その程度の事で伝わる大切なことって…?ちょっと気になる…。
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