| 2003年01月31日(金) |
「人間臨終図巻 1」 |
「人間臨終図巻 1」(山田風太郎著,徳間書店)
内容:古今東西名のある人々の死に様を、享年別に紹介したエッセイ?レポート?
面白いんだけど「死に様」なんで弱り目の時にはクる。
どんなに活躍した人も、数ページの死に様紹介だけなんで、本当に「人間死んだらそれまでよ」と言う基本を突きつけられた感じになりました。 間違っても就眠儀礼(※)の時に使う本ではないと思いましたとさ。
※就眠儀礼 布団に横たわって、眠る前に本を数ページ読む、「眠る時の儀式」。友人に言葉を教わったのですが、その友人は北村薫の「私シリーズ」に出ていた、と言っていましたが、出自はもっと古いカモ。通常10分程度と思われるが、選ぶ本を間違えるとそのまま2時間読みふけると言うことがなきにしもあらず。
| 2003年01月27日(月) |
「冒険者たち : ガンバと15ひきの仲間」 |
「冒険者たち : ガンバと15ひきの仲間」(斎藤 惇夫作 ; 薮内 正幸画,岩波書店)
内容:イタチに襲われ助けを求め、島からやってきたネズミを助ける為、ガンバたち15匹のネズミは島に向かう。
…悪くないんだけどなー。動物擬人化もの、ってのはなー。や、擬人化もの全般が嫌いなわけではないんですが。 イタチとネズミの闘いって、自然界的にどちらが悪とか言うわけでないでないですか?それを人間社会に照らしてどちらかを善とするのがねー。 作者が後書きで書いているように、立場を変えればイタチは人間を困らせるネズミをやっつけに来た正義の味方な訳で。 例えばノロイはただの悪の親玉に描かれているけど、実は昔ネズミに弟を嬲り殺されて復讐を誓った…とか言うバックグラウンドでも有って、ノロイ側から見れば十分彼が善(までいかなくても完全な悪でない)かもしれないじゃん。 …何と言うか、そういう人間的な事を動物にはやって欲しくないのですよ。 動物が下等だ、と思っているとかではなく、逆。動物(野性)崇拝みたいな所が私には有って、動物は人間なんかよりよほど自然的だ、と。そう思うので、人間的闘争と言うか利害と言うかに巻き込ませて欲しくないと言うか。
物語的には良く出来ていたと思います。 でも動物擬人化ものと言う事で、いまいち燃えませんでした。
| 2003年01月26日(日) |
「ファウンデーションの誕生 上下」 |
「ファウンデーションの誕生:銀河帝国興亡史7」(アイザック・アシモフ著;岡部宏之訳,早川書房)
内容:心理歴史学の完成の糸口を見つけたセルダンは、その完成の為に困難を乗り越え力を尽くす。
うわーーーーん!!切ねーーーっっっ!! こーゆー進行は苦手だよぅ。うわーーん。
これがアシモフ最後の長編と言うのは残念です。 アシモフの晩年とセルダンの晩年の関係を憶測してしまうから。 池波の「剣客商売」を読んだ時も思ったのですが、初めは快活だったストーリィが段々老いて行っている。「剣客」は最後には「…老いたな…、池波」と思わずにはいられなかった。 ただファウンデーションに関しては、セルダンの老いをアシモフが上手く描いたのか、アシモフが老いたからああいう話になったのか、判断がつきかねて。前者だと思うのですが、それにしては「アシモフ最後の長編」と言う事で裏付けが取れなくて。この後に快活な話を書いてくれたら裏取れたのに…。 老いが悪いんでないですが、老いていたのでなければ違う語り口になったかも、と思うのが口惜しいと言うか。
物語としては、とある人が言っていたように、この6と7は要らないと思う。ファウンデーションの成立までは、あの程度のことを描くのならぼかしておいても良かったと言うか。 …それに、結局これでセルダン・プランは失敗したのが明らかになったのですよね?最後まで行かなかったと言う意味で。4までだとそれがプランの一部かどうかは厳密には判断出来なかったガラクシアは結局プランの一部ではない、と。あれはダニールの手によるんですよね?ダニールがプランの進行を期待してその上にガラクシアを乗せたとする事は出来ますが、セルダン・プラン自体は途中頓挫ですよね?それ考えるとセルダンの生涯が〜。失ったものが〜。…まあ、プランを考えなければ失うものを得ることも無かったわけですから無駄ではなかったでしょうが。 でも切ねぇっっっっ。
ああ、「シリーズとしては要らないと思う」けど、小説として出来が悪いと言う訳では決して無いです。
やはり精神感応能力はネック。あれによって解決したことはちょっと白けてしまうけど…、昔なら…、超能力ものが大好きだった時代なら受け入れられたでしょうね。私も年を取ったか…。
ファウンデーションシリーズは別の書き手によって続きが何冊か出ているとのこと。 しかしアシモフによってでない、そういう同人誌はいまいち食指が動きません。
| 2003年01月25日(土) |
「ファウンデーションへの序曲 上下」 |
「ファウンデーションへの序曲:銀河帝国興亡史6」(アイザック・アシモフ著;岡部宏之訳,早川書房)
内容:若き数学者,ハリ・セルダンは、数学的に未来を推測する心理歴史学の考えを学会で発表した為に皇帝に付け狙われる事になり、心理歴史学を完成させようとする記者ヒューミンの手を借り、方々を逃げ回り、心理歴史学の実現を目指す。
相変わらず「そう来たか!」がとてもお上手。読んでいて何度もはっとしたしハラハラしました。 …やっぱりロボットものを先に読んでおけば良かった…。ヒューミンがアレだとは…。
アシモフは読者の優越感を刺激するのが上手だと思った。ただし、これは自分が他の誰かに見下されていると思っていて、でもその見下しは誤っていると思っているような、ある種の劣等意識を持っているものにとって、かな。 例えば黒人。自分は優れていると思える根拠とか社会的地位とかあっても、白人には見下されていると感じる、そういう人の優越感を刺激すると言ったレベルの記述が多く有った。 アシモフの人種に意味があるのかなと思いましたが、久美沙織の解説がぴったりだと思った。「アシモフはサービス精神が旺盛」。なるほど。
面白いのだけど、どうしても精神感応能力が私には引っかかります。
| 2003年01月24日(金) |
「G組のG 3」,「めもるは何もメモらない 1」 |
「G組のG 3」(真右衛門著,講談社)
内容:某高校?のG組の生徒を中心にしたちょっと不条理な4コマギャグ漫画。
んー、キャラの変な設定が生きた4コマが好きだったのに、今回それが少なくてちょっと物足りない。 夏目先生ネタが好き。
「暴力シーンより夫婦喧嘩の方が子供の教育に悪い」というネタは思い切り頷いた。不条理の中にこうやって挿入される理にはっとさせられる。良いよね、こういう味のある4コマ。
「めもるは何もメモらない 1」(真右衛門著,竹書房)
内容:メモを常備する小学二年生、めもる。その兄で格闘家の桃田。トレーニングロボを中心にしたちょっと不条理な4コマギャグ漫画。
んーと、めもるちゃんが可愛いです。 絵のデフォルメの仕方も上手いと思う。
すっと躱すタイプの不条理が上手い。そのくせサラリと人の心の奥を突いてくるネタも。
んー、ただ、私は買うけど、他人にプッシュはしない。ハマる人はハマると思うけど…。そういう意味ではアクも少ない漫画。
| 2003年01月15日(水) |
「平安時代の貴族の生活」 |
「平安時代の貴族の生活」(藤木邦彦著,至文堂)
内容:平安時代の貴族の生活を文化,政治,生活に分けて紹介。学術書。
ちょっと手がけてみようかなと思っている小説の資料として読了。 昔の(1960年発行)学術書なだけあって、素人に優しくありません。歴史学的(?)に知ってて当然と言う用語の説明が有りません。ルビも不十分。オタク的に言うなら、例えば、「マンガのテクニック」と言う本が有ったとして、「ベタは墨汁が発色が良い」と言う表現が有ったとして、「ベタとは何ぞや」に触れられていない、そんな感じ。そんな本読むような人間には常識語ですが、パンピーはそこから説明してもらわないと分かりません。そんな感じの言葉が頻出してました。 まあ、資料なんでそこまで詳しく調べる必要はなかったので、古語辞典繰ったりとかはしませんでしたが。
多少参考にはなりましたが、小説書く上での疑問はまだ結構残っている…。…ま、いっか、歴史物を書くんじゃなくてパラレル書くんだし。<自分を誤魔化してます。
| 2003年01月06日(月) |
[じゃりン子チエ DVD BOX4] |
[じゃりン子チエ DVD BOX4](バンダイビジュアル)
内容:7/5の内容参照。DVD。
テレビ版はこれで完結。さみし〜。 …まあでもアニメにして面白い話は、客観的に考えてここいら辺までだと思いますので(後、好みでちょこちょこと)、良い所で終わったのかもしれません。原作も後の方になると1巻1話の長い話が多かったですからね。 それ考えると「チエちゃん奮戦記」の評価が低かったのは、原作の問題もちょっと有ったカモね。
「チエちゃん奮戦記」のDVD化も決まったようで、目出度い!毎回アンケートで「DVDにして」と要望出しておいたのが少しは効いたかしらん?
「侍女の物語」(マーガレット・アトウッド著 ; 斎藤英治訳,早川書房)
内容:子供を産むために支給されたに過ぎない侍女、オブフレッドの日記的小説。
舞台としては近未来のアメリカ。キリスト教原理主義によるクーデターで変貌した社会における話。ですが、今もどこかでこんな社会があるのではないかと思わせる、何となく薄ら寒い話。 …と、書くとこの小説の内容を全然伝える事が出来ません。
ストーリィも、小説技法も、斬新とは言えないが組み合わさって独特。 「読書家」と称する人なら読んでおけって感じ。
こういう社会は感覚的に大嫌いなはずですが、舞台がアメリカと分かって冷ややかに見ることが出来ました。私はよっぽどアメリカが嫌いらしい。
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