バニラへの日々
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 2002年12月31日(火)   組み合わせ2 


(→続き)
 昨日12/30は,そんな以前の出来事を思いだしながらの忘年会だった.僕を含めた4人の知り合い同士に,その中のひとりのパートナーが参加しての計5人.今日の組み合わせに近いメンバーで再会する可能性は充分高いのだけれど,全く同じメンバーでというと,ひょっとしてこれが最後かもしれない.

 一期一会という言葉があるけれど,この言葉は「同じ巡り合わせは二度とないかもしれないから,この目の前の『個人対個人の』出会いを大切にしようぜ」という意味で流通していることが多い.だが「その場に居合わせたメンバーの組み合わせがこの場限りのものかもしれないことを認識し,この組み合わせが生み出す化学反応を大切にしようぜ」という解釈もアリだなと感じている.


 2002年12月30日(月)   組み合わせ1 


 僕は以前の職場に車で通っていたんだが,帰るタイミングが同じ仲間がいるときは彼らを最寄り駅まで送るという習慣があった.特に雨の日などはそうした機会が多かったように思う.今から数年前のある台風の日,5人乗りの車に運転手である僕を含めて7人が乗り込み,駅へと向かっていた.助手席に比較的小柄な人間を2人,後部座席に4人を押し込むという形だ.車内には「苦しい〜」「くすぐるなあ」といった声があがり,狭いながらも楽しい我が家といった雰囲気.そのとき運転しながらふと思ったこと.「この7人の組み合わせでまた車に乗り合わせること,いや話をすることだって,この先2度とないかもしれないな」

 そう,当然ながら誰か1人が欠けても加わってもこのメンツと同じではない.ボケる奴ツッコむ奴,寒いギャグを放つ奴それに小さくウケる奴,頭のネジがゆるんでる奴締めすぎの奴….
 この組み合わせ以外では,この7人が生み出す間合いや空気感といったものは再現できないのだ.(続く→)


 2002年12月29日(日)   おすすめの味 


 「だったんそば茶」というお茶をご存知だろうか? 「だったん」は「韃靼」と書く.モンゴル系の遊牧民族に韃靼人という連中がいて,彼らが栄養源としてこのそばを栽培していたのだそうだ.このお茶が滅茶苦茶美味い.美味すぎる.こんなに美味くていいのかと思うぐらい美味い.何かいけないことをしている気にさせられるぐらい美味い.このお茶には血管を強化し,しみ・そばかすを防ぐ成分が大量に入っているという.つまり体にいいらしいのだが,こんなに美味いなら体に悪くても飲むぜ.僕はこれまでお茶は「暑い季節の冷やした玄米茶」が一番だと思っていたのだが,このお茶はそれと同クラスかもしれない.ああ,このお茶への愛をどう表現したらいいのだろう.ちょっと踊ってみるか.

 踊りました.


 2002年12月28日(土)   ナルシスト参上 


 今日は会社の忘年会.1次会では酒の酔いにまかせて思いついた口説き文句を披露した.

 「君の肌はワインのように白く,君の唇はワインのように赤く,そしてその頬はまるでロゼのようだ」

 その「君の瞳に乾杯」的なナルシスティックな表現が馬鹿騒ぎをしていた1次会の雰囲気にハマってギャハハと盛り上がる.ところががらりとメンバーも替わって人数も少なくなり,まったりとした雰囲気の2次会で同じ口説き文句を披露したところ,<しら〜>と寒々とした空気が流れた.「そんな言葉で口説かれたらキモチ悪い」とか何とか女性たちから散々な評判をもらっちまった.まあ,酔いすぎて場の空気が読めなくなっていた僕も悪いんだが.で,帰り道夜空のむこうに誓ったこと.今度このメンバーで飲む機会があったら,我を忘れて思わずうっとりしちまうほど濃密な口説き文句を聴かせてやるぜ,ってね.あはは.


 2002年12月27日(金)   3つの感覚 


 会社の同じ部署に30代後半の独身女性がいる.こう書くと「お局様?」というイメージがついてまわるかもしれないが,そうした存在とはもっとも遠いところにいる人だ.先輩として頼りになり,人間としても女性としても魅力的.社内のあらゆる部署に知り合いが存在し,顔を出すと重役クラスからも「飲みに行こう」との声がかかる.おまけに酒が滅法強いんだな.そんな彼女には男女問わず新入社員から重役クラスまでが信頼と友情を寄せている.僕が最近感じるのは,そうした彼女の魅力は

 「成熟した大人の感覚,若い感覚,そしてこの両者のバランス感覚」

に支えられているのではないかということ.思うに,この3つの感覚を備えることは魅力的に年齢を重ねていく際に必要な条件の一つなのかもしれない.あなたの周囲の人々はどうだろうか.そしてあなた自身はどうなのだろうか.


 2002年12月26日(木)   重大ニュースたち 


 えー今年も残すところあと1週間を切り…,ということで,自分にまつわる今年の十大ニュースをご紹介する.ただし一部伏せ字(×)ありとさせてもらう.「●◎・」などの記号の意味は昨日の日記と同じで,それぞれ一番手,二番手,三番手グループを表している.

●a ×キンヘッドにしたこと
●b 仕事を探し定職に就いたこと
●c このホームページ(HP)を開設したこと
◎d HPを読んでくれてる人からメールをもらい,そのうちの二人と会ったこと
◎e ××ができたこと
◎f ×××してた××と話し合い×直×したこと
・g フジロック,WIRE,コミックバンドなどの音楽イベントに参加したこと
・h ワールドカップを楽しんだこと
・i ×士×を取得したこと
・j 近視矯正手術を決意したがお医者に止められ断念したこと

 今から1年後,僕やあなたが2003年を振り返り十大ニュースを選び出すとき,そこには今の現状では想像もつかないような出来事がいくつか存在しているのだろう.それは一体何なんだろうね.ああ,その期待と不安が今から心地いい.さて,実は上に挙げた伏せ字のaは「チ」であり,eは「子供」だったんだよ,なんちゃって.


 2002年12月25日(水)   万歳ポップミュージック 


 今年も残すところあと1週間.ええ,誰がなんと言おうとあと1週間なんですよ.さて,僕は音楽のヒットチャートが大好きで,毎年年末になるとその年に流行った曲で自分が気に入ったものを選んでいる.今日はその邦楽編をご紹介する.シングルとなったものの中から1ミュージシャン1曲の枠で選んでいるけど,もちろん発売された全てのシングルをチェックしてるわけじゃない.

● ワールズエンド・スーパーノヴァ/くるり
● NUM-AMI-DABTZ/ナンバーガール
● 水色の街/スピッツ
● アンバランス/KICK THE CAN CREW
◎ 肉体関係part2/Rhymster 逆featuring クレイジーケンバンド
◎ Radio Radio/MIKE BANDITZ
◎ 若者たち/GOING STEADY
◎ 君が好き/Mr.Children
・ ever since/SAYAKA
・ シルベット/JUDE
・ freebird/SMAP
・ カレーライスの女/ソニン
・ 花になる/奥田民生
・ Why Not?/Fantastic Plastic Machine
・ 赤橙/ACIDMAN

 MD1枚に編集することを想定して15曲を選んだ.曲名の前の「●」が一番手グループ,「◎」が二番手グループ,「・」が三番手グループを表しているが,それぞれのグループの中では順番はない.僕やあなたは来年もまたいろんなポップミュージックに楽しませてもらえるのだろうけど,そのことを考えるとちょっと豊かな気分にならないか?


 2002年12月24日(火)   確率論的恋愛論 


 恋愛や人生のパートナーに求める条件をルックスと性格に関することに絞ってみよう.それぞれ二者択一の形式で条件を設定していく.体格はガリガリしてるかぽっちゃりしているか,キツネ顔かタヌキ顔か,髪は長いか短いか,子供っぽいのか大人っぽいのか,言葉を選んで話すタイプかしゃべり続けないと死んでしまうタイプか,夢に向かって突き進んで行くタイプかそれとも日常の中に楽しみを見出すタイプか….

 もちろん「相性」とは,こういった条件からこぼれ落ちてしまうものの中にこそ多く含まれるものなのだろう.それでもこれらの条件がパートナー同士ですべて満足し合っているとしたら,それは奇跡に等しいことだと想像がつく.条件に関わる確率をすべて2分の1とするごく単純な見積もりの場合,10コの条件をお互いが満足し合う確率は約100万分の1,15コなら約10億分の1となる.今日という日をそんなパートナーと一緒に過ごすことができたカップルは,果たしてどのくらいの数だったのだろうか.


 2002年12月23日(月)   さよならジョー 


 ジョー・ストラマーというミュージシャンをご存知だろうか? 70年代から80年代にかけて活躍したパンクバンド,ザ・クラッシュの中心人物のひとりで,近年はソロとしても活動していた.その彼が現地時間12/22の午後,イギリスの自宅で亡くなった.享年50歳.犬の散歩から帰ってきた後,自宅のソファの上で息を引き取ったという.死因は心臓発作と見られている.

 このニュースを聞いてから既にかなりの時間が経っているのだけれど,僕は未だ混乱している.彼は恒例となっているフジロックの出演を始めとして,近年来日する機会も多かった.それなのに僕はまだ彼のステージを観ていない.「いつでも見ることができる」なんてクソみたいな考えで構えていたのだ.

 この文章は,彼らの「ロンドン・コーリング」というアルバムを聴きながら書いている.彼の音楽は熱くて優しくて,言葉なんかわからなくたって聴いていると気分が高揚し本当に勇気づけられる.彼の音楽を聴いたことのない人も,最近日産X-TRAILのCMに使われているあの曲(アイ・フォート・ザ・ロウ)を思い出してもらえれば,僕の書いた意味が伝わるかもしれない.

 背を向けないこと.闘い続けること.踏みつけられても立ち上がること.沈む船から逃げ出さないこと.パンクとは音楽のジャンルやあるスタイルのファッションを表す言葉として使われることも多いが,その本質は「姿勢」であり「生き様」なんだ.
 彼が安らかに眠ることを願う.


 2002年12月22日(日)   日々の成長 


 現在の自分を1年前の自分と入れ替えたとして,何の違いも見出せなかったなら,さして問題がなかったとしたら,それはちょっとまずいことなのではないか.


 2002年12月21日(土)   過ぎ去りし日々 


 たとえば高校を卒業してから5,6年も経てば「あのころが一番充実していたかもな」「バカなことばかりやっていたけど楽しかった」あるいは「あのときの状況は最悪だったけど今の自分には必要なことだった」などと,その瞬間その時代の自分を位置づけることができるのかもしれない.とにかく,こうした「位置づけ気分」が訪れるまでには時間が必要だ.だがこの「過ぎ去りし日々を位置づけるまでの期間」は,年齢が上がるとともに短くなっていくような気がしないだろうか?

 たとえばスポーツ選手でもベテランになれば,オリンピックの決勝の舞台に上がる寸前に「ひょっとすると今の自分は人生において最も大きな局面に立っているのかもしれない」などと考えながら競技に入るかもしれないが,甲子園の決勝でマウンドに登る投手がそうしたことに思いを馳せるのは10年後かもしれない.小学校卒業時に自ら歩んできた6年間を振り返るような子供はなんかイヤだしね.

 今のあなたは濃密な時間を過ごしているのだろうか.もしそうなら,そのことを振り返るのはいつになるのだろう.


 2002年12月20日(金)   東北湯けむり紀行・終了 


 この2週間は毎晩毎晩酒盛りで,しかも自分の適正な量を超えていた.結果として毎日毎日二日酔い.日が暮れて酒が抜けかけたころにまた呑み始めるという,そんな生活だった.この日全日程を終え自宅に戻ると,家にあった健康ドリンクを飲みビタミン剤をむさぼり喰った.普段ならトイレでまっ黄色の液体が出てくるところだが,その色はイチョウの葉っぱほどの薄いもの.体が必要としていたんだね.久しぶりの自分のベッドの匂いを心地よく感じながらすぐに眠りにつく.夢かうつつかうつつか夢か.この世界は酔っているときといないとき,どちらが現実なんだろう.


 2002年12月19日(木)   ラジオ体操の朝 


僕が出張している工場の朝は全員参加のラジオ体操から始まる.この季節気温は氷点下も珍しくない.集合場所の中庭には全体が見通せる一段高い場所があり,そこにはその日の当番が上って皆のお手本役となる.「あの上でやってみたい」という僕と連れの冗談半分の発言に対する会社の偉いさんの反応は「君ら絶対やんなさい」というもの.二人で段上に登る.上半身裸でやりたかったがさすがにそれはまずいと思いTシャツにした.うろ覚えの箇所はパラパラや変身のポーズでつないだが,果たして毎朝体操してる人たちの目をごまかすことはできたのだろうか?


 2002年12月18日(水)   ともだち 


この出張を通して同行の同僚とは,酒を酌み交わしたり,バカ話をしたり,プロレスごっこをしたり,恥ずかしい写真を取り合ったり,深い話をしたり,ケンカしたり,仲直りしたり,踏み込んではいけないところを認識しあったりしている.


 2002年12月17日(火)   あやまち 


今日ホテルの同僚の部屋でふたりで酒盛りをしていたら,いつのまにかその同僚にレイプされそうになっていた.もちろんそれは喩えであり彼は本当に僕に性的暴力を与えるつもりはなかった(はずな)んだが,その丸太のような腕で僕をベッドに押さえつけ半ば冗談半ば本気で衣服を剥ぎ取ろうとしてきた.なんでそういう展開になったかは覚えていない.本当に恐ろしかった.女性の気持ちが少しだけわかった気がした.


 2002年12月16日(月)   日本人形整列 


出張先に向かう新幹線に乗っていたときだった.混雑の度合いは,自由席はほぼ埋まるが立ったままの乗客はいない程度.トイレに行こうとして座席の間の通路を歩いているとき,理由はちっともわからないのだが,彼ら乗客たちがみな同じ顔のお面を被っているかのような錯覚にとらわれる瞬間があった.そのイメージの根っこは最近テレビによく映し出される北朝鮮の式典での人民の整列っぷりなのかそれとも小さい頃に見た悪夢か何かなのか,どちらにしても,うぇ,ぞっとする.


 2002年12月15日(日)   天気の話 


 天気の話が嫌いだ.住まいの話や出身地の話,日常の交通手段の話も好きじゃない.だがよく考えてみると本当に嫌いなのはこれらの話そのものではなく,典型的に話が始まり典型的に展開しちょっとなごんだりして典型的に話を終えるという「わかりきったコミュニケーション」のありかたのような気がしている.そしてこの気分はわりと多くの人に共有されているようだ,とも感じている.それならば,これから初対面に近い人とのあいさつがわりの会話は「天気の話ってイヤですよね」もありかもしれない.この話題で意気投合すれば,その人との距離が一気に縮まるような気もしているんだ.


 2002年12月14日(土)   世間知らず 


 世間知らずという言葉がある.あなたに「おまえは世間知らずだ」との言葉が投げかけられたとしよう.そのとき多くの人が感じるであろう不快感は,自分が否定されたことによる感情的な反発ばかりではなく,人には多種多様な経験のありかたがあり発言者の経験もそのなかのたったひとつに過ぎずそのことに疑問符を付けることのない姿勢に対する不信感をも含んでいるはずだ.自らの経験から得た世界の見え方が絶対のものだと,なぜ確信できるのか? それこそが「世間知らず」という言葉の本質なのにね.その意味で,世間知らずという言葉を発することほど「世間知らず」な振る舞いはない.


 2002年12月13日(金)   今日の出来事 


今日はお通じもよくうわさの牛タン弁当も美味くホテルから送り出してくれたときの若旦那の笑顔も最高だった.ああ,これぞ日常.若旦那よ,君が望めば今度チューしてあげよう.なんか最近の日記は「これぞ日記だ」って感じのものがとても多い.


 2002年12月12日(木)   3つの健康法 


●人はいろいろなものを見聞きして感動を取り込まないと,精神的な栄養失調となる.

●人は神経がすり減ってきたときには休息を取らないと,精神的な睡眠不足となる.

●人は自分の感情は何らかの形で表に出さないと,精神的な便秘となる.


 2002年12月11日(水)   気楽なカラオケ 


出張先のホテルの近くで同行の同僚と二人でカラオケ.カラオケはあまり好きではないが,気心の知れた相手と少人数でちょっと酔ってから行くカラオケは大好きだ.前半僕が歌ったのは洋楽ハードロック/ヘビメタ好きの彼も楽しめそうな感じの曲.「Addicted to Love/ロバート・パーマー」「Photograph/デフ・レパード」「Angel/エアロスミス」など.後半は自分の好みで目に付いたもの.「月の裏で会いましょう/オリジナル・ラヴ」「ガストロンジャー/エレファントカシマシ」「ばらの花/くるり」「Basket Case/グリーン・デイ」など.あー楽しかった.


 2002年12月10日(火)   シンクロナイズド・ラブ 


僕が出張で何をやってるかといえば、工場での製品の組立ての実習だったりする。朝の目覚めから、通勤、出社、ラジオ体操、実際の業務、昼飯、その他何から何まで、同行の同僚と同じ行動を取ることになる。今日の帰社時「うんこしたくない?」という僕の問いかけに彼は強くうなずき、それぞれ隣合うホテルの部屋に分かれた。数分後僕が水を流そうとする寸前にとなりの部屋から勢いよく聞こえてきた水洗の音は、ふたりの信頼関係をいっそう深める役割を果たしたような気はしている。


 2002年12月09日(月)   世界の秘密 


ねえ、僕は酔っている。多分これから2週間毎晩そうなんだろう。最高の気分だ。ねえ、僕は世界の秘密を知っちまった。感じてること、それがすべてなんだ。


 2002年12月08日(日)   東北湯けむり紀行・前夜 


 明日から12月20日までの約2週間,東北に出張に出かけることになった.同行するのは以前酒の席で何度か乳首を触ったことのある男の同僚だ.ちょっと長いけど,半分旅行気分で楽しんでこようと思ってる.ああ,新幹線に乗るのは久しぶりだ.まだ弁当の車内販売なんて実施されてるのだろうか? あの透明なプラスチックのお茶パックなんてのも生き残ってるのだろうか? 「仙台駅の牛タン弁当は美味いぜ」って話に今から興奮している.
 その間の日記は携帯から更新する予定.書き込むことができる字数に制限はあるけど,それが逆に何かこの日記に新しいリズムを生み出してくれるといいな,などと考えている.


 2002年12月07日(土)   続・汚い顔 


 いや,あれなんですよ.昨日の日記は,仕事の場に私服着て坊主頭で行ったら,変なオヤジから「なんだコイツは」という目で見られたっていう,ただそれだけなんですよ.


 2002年12月06日(金)   汚い顔 


 スキンヘッドにしてから2週間余りが経過.先日初めてこの頭で仕事のために社外に出た.それはある業界の展示会に参加してくるというもので,たとえば「モーターショー」とは自動車業界の展示会だけど,僕が参加したのはそれより規模が小さく一般の参加者がほとんど存在しないような種類のものだ.

 当然参加者の9割以上はスーツを着用しているが,この場に僕はフォーマルな印象の私服で参加してきた.会場内では私服は少数派だし,スキンヘッドも非常に目立つ.「私服のスキンヘッド」はちょっと異質な存在だったかもしれない.電車や街中では人の目はたいして気にならないのだが,この会場にいる間は視線があちこちから突き刺さってくるのを感じていたね.

 その視線は多くの場合「あれっ」「おっ」といった驚きの感情を含んだもので,そこには負の感情はほとんど感じられない.ところが一部の中年男性だけは,驚きの感情の他に違う意識も投げかけてくるのだ.

 気持ちアゴを上げて目を細めるかのようにして,値踏みするような目でこちらをじーっと眺めるしぐさ. 汚い顔だ.

 若い男性,若い女性,若くない女性などは,いずれも決して僕にそんな視線を投げかけることはなかった.思い起こしてみれば,この「中高年男性が異者に向ける特異な視線」には,多くの人が一度は晒されたことがあるのではないか.この日以来,この視線の起源はどこにあるのか,なぜ中高年男性に特有なものなのか,ということはときどき考えている.


 2002年12月05日(木)   あたりまえの話 


 ~たとえば日本じゃなくてもいいけど,人との出会いや情報量が都会に比べて圧倒的に少ない場所,単純に言うと田舎で生まれ,生活のほとんどをその近辺で過ごしてきた人っていっぱいいると思うんだよね.

 あたりまえの話だけど,そんな人たちの中にも人間的に素晴らしい人や才能を高めてきた人などは少なからずいるはず.その人たちがどう成長してきたかっていうと,その人がどうアンテナを張ってきたか,見聞きしてきたものに対して何を考えどう自分の中で消化してきたか,その結果どう現実に対処してきたか,ってことを通してだと思うんだよ.だから留学しようが世界一周しようが,それだけだとそれはただの体験に過ぎない.経験ですらないのかもしれない.

 なんかあたりまえのことを書いてしまった.

 何が言いたかったかっていうと,経験至上主義ってのは学歴至上主義とそんなに変わらないと思うんだ.な.


 2002年12月04日(水)   10枚のアルバム 


 以前僕を含めた3人の音楽好きが集まって「これまで聴いた中で最も気に入った10枚のアルバム」を紹介し合ったことがある.新しい音を開拓したかったってのもあるし,誰かが凄く気に入った音楽は,それが自分の好みのど真ん中でなかったとしてもどこか聴きどころがあるはずだ,って思いもあったしね.

 で,それぞれが思い入れたっぷりの10枚を持ち寄ってみたんだが,皆もじもじしてなかなか紹介し始めようとしない.なんでかって言えばそれも当然で,「これまでで最も好きになった10人の人」がどれほど素晴らしかったかってことを,真っ昼間からしらふで教え合おうってのがそもそも間違いだったんだ.


 2002年12月03日(火)   新しい娯楽 


 数年に一度,落ちる夢を見る.車に乗って舗装された峠道を昇っていくのだが,その傾斜がだんだんきつくなっていく.一度停車すると二度と発進できそうもないくらいの傾斜なので,とにかくアクセルをベタ踏みし続ける.それでも傾斜は次第にきつくなっていき,なんとか車が斜面にしがみついているといった状態なんだけど,最後にはとうとう転落してしまう,という夢だ.思い出したら心臓がドキドキしてきた.

 怖い夢を見て目覚めて,ドキドキと胸騒ぎする感じ.それは好きじゃない.でもしばらくしてそれが過ぎ去って「あれは間違いなく夢だったんだ」よかったな,とホッとする幸せ.それは結構好きかもしれない.僕の場合落ちる夢を頭の中で反復するとこの幸せを何度も味わえるんだけど,これは自分にとって新しいタイプの娯楽なのかもしれないな,などと感じている.


 2002年12月02日(月)   フィールド・オブ・ドリームス2 


(→続き)
 そんな彼女に対しあちこちから反発の声があがる.ある40代前半の俳優は「そんなの相手の立場しか見てねえよ.結婚相手にいわゆる『三高』を求めるのと同じだろ.恐ろしく腹が立つな」と発言していた.それに対する彼女の反論は,「野球選手なら誰でもいいってわけじゃなくて,ちゃんと人間性を見て普通の男の子と女の子で恋している」といったもの.それでもその俳優はなかなか納得しない.

 僕はある女子高生が彼女に寄せた意見「アタシは恋愛対象が『男の子』であることはもう大前提なんだけど,それと同じような意味で野球選手でなければならないのかな」が,彼女の気分に近いものではないかと想像していた.だがそれに対する彼女の返答は,周囲から次々あがる反論にかき消されてしまった.

 「野球選手と結婚するのが夢」という言葉の「中身」を見ようとせず,その発言の「外見」のみで彼女を判断し非難する連中.それこそが馬鹿俳優が批判していた,「三高」というラベルのみでパートナーを判断し選択しようとする行為と同じものなのにね.「中身が大事」という言葉の「中身」に鈍感な奴らがこの言葉を振り回すな.


 2002年12月01日(日)   フィールド・オブ・ドリームス1 


 テレビの討論番組を観ていた.さまざまな夢を持つ人がその夢を語り,それに対して他の出演者がコメントを寄せていく,という形式のものだった.出演者の夢はそれぞれ漫画家,タレント,女優,プロレスラーなどだったんだが,目を惹いたのは「野球選手と結婚する」(のが夢)と宣言した20代前半の女性だ.

 彼女は小さい頃から父親に連れられていく場所はほとんどが野球場で,野球に触れる生活があたりまえのものになっていたそうだ.昼間は二軍の試合,夜はナイター,夏は高校野球の観戦,といった生活をずっと続けてきた,とも.彼女の場合は野球だったけど,それが競馬とかラグビーだったりする人もいそうだよね.
 彼女はとにかく「毎日野球をしている人」でないとダメらしく,これまでも野球部員や野球選手としか付き合ったことがないという.現在は学生を続けながら,あるプロ野球チームの選手がたまり場にしている店でウェイトレスをしているそうだ.(続く→)


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■過去日記サンプル
東京タワー/ 写真嫌い/ 史上最高の尿意/ 中身と外見/ ほっぺにチュー/ 河原の魅力/ パチもん教授/ 16通りの告白/ アナウンサー賞賛/ 次回W杯必勝戦術/ チャンネル1995/ 緊張のアノミー/ 学歴社会という現実/ フジロック'02レポート/ 新しいかもしれない口説き文句/ 現役モラトリアム生/ ばったりしあう関係/ 黒髪という選択/ ゲイ雑誌購入/ ごきげんドライバー/ 結婚式に思う/ 味覚の手触り/ 変拍子の人/ 自己プロデュース
管理人: vanilla