バニラへの日々
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 2002年07月31日(水)   近視矯正手術への道(4) 


 レーザーを使った角膜(黒目の部分)の厚みを矯正する手術の話.2週間ほど前に病院に行って手術を受けるための話を聞いてきたのだが,手術の前にはしばらくコンタクトの装用を中止する必要があるとのこと.コンタクトレンズによって角膜が圧迫され,知らず知らずのうちに変形しているらしい.回復のためにはハードレンズで3週間,ソフトレンズで2週間の装用停止期間が必要との話だ.
 僕はここ10年間は1日中ハードレンズを装用していたので,手術までの期間をメガネで過ごすことになる.10年前に作ったメガネは今ではまったく度が合っていないので,新たに作りに出かけた.
 近所の安売りメガネ店でまずフレームを物色.視力も測ってもらう.店員さんには若い女性が多くて接客態度もよく,ちょっとしたキャバクラ気分だ.短期限定使用なので当然安いものから選んでいく.レンズ込みで\7000のフレームがあったのでこれに決定.ところが僕は相当近視が強いために通常のレンズでは相当な厚みになってしまう.レンズのふちの部分で軽く1cmは超えるだろうか? 短期間とはいえあまりに見映えがよくないので,屈折率が高く厚みを抑えることのできるレンズをオプションで選択することにした.ところがこのレンズは\24000もするのだ.にこやかに笑う女子店員とその前でしばらく考える僕という構図.結局高いレンズを購入したのだが,高くついたキャバクラ代だったのさ.


 2002年07月30日(火)   旅行中の大事件 


 家を長く留守にしている間,特に旅行中は新聞やテレビを見る機会が極端に減ることが多いのだけれど,帰宅してから新聞にまとめて目を通すときの気分には一種独特なものがある.期待感というか覗き見感覚というかトリップする感じというか,特にまとめ読みをする期間が長く何か大きな事件でも起こっていたときには一層その気分は増幅される.
 例えば4年前のちょうど今頃にあの和歌山の毒入りカレー事件が起こったが,当時僕は旅行中だった.帰宅してから新聞の関連記事をまとめ読みしていくと,事件の発覚に始まり,その謎めいた事件性,容疑者の存在,その動機らしきものなどが次々と紙面で明らかになっていく.現実世界を早送りで見たために軽い酩酊感を覚えるような感じ,と言ったら伝わるだろうか? きっと冷凍睡眠から覚めてその間に起こった出来事を追体験する人たちも,この気分を味わっているに違いない.
 今回フジロックのために家を数日間留守にしていて,帰宅後に金土日月の4日分の新聞をまとめ読みしたんだが,何か事件が起こっていたかなと思えば和泉元彌のダブルブッキング騒動くらいだったなあ.


 2002年07月29日(月)   フジロック'02レポート4 


(→続き)
 今日は3日目,最終日.昨日よりもさらに人出が増した感じで,場内ではあちこちで渋滞が起こっている.しかし場内を歩いているとワールドカップで来日した選手の姿を本当によく目撃する.ロナウド1人,ベッカム2人,フィーゴ2人,他にも山のようにいたぞ.まだ帰国しないのか?
 今日の1発目はポラリス(日本)だ.ダブとポップを融合させた,フィッシュマンズを連想させるような音楽で,眼をつぶって体をゆらす人続出.演奏が終了した後,隣の女の子は「気持ちよくて寝そうだった〜」と話していた.その後で通りすがりに観た四人囃子(日本)の良さにしばらく足を止める.ジュディマリやグレイのプロデュースなどで知られる佐久間さんのいたバンドだ.

 そして本日のお楽しみの元ちとせ.まず山崎まさよしのカバーから始まり,途中に2曲のシングルを挟みながらステージが続いていく.CDやテレビで聴くよりも間違いなく1ケタは良い.観客の手作りによる「ガンバレ ちとせ」の旗に照れたような笑顔を浮かべる彼女は本当に可愛くて,そんな彼女のしぐさが観衆を盛り上げて,その観衆の気持ちがまた彼女を高揚させて素晴らしい歌が届けられる.幸せのポジティブ・フィードバックだ.
 続けて解散したサニーディ・サービスの中心人物だった曽我部恵一(日本)を観る.ステージでは酒を呑みまくったりイントロでトチったりで,この話だけだと全くだらしねえなあといった雰囲気なんだけれども,決してそんなことはない.このリラックスしたステージもまた彼の大きな魅力だなあと思う.ちとせに負けないくらいの幸せを感じるひとときだった.

 今日は最終日ということもあってか,目玉のミュージシャンが多いように感じる.スーパーカー,コーネリアス,レッチリなども観たかったのだけれど,混雑した会場は苦手なので他のステージに移動.ギャラクティック(アメリカ)というジャズとファンクを融合させたようなバンドがとても良かった.途中で御大ジョージ・クリントンがゲストで登場し,"We Want Funk"を演る.観衆を煽る煽る.
 そして日が落ちてからはストリング・チーズ・インシデント(アメリカ)という謎のバンドを観ていた.グレイトフル・デッドやフィッシュといったジャム・ロックの流れを組むバンドという話で,カントリーやフォークなどのアメリカのいろんなルーツを取り入れたような音楽を延々と演奏していく.しかしこれがたまらなく良い.まったり聴くのも良し,踊るのも良し.ただしあの場の作用で2ケタはよくなっている感じで,CDで聴いたらがっかりしそうだ.
 そして僕の3日間の締めとなるのはスピリチュアライズド(イギリス).その名の通りスピリチュアルな高揚感を感じさせてくれるバンドで,サイケっぽさや気高さもあり,ロック・オーケストラといった雰囲気もある.心地よいトリップをし続けた1時間だった.

 フジそのものはこれから明け方まで続くが,これで僕らにとっての全日程は終了.連れと合流し,駐車場へと歩きながら話し始める.大トリのレッチリのステージは落ち着いたもので,ちょっと物足りなさを感じてしまったそうだ.彼の3日間のベストアクトはチャーとのこと.僕はスカタライツかな.
 なんて話をしていたら,事件発覚.旅行中,万一に備えて連れに車のスペアキーを預けていたのだが,なんと車の中に置きっぱなしだったらしい.理由を尋ねると「使わないと思ったから」とのこと.彼がバカなのか,彼に預けた僕がバカなのか,二人とも相当バカレベルが高いことは間違いない.
 この後は風呂に入って一服し,東京に向かって出発するのだ.残念だが日常に帰らなければならない.まあ,来年もまた来るさ.

今日食べたもの.牛の串焼き,チキンケバブ,カロリーメイト,夏野菜のカレー,チャーシューご飯.



 2002年07月28日(日)   フジロック'02レポート3 


(→続き)
 今日は2日目の話.ホテルを出る前に連れが旅行用のポーチを見せてくれた.「1988」という刺繍がされていて,14年前の中学生時代から愛用しているものらしい.物持ちがいいのだね.彼の部屋にはきっと当時のエロ本も大切に保管されているはずだ.

 場内は土曜日ということもあり,昨日に比べて人出が倍増した感じだ.昨日のスカタライツの素晴らしさにヤラれてしまって,僕の中でスカブームが起きている.この日はまずデタミネーションズとスカ・フレイムスという日本のスカバンドを観ることにした.ところがこれがイマひとつ.いや,全然悪くなくむしろいいステージだったと思うんだけど,スカタライツがあまりに良すぎたために期待していたものが大きすぎたのかもしれない.
 その後はイギリスの新人ロックバンド,ザ・ミュージック.ややダンスやサイケ寄りの音でめちゃくちゃカッコ良かった.僕はイギリスのロックミュージシャンはシーフードみたいなものだと思っていて,場合によっては独特の臭みみたいなものを感じることが多く,そこが好きではなかった.彼らはイギリス出身なのにあまりイギリス臭さが感じられず,そこも気に入ったね.

 時刻は昼下がりとなって昼食を摂る.今日はこの時間帯に観たいミュージシャンがいないので,メインステージで演っていたトリック・ターナー(アメリカ)というヒップホップとロックを融合させたようなバンドをまったりと眺めていた.メインステージにもかかわらずガラガラなので,簡単に最前列付近まで近づくことができる.前で聴くとなんでもよく思えるね.僕の近くでは70歳は超えていると思われる老夫婦が手を振り上げていたんだが,自分も将来あのようでありたいと感じた.カッコ良すぎだよじいちゃん.
 その後は忌野清志朗&矢野顕子(日本)を観る.ステージには彼らを含めて3人のみというシンプルな構成.ふたりはとても仲がいいらしいが共演するのは本当に久しぶりとのこと.曲間のふたりのトークは友達ノリにも片寄り過ぎないリラックスしたもので,ステージ上ばかりではなく観客との間にも幸福な空気が共有されていた.

 次は本日のお楽しみエゴ-ラッピン(日本).圧巻.ボーカル最高.演奏には独特のグルーヴ.観客沸騰.ファンの年齢層高めかと思ったが,若い連中も次々とダイブしていく.連れの意見だが「単独のライブに行きたくなった」.僕はCDを全部揃えることにしよう.
 日が落ち始めたころには日本の誇るダブバンド,ドライ&ヘビーを楽しむ.去年太陽の照りつける中で観た彼らも最高だったが,ミラーボールがきらめく下で聴くと本当にハマる.火照った体が徐々に冷却されていく.まったりとした高揚感,まったりんぐだ.「まったりんぐ」をGoogleで検索したら73件もヒットした.僕にとっては,他ではちょっと置き換えがきかない絶頂感を感じるひとときだった.

 そして本日の自分にとってのベストかもしれない,パティ・スミス(アメリカ)を観た.彼女はNYパンクの女王と呼ばれ,70年代に活躍した半ば伝説的なミュージシャンだ.特に目新しいことをやっているわけじゃない.僕が彼女に特別思い入れがあるわけでもない.でも,同じ食材を使っても出てくる料理は魔法のような美味さを感じさせる料理人のようというか,出てくる音出てくる音が何でこんなにいいのだろう? ロックの原初的な衝動というよりはスピリチュアルな高揚感を感じるステージだった.僕の2m左では年齢不詳の美しい女性を連れたチャー(40代後半の日本のカリスマ的ギタリスト)が他の誰よりも大きな声でステージからの彼女の呼びかけに「Yeah!!」と叫んでいた.ライブ終了後には,正体がバレて若い女の子たちに囲まれている彼を記念に1枚撮影.
 そして本日の締めはソニック・ユース(アメリカ)だ.苗場の夜空に溶けていく心地よいギターノイズの嵐.それに浸りながらも,現在自分がおかれている状況のことをちょっとだけ思い出してしまう.その後は連れと合流しホテルへと帰った.本日のトリ,ケミカルブラザーズはとても良かったってさ.ああ,観たかったなあ.

今日食べたもの.冷やしかき揚げうどん,もち豚の串焼き,牛の串焼き,上海風雑炊.(続く→)



 2002年07月27日(土)   フジロック'02レポート2 


(→続き)
 今日は初日の金曜日の話題.連れと合流し,朝8時に横浜から苗場に向けて出発した.集合時間の7時に50分遅刻してきた彼の言い分は「たまたま今日目覚ましの電池が切れた」だった.まったくキレが感じられない言い訳だが,僕も15分遅刻したので許す.

 開演の11時に遅れること3時間,14時に会場に到着した.陽射しは強く気温も相当上がっているが,木陰にはいると心地よさに包まれる.絶好のコンディションだ.連れはフジへの参加は初めてということもあり,まず散歩がてら一緒に各ステージを回ることにする.フィデル・ナダルというアルゼンチンのミュージシャンを15分ほど観る.僕らのすぐ前に凄いもみあげをした太った外人の観客がいたんだが,その背中にはマジックで「TANUKI」と書かれていた.連れと遅い昼食を摂った後,それぞれ観たいものを観ようという話になり別行動を取ることにする.

 この日まとまった時間観ることができたミュージシャンは3組で,スカタライツ,ボアダムス,ジョージ・クリントン&パーラメント/ファンカデリックだった.どれもよかったのだが,中でもスカタライツが最高.スカタライツ(ジャマイカ)とはスカの創始者的な伝説のバンドだ.スカと聞いてスカパラやスカを取り入れたパンクなどをイメージする人も多いかもしれないが,それらとは若干イメージが異なってジャズやR&Bの要素も強い.この日のステージはまさに魔法のよう.聴き進むにつれて幸せ血中濃度がぐんぐん上昇していく.周囲を見渡すとみな笑顔笑顔で踊り続けている.演奏が終わった後にはあちこちで「幸せだったね〜」との声が上がっていた.

 あと,ボアダムス(日本)も圧巻.彼らはリズムやノイズを前面に押し出した実験的な音楽を展開するバンドでヒット曲のようなものはないのだが,海外も含めて熱狂的なファンを数多く持っている.この日はドラマーが3人とシンセだかミキサーだかを抱えたボーカルがひとりという構成.3人が作り出す大きな起伏を持ったリズムに,ときどき叫ぶだけのボーカルが絡んでゆく.そんなのがいいの? と思われるかもしれないが最高だったんだよ.鼻血出そうだった.体中の毛穴が開き,いわゆるトランス状態に陥りかけるような感覚を味わった.

 そして夜にはファンクの帝王ジョージ・クリントン(アメリカ)を観る.この人はもうその外見と声だけで一生付いていきます的なオーラを醸し出していて,観客も多いにノっていた.しかしあらゆる面でやりすぎ.前口上長すぎ.本人が登場するまで20分はかかったか? 観客が疲れるのもかまわず盛り上げすぎ.演奏が長すぎ.僕は途中で引き上げたのだが,聞くところによると予定時間を大幅にオーバーしたため主催者側からストップがかかったらしい.まあ,その過剰さこそがファンクの本質なのかもしれないが.

 ジョージ・クリントンのステージを後にすると時刻は23時を回っていた.各ステージはまもなく明日の朝まで閉鎖されるが,ダンステントと食事エリアはこれから明け方まで開放されている.深夜のフジを味わうのを楽しみにしていたのだが,ちょっと疲れてしまっていた.ジャンキーXLでちょっと踊ってからホテルに向かい,連れと合流する.ミューズ(イギリス),忌野清志朗と泉谷しげるのバンド(日本)がよかったらしい.初日トリのプロディジー(イギリス)はいまいちだったとのこと.ステージがいくつもあるので,観たいミュージシャンを全て観ることはできないんだよな.

今日食べたもの.タイ焼きそば,タイラーメン,バーベキューライス.(続く→)



 2002年07月26日(金)   フジロック'02レポート1 


 '97の初開催から6年め,今年も3日間にわたり新潟県苗場スキー場にてフジロックフェスティバルが開催される.苗場なのになぜ「フジ」かといえば,初開催が富士山の近くの天神山スキー場敷地内だったからだ.しかし当時はこのような大型音楽イベントが日本で初めてだったこともあり,さまざまなトラブルが続出してしまった.台風の直撃もそれに追い打ちをかけた.聞くところでは,腹を空かせたあげく近くの民家に忍び込み冷蔵庫を漁っていた観客もいたらしい.結局地元住民から反発を受けその地から追われてしまい,'99から苗場に落ち着いたというわけ.

 僕は去年念願の初参加を果たし(2002/4/29の日記参照),今年が2度目となる.去年はひとりだったが今年は大学時代の後輩と参加だ.まず簡単に会場のようすをご紹介する.ミュージシャンが演奏するステージは主に4つ.メインのグリーンステージ(特大,〜20000人),ホワイトステージ(大,〜10000人),レッドマーキー(中,〜5000人),フィールド・オブ・ヘブン(中,〜5000人).他にも小さいステージがいくつか.人数は僕の感覚的なものなのでだいぶ怪しいね.
 「レッドマーキー」にはテントの屋根がついており,半分屋内といった風情だが,他は青々とした夏の苗場の山々を背景にした絶好のロケーションだ.それぞれのステージで各ミュージシャンが1時間程度演奏してから交代していく.機材の交換や調整にも時間がかかるので,各ステージとも1日あたりに登場するミュージシャンは7〜8組程度だ.常にいくつかのステージで演奏が行われ,いくつかのステージでは交代中ということになる.つまり観たいミュージシャンを全て観られるとは限らないのだ.

 ライブの時間は主に朝11時から夜24時ごろまでだが,屋根付きのレッドマーキーのみが深夜にダンス専門のテントに様変わりし,観客は朝5時まで踊り続ける.僕はすぐダウンしたけどね.それぞれのステージの間は500mくらいの長さの道で結ばれていて,その途中には飲食エリアや休憩ポイント,仮設トイレ地帯などが設けられている.

 「フジロック」という名前からロックのライブを1日中観ているイベントが想像されるのだけれど,実際に音楽を聴いている時間はせいぜい半分くらいだ.「フェスティバル」という名前にもある通り,その実体は音楽のライブを核とした「お祭り」だ.ステージのそばでもみくちゃになりながら楽しむ人がいる.後ろで芝生に寝そべって楽しむ人もいる.かすかに流れてくる音楽をBGMにして,食事エリアで談笑し続ける人がいる.併設されているサーカス小屋をのぞく人がいる.会場内を小川が流れていて,そのほとりで休憩している人もいる.酒ばかり呑んでいる人もいる.大道芸人のパフォーマンスに群がっている人もいる.

 音楽もロックに限らず,ヒップホップ,レゲエ,スカ,ジャズ,ファンク,テクノなど,ジャンルもさまざま.普段あまり聴かない種の音楽との出会いも,とても楽しいものだ.お祭りに行って,出し物や夜店に自分の知らない種類のものがあってもむしろそのほうが楽しめるけど,あの感覚と言えるかもしれない.
 いろいろと書いていたら結構な分量になってしまった.日記の日付と1日ずれてしまうが,初日に観たミュージシャンの話は明日にまわします.(続く→)



 2002年07月25日(木)   略語大全集 


 ~自分のホームページを活性化させるためにだいぶ前からあたためているネタがあって,それは「3文字略語大全」とでもいうべきものだ.AAAからZZZまで,26種のアルファベットを3文字並べた組み合わせは26×26×26=17526通りとなる.0〜9の数字も含めれば46656通りとなるが,このデータベースの母体を作るのだ.
 初めはすべての略語に関するページをまっさらな状態にしておき,訪れた人が自由に情報の追加が可能なように設計しておく.46656通りのすべての略語のページに対して掲示板やリンク集などを用意しておくのだ.広く知られるようになるまである程度時間がかかるだろうけど,ある臨界点を超えると自己増殖的に情報が寄せられていくだろう.もちろんいかがわしい情報も含まれるだろうが,それもネットの醍醐味.学術用語からエロ略語まですべてをカバーする巨大ホームページの誕生だ.あなたがYKZ, MK5, TBCといった略語の前に立ちすくむことがあっても,このホームページを見ればもう大丈夫だ.流通したての隠語にも困ることはない.しかし,これまであたためていたと宣言するわりには地味なアイデアなんだよなあ.

追記.YKZ: しばらく前にこの名に改名した日本のロックバンド.旧称はヤクザキック.MK5: ちょっと古いがご存知のとおりマジキレ5秒前の略.TBC: 東京ビューティセンター(エステ大手),短髪坊主倶楽部(ゲイのフォーラム),タイムベースコレクター(ビデオ再生画像を安定させる回路)などの意味がある.


 2002年07月24日(水)   誤配の可能性 


 この日記に書くことといえばふとした思いつきや切り口であったり,日常感じる違和感や怒りであったり,ちょっとシリアスな問題,馬鹿げたアイデア,自意識の垂れ流しなどが中心だ.振り返ってみるとその多くは「人に楽しんでもらうためのひとりごと」という形でまとめているように思う.そんな中のいくつかの文章は,僕の身近な知り合いたちに読んでもらいたくて書いたものだ.その意図は応援であったり助言めいたものであったりいろいろなんだけど,もちろん名指しはしないので誰かに宛てた文章とは気づきにくい構成だと思う.その相手に「あの日のあれは面白かった」と言われたこともあるが,たぶん気づいてなさそうだったしね.

 そういえば特定の相手ではないが,読んでもらいたい人をイメージして書いた文章も結構多い.例えば,
4/6写真嫌い6/3 16通りの告白6/25空騒ぎの夜7/12緊張のアノミーなどだ.楽しんでもらいたい部分と伝えたい部分とを融合させるように文章をまとめていることや,素直に書けばいいところをヒネったりしている部分などもあり,どういう形で人に伝わるかはわからない.

 僕が投函したメッセージはあなたに届いたのだろうか.手元に届いたとして,あなたは読んでくれたのだろうか.読んでくれたとして,その意図はどう伝わったのだろうか.


 2002年07月23日(火)   エロトークへの反応 


 酒の席でも日常会話の中でもいいが,輪の中の会話が男性たちによってエロ側にシフトしたとき女性の反応はさまざまに分かれる.露骨にイヤな顔をする,一緒になってギャハハと盛り上がる,会話から降りる,「またそんな話してる〜」などと言ってみる,完全に無視する,あいまいに笑う,などだ.

 男性としては「これってセクハラよ!!」的な反発が一番困ってしまうもので,その女性に対してどこか人間的にも信頼がおけないような気分になってしまうことが多い.逆に特に酒の席でなんだが,一緒に盛り上がってくれる女性に対しては「いいヤツ」「話せるヤツ」的な妙な仲間意識が芽生えてくると言えるだろう.ところが「あまりに開けっぴろげすぎてもちょっとな...」という意識もあり,僕の調査ではほどほどが一番いいという声が多いみたいだ.

 ここで僕がこれまで体験した中で最も好感の持てた反応をご紹介.ある20代前半の女性によるものだ.彼女は次第にエスカレートする男性達のエロトークに対してちょっと困ったようなうれしいような微妙な表情を見せながらうつむき,「理解不能理解不能」とつぶやきくすくす笑いながらその場をあとにしていったのだ.雰囲気伝わるかな.積極的に参加も否定もしないが,笑いを提供して場の雰囲気には貢献した上で去っていく.そのあと残された男たちはエロトークの続きも忘れて彼女の行動を絶賛していたんだ.


 2002年07月22日(月)   男の自意識,女の自意識 


 「ビューティコロシアム」というTV番組がある.10代後半から30前くらいまでの女性が,エステティシャン,メイクアップアーティスト,美容整形外科医などのさまざまなスペシャリストたちの手によって変身を遂げ,美しく生まれ変わるという番組だ.
 番組を観たことのある人はわかるだろうけど,出演者の多くはなんらかの精神的な傷を抱えており,それが外見や内面で自己アピールに踏み出せない理由となっている.つまり「ちょっとイタい」番組なのだ.しかし出演者が過去の自分と決別し,外見ばかりでなく内面の輝きも手にしていく過程,この「イタさを後にした感覚」が番組の大きな魅力となっていることは間違いない.
 そして番組の方針なのだろうが,変身希望の出演者は全員女性だ.まあ,それも当然なのかもしれない.「ビューティコロシアム」の男版,いまいちイケてない男が自ら売り込んでカッコよくなりたいという意識を軸に制作された番組はちょっと記憶にないし,もし放送されたとしてもイタ過ぎて涙無しには見られないだろう.というかあまり美しくない.男をカッコよく変身させる番組としていわゆる亭主改造計画ものがあるけれど,これには「自分のダンナをなんとか見映え良くしたい!!」という女性側の意識が大きく介在しているので別のものと考えたほうがよさそうだ.
 結局男性の自意識は番組=娯楽として成立しにくいのかもしれない.調理が難しいのだ.しかしそこをあえてゲテモノ感覚で観てみたい気もしてきた.でも実際に制作されるとしたら,やはりお笑い路線という調理法に落ち着くのだろうな.


 2002年07月21日(日)   オフ会体験記2 


(→続き)
 まずは軽くあいさつを交わして自己紹介をすませる.待ち合わせ場所は駅の構内だったのだが,居酒屋のありそうな場所まで歩きながら会話を重ねていく.「お互い」「イメージと」「合いませんね」「ハ・ハ・ハ・ハ・(ハーモニー)」
 お相手の方の外見は僕の予想とそう大きく違わなかったものの,それでも文章から受けていたイメージを目の前の人に重ねていくのは難しい.融合に時間がかかる感じで,向こうもそうなのだろう.
 適当な居酒屋を見つけて中に入り,酒を注文する.お互い酒が回ると会話も弾み出し,会は4時間を大きく超えた.初対面とは思えないほど楽しいひとときだった.お相手の方の意見なのだが,「今の時代,ネットを使わない手はない」.日常生活では自分の半径5mの範囲内で出会うことができる人の数は限られているし,必ずしも話や趣味が合う人ばかりではない.もし存在していたとしても気の合う部分を見せ合えないままかもしれない.ネットによるコミュニケーションチャンスの拡大を利用しない手はないぜってことを実感した1日だった.
 実は彼が僕のホームページを知ったのはある共通の知人の紹介であり,そのことをこの日初めて知った.NNさん,出会いのきっかけをありがとう.


 2002年07月20日(土)   オフ会体験記1 


 インターネットで知り合った人と二人で酒を呑むことになった.今日がその日,初めてのオフ会だ.お相手の方は僕の日記の読者さんで,僕もお相手のホームページの読者という関係.お相手の方とはこれまでにメールを中心とした文章のみによるコミュニケーションを取ってきたので,当然ながら多くは謎に包まれている.予想では「中肉中背で髪に軽くカラーを入れたおもしろマジメ系26歳」,性別はまず間違いなく男性だというところ.
 待ち合わせの時間が近づくにつれて期待と若干の不安がごちゃまぜになった気分が膨れ上がってくる.ほんの半年ほど前までは自分がオフ会に出席するなど想像すらしていなかったが,何が起こるかわからないものだ.この分だと半年後に僕は妊娠しているかもしれない.父親はもちろん今日会う予定の人だ.
 待ち合わせの時間には,お相手は「バラをくわえて」,僕は「携帯を逆さに持って必死にイジって」いることにしましょう,という話だったのだが,残念ながらバラをくわえた人はどこにも発見できなかった.すると携帯メールに着信ありの文字.「パンフレットを持って立っているのが私です」おお,あなたでしたか.(続く→)


 2002年07月19日(金)   近視矯正手術への道(3) 


 先日バイト先にこの近視矯正手術を受けた経験を持つ人がいることを知り,話を聞くことができた.術式を聞いたときほとんどの人がコワさを感じるのが,はじめにカッターで角膜(黒目の部分)を薄くそぎ切りにする工程だと思う.だが意外にもカッターによる切除の際は目の前を虫が通り過ぎたような感覚にしか過ぎず,問題はないとの話だ.その後視界はくもりガラス越しのようになるらしいが,見えないほうが怖くないという意味でこれも好都合なのかもしれない.カッターよりもむしろ,レーザーを角膜に当てているときに髪の毛やつめが焼けるようなたんぱく質が焦げるにおいがするのがとてもイヤなものだと聞いた.
 僕が一番気にしている「レーザーを当てているときに眼を動かしたくなったらどうしますか?」との問いかけには「とにかく動かすな」と言われた.的確なアドバイスだ.しかしその後ネットで調べた情報によると,ある程度眼の動きに追従しながらレーザーを照射する装置もあるという.僕の行く予定の病院がこのタイプの装置を導入していることを祈る.
 しかしここまで書いてから大きな問題に気づいた.くしゃみだ.患者が必死に我慢しても先生が我慢しきれない可能性もある.今後手術を考えている人は花粉の時期を避けたほうがよさそうだ.


 2002年07月18日(木)   学歴社会という現実 


 先週見たテレビの討論番組の話.番組の構成は,10代の男女10名に対して50代の大人1名が意見をぶつけて議論しあうものだ.その50代の大人は文部科学省の官僚で,しばらく前から話題になっている「ゆとり教育」を推し進めている中心人物だという.
 彼の問いかけたテーマは「何のために勉強するのか?」というもの.要は,いい大学を出たことがハバをきかせるいわゆる学歴社会に参戦するための勉強じゃあつまんないってことを,みんな自分の問題として考えてみてよ,という内容だったと思う.しかし10代たちは彼に対して総攻撃.「どうせアナタは東大出身の官僚だろ」「そんなの理想論だよ」「僕らのようなシモジモの人間のことを本当にわかってるのか」といったような意味の厳しい意見にさらされていた.
 僕はこういった意見を聞きながら腹が立って腹が立ってどうしようもなかった.10代たちの意見は自分たちが学歴社会の中で認められてこなかった苛立ちと高学歴な人間に対する感情的な反発が結びついたもので,逆「差別」とでもいうべきものだ.さらに10代の意見「学歴社会への反発がハングリー精神を生むので必要」「各自がやりたいことを見つけるためのゆとり教育なんて導入しなくてもエネルギーがあればやりたいことをやれるはず」だとさ.そんなことは当然で,どんなシステムからも才能ある人間は表に出てくる.だがこうした意見はシステムが抱える問題点を常に覆い隠す方向に機能していく.この話を例えば人種差別の問題に置き換えたとき,その意見の不毛さは明確になる.理念を持って行動している人間を鼻で笑う奴らは自らの想像力の貧しさを恥じて消え失せろ.


 2002年07月17日(水)   飯島愛の母親 


 ~1年前友人(男)の結婚式の披露宴に出席したときの話.その友人は奥さんとお見合いサークルのような席で知り合って意気投合したらしい.式の中盤では例によってふたりの子供時代からの成長の過程がスライド上映される.新婦は幼稚園のとき飯島愛と同じクラスだったらしい.その幼稚園時代の集合写真には園児とその親を含め7,8人が映っていたんだが,飯島愛,愛の母親ともに前列,後列のセンター位置を確保していた.会場では,今の飯島愛本人より当時の母親のほうがかわいいとの声が大勢を占めていた.
 式も終盤にさしかかり,安室の「Can You Cerebrate?」とゴスペラーズの「ひとり」が友人たちにより披露される.新婦側が安室,新郎側がゴスペラーズだ.まわりに合わせながら手拍子を打ってしまう自分を少し責めながら彼らの歌を聴く.「ひとり」を通して聴くのは少々キツかった.アカペラなのでよほど歌唱力がないと歌いこなすのは難しそう.そういえばこの曲はカラオケではどうなるのだろう?


 2002年07月16日(火)   携帯トラブルメーカー 


 ほぼ1年前の7月14日に携帯の機種変更をした.僕は普段携帯をズボンの後ろポケットに入れて持ち歩くため,分厚くなってしまう折りたたみ式はあまり好きではない.その携帯はドコモのD210iという三菱のフリップ式で,薄くて軽くてかさばらず非常に気に入っていたんだが,なぜか故障続き.今年の2月ごろから電源を入れ直すと各種設定が全部リセットされるなどの症状がで始め,ドコモショップの店員さんには「こんな症状聞いたことがありません」などとと言われながら新品に交換してもらった.それが今年の3月8日だ.
 しかしそれから2ヶ月ほどしてから,新品であるのにもかかわらずまた同じ症状が再発.前回と同じドコモショップに持ち込み怪訝な顔をされながらもまた別の新品に交換してもらう.そして1年間の保証期間が終わった直後の今日,また携帯が壊れた.今度は新パターンで,ズボンのポケットに入れて3歩歩くと電源が落ちるというもの.どんなパターンでもいいがせめてあと2日早く壊れてくれ.
 だが3度の故障からその原因が見えてきた.僕は携帯を後ろのポケットに入れたまま座る機会が多いため,薄平べったいタイプの携帯では本体に無理な力がかかり内部の配線が痛み接触不良になるようだ.そういえば故障の時期や症状からは,この仮説を裏付けるに足る点がいくつも思い出される.つまり薄平べったいタイプの携帯は僕のスタイルには不向きなんだろうな.
 しかしながら今日新宿で新たに機種変更をしてきた携帯は,これまで使っていたD210iの後継機種のD211i.薄型のフリップ式なのだ.同じ石に2度3度つまづくことこそ無上の喜び.わかっちゃいるけどやめられない.「人間ってバカですよね」「僕はバカですか?」今日の日記をどちらの文章でしめくくるべきだろうか?


 2002年07月15日(月)   近視矯正手術への道(2) 


 昨日病院で,近視矯正手術に関する無料説明会に参加してきた.LASIK(レーシック)と呼ばれるレーザーを使った手術で,数年前から話題になり始めているものだ.参加者は30名ほどで,年齢は20代から30代が中心.圧倒的に女性が多い.まず30分ほど原理や手術のビデオを見せられる.
 手術はまず角膜(眼の黒目)の表面をカッターでうすくそぎ切りにし,角膜の内部をあらわにする.そこにレーザーを照射することにより角膜を削り取っていくのだ.レンズの役割をしている角膜の厚みを変化させることで視力を矯正する仕組みだ.時間は1分以内.もちろん眼を動かしてみたい衝動と戦わなければならない1分間だが,実際にぐるぐると動かしてしまった人はいないらしい.照射後はそぎ切りにしておいた角膜を再びくっつける.角膜は数分で自然に融合し,手術もトータルで1時間程度.痛みも感じず,術後すぐからかなりの視力が回復するという.
 ビデオの後は病院の事務部長からおカネに関する説明を受ける.20代後半サーファー系の人で,大手生命保険会社から転身してきた過去を持つという.非常に説明が上手だ.手術は健康保険の対象外なので高額であり,東京都の病院の平均が両眼で50万円との話.そこの病院(小田原)は38万円だった.さらに,簡易でない生命保険に入っている多くの人は入院給付金が10日分(5万〜20万,契約内容による)バックされるとのこと.術後の視力はほぼ100%が0.7以上,80%が1.0以上まで回復し,失敗は0.3%.失敗とはいっても失明のケースはなく,術前よりも視力が上がらないことを指すらしい.いずれの場合も無料で再手術が可能だ.
 なにかいいことばかり書いているような気がしてきたなあ.確かに説明会には高級羽毛布団とかを紹介されそうな雰囲気はあったかも.手術の体験者が登場してきて参加者の前で語り,拍手に包まれたりとかね.まあ,試しにやってみます.手術は8月か9月に受ける予定.


 2002年07月14日(日)   近視矯正手術への道(1) 


 小学校1年のとき,すでに0.1だった.それから悪化の一途をたどり,ハタチのころには0.03.僕の視力だ.10年ほど前にメガネからコンタクトレンズに切り替えて現在に至るのだけれど,取り扱いの面倒さには未だ慣れることはない.何より僕がイヤなのは,もともとド近眼なためコンタクトレンズを紛失してしまったら命にかかわることもあるなあ,という気分だ.
 たとえば突然外国が攻め込んできたり大災害が発生したりして極端に治安が悪くなったとき,メガネやコンタクト無しに生きていけない人は明らかに圧倒的にヤバい状況におかれる.使い捨てコンタクトを使ってる人はまずそれが手元に届かないし,夜中に襲われたらメガネを探してる間に身ぐるみ剥がされるかもしれない.強制収容所にいきなりぶちこまれたとき「コンタクトレンズの保存液ください」などと頼めない.極端な話かもしれないが,こうしたことは意識の底あたりでいつも気になっている.
 そこで近視の矯正手術を受けることにしたよ.タイガーウッズや西武の松坂が受けたことで広く知られるようになった,レーザーによる手術だ.今日病院で話を聞いてきたのだが,8月か9月に予約できそうとのこと.これからときどきこの話の進行状況を書いていくつもりだ.


 2002年07月13日(土)   緊張のアノミー2 


(→続き)
 その本によると,(1)のタイプは,貧乏になってしまった状態からどうやって抜け出ればいいのかわからない,「手段」を見出せないアノミー,(2)のタイプは,金持ちになってから何を目指して生きていけばいいかわからない,「目的」を喪失したアノミーと呼ばれている.それぞれ手段や目的を失ったことに絶望しているのだ.

 ここ数ヶ月職探しをしていた自分を振り返ってみると,当初は「目的のアノミー」というべき状態で,自分は何をしたくてどんな仕事を希望しているのかはっきりと見定まっていなかった.それが見えてきてからは,ではどうすれば目的の職にアクセスすることができるのかがよくわからず「手段のアノミー」に陥っていたように思う.
 「なんか最近パッとしないなあ」のようなブルーな気分を抱えることは誰にでもあるのだろうけど,その理由はこの2つのどちらかのアノミーに集約されることが多いような気がしたね.

 以下おまけ.僕はこの2つに加えて(3)「緊張のアノミー」というのを提唱したい.これは緊張感の高まる場において,その緊張に耐えきれず突然奇行に走る状態のことを指している.「ここが勝負所だ」という状況,例えば大事な商談,お見合い,向こうの実家へ挨拶,会社の面接の場などにおいて,その緊張に耐えられず突然「うははははははは」と叫びだしたりしたくなるような衝動に突き動かされたことはないだろうか? この種の気持ちは,実際にやる/やらない,想像したことがある/ないはともかく,多くの人にとって理解し得るものだと思う.ちなみに僕はやらないよ,念のため.


 2002年07月12日(金)   緊張のアノミー1 


 最近読んだ本に2種類の「アノミー」についての説明が載っていた.アノミーとは何をしていいのかわからなくなりとんでもない行動をとってしまう状態のことで,無規範とか無秩序という日本語が対応している.例えばそれはフラれたり受験に失敗したりして「こんな世の中どーにでもなれ」とばかりに街中でいきなり素っ裸になったり刃物を振り回したりすることだ.また,もし「24時間後に迎撃不能な核ミサイルが日本中に打ち込まれる」というニュースが流れたなら,その影響で市街地が暴徒化した群衆であふれかえったりするかもしれないが,それもアノミーの一種である.

 僕が読んだのは社会全体が陥るアノミーではなく,個人における話.本の例えでは,
(1) 金持ちが突然貧乏人になってしまいどうしていいかわけがわからなくなって自殺.
(2) 貧乏人が突然金持ちになってしまいどうしていいかわけがわからなくなって自殺.
この2つが扱われていた.

 金持ちが落ちぶれてしまった事実を受け入れられない(1)のアノミーは,誰にとっても理解しやすいものだろう.だがこうして逆の意味を持つ2つの例を並べてみると,(1)の逆の(2)も充分あり得ることだなということにあらためて気づく.顔のそっくりな王様と乞食が期間限定でお互いの生活を入れ替えてみるという話があったが,あくまでも貧乏生活を新鮮なものとして享受する王様と,あこがれていた王宮暮らしに居心地の悪さを感じてしまう乞食とが対比して描かれていたことを思い出す.(続く→)


 2002年07月11日(木)   野球エリートの憂鬱 


 凄いなあと思うのは例えばプロ野球の選手であって,現在日本でプレイする日本人選手は730人程度しかいないからだ.数年前の数字だけれど,日本の野球人口は580万人程度との話.プロ野球選手が日本で野球をやっているすべての人たちの頂点に立つという考え方をするならば,約8000人にひとりの割合で選抜された超エリートということになる.

 それなのに2軍暮らしが長く滅多に1軍の試合に出場する機会がないような選手に対して世間は冷たいことが多いような気がする.特に子供からみれば「おまえの父ちゃん本当にプロ野球の選手かよう」「全然テレビに出てないじゃないか」ってことになる.

 一方でサラリーマン人口は約5300万人.プロ野球選手と同じ割合で選抜した超エリートサラリーマンは全国で6600人程度しか存在しない.いじめっ子の父親はまず間違いなくその中には入ってないだろうなあ.


 2002年07月10日(水)   思い出の味 


30分前にコンビニでカップラーメンを衝動買いした.全国の行列のできる店の味を再現しようとするシリーズのもので,店の名前は「山桜桃」(ゆすら,と読む)だ.札幌の地下鉄の琴似という駅のそばにあるラーメン屋なのだけれど,3年前の夏に札幌を訪れたときに食べて以来,僕のこれまでのNo.1を維持している店だ.めちゃくちゃ好きになった人の顔をかえってよく思い出せないのと同じで,この店の味にもおぼろげな記憶しか残っていない.さあお湯をいれよう.今入れてきた.あと5分もない.その間に何か書こう.

3年前の旅行というのはライジング・サンという札幌のそばで行われた音楽ライブイベントに参加するためだった.大学時代の後輩と3人で車で行ったのだけれど,旅費を節約するために当然高速道路は禁止.東京から札幌までたっぷり24時間はかかった.2分経過.
運転しながらそういえば昨日の今頃は何やってたんだっけなあそう運転していたんだったなあなどと溶けそうになる頭の隅で考えながら運転しながらそういえば昨日の今頃……,という状況だったのが懐かしいね.3分半経過.
オールナイトの野外ライブだったのだがそのライブ自体も素晴らしいもので,最後のミュージシャン,サニーディサービスが朝日の昇る中で演奏を始めたときのことは今でもはっきり記憶に残っている.さあ食べよう.

食べ終わった.確かに面影はある.同じようにすりごまがいっぱい浮かんでいたことも思い出したし,カップラーメンとは思えないほど豪華なチャーシューにも,そういえばこんな味だったかもという気にさせられた.でも,カップ麺で店の味が再現できていたのかってことはもう大きな問題じゃないような気がしてきたね.あー美味かった.また食べよう.


 2002年07月09日(火)   チャンネル1995 


特にNHKで目立つ気がするのだが,以前好評を博したドキュメンタリーなどの番組を深夜枠でひっそりと再放送することがある.無数の放送された番組の中から選び抜かれて再登場するだけあって,かなりのおもしろさを感じることが多い.
このような番組を偶然発見すると,得したようなこれまで凄く損していたような複雑な気分になり「もっとこうした過去の遺産に触れる機会を増やしてくれよ」と感じることが多い.しかしこうも考える.音楽番組で過去の年間チャートを振り返ったり,お笑い番組で過去の名場面を振り返るのはたまにだから楽しいのであって「再放送が増え始めると興味が薄れてくるかもな」.
スカイパーフェクTVなどにはすでに過去のドラマやアニメ専門の再放送チャンネルがあるけれど,最初はハマってもすぐに飽きてくるという話もよく聞く.
そこで提案.多チャンネル時代の強みを生かし,「1986年NHK」「1990年日テレ」「1995年TBS」などのチャンネルを大量に作る.「1995年TBS」の今日の放送は,7年前の今日にTBSで放送されていたものをそっくりそのまま放送するのだ.
当時の旬な笑い,旬な俳優,社会風俗,CMなどを笑ったり懐かしんだりして楽しむこともできそうだし,あるワンシーンから当時の自分を思いだしセンチメンタルな気分に浸ったりすることもあるだろう.
やがて飽きるのは間違いないだろうけど,しばらくの間は楽しめそう.期間限定でいいからどこかの局がやってくれないかな.


 2002年07月08日(月)   新しいナンパ術 


今日は妄想の日.いかに偶然の運命的な出会いを演出するかといえば,「あれ,あのときの…」ということだ.最初に不自然さのカケラも感じさせずに声をかけるには道を訊いたりウィットに富んだ会話を構築するのではなくプレゼントだ.「そこのあなたジュース飲みなさい」「このおにぎり食べますかー!!」
食べ物は毒入りと誤解されガチ.本でいい.必然性のあるプレゼント,旅先のガイドブックだろう.「間違えて買っちゃったので使ってイタダケますか」これ問題ない.「うははははははは」
後はガイドブックをみて立ち寄りそうなところで運命的な再会を果たす.「あれ,あのときの…」
駄目駄目駄目.間違えて買っちゃったならそこに行けない.

ここで自分の右ナナメ後ろにカメラを置いてみる.客観的な視点をかくとく.酔っぱらいが書きそうな文章をあえて酔いながら書くことの困難さを引き受けてみたのだ.

またあしたですね.


 2002年07月07日(日)   最後の一杯 


ここ1ヶ月あまり,日記ではサッカーのことばかり書いていたような気がする.数えてみると11日分あった.もうそろそろワールドカップモードからも脱却しなければならないころなので,最後にお気に入りイレブンを書いておきたい.

GK: ◆ルスチュ(トルコ)/目の下の黒いペイントに効果はあるのか? カーンも好きだが,彼は僕より年下というのが気にくわん.
DF: ◆カンナバロ(イタリア)
洪明甫(韓国)
ルシオ(ブラジル)/下町の路地でステテコはいてうちわを持っているおじさんのような風貌が好き.
MF: ◆アイマール(アルゼンチン)
ウィルモッツ(ベルギー)/頼れるキャプテンという印象.
バラック(ドイツ)/カーンに注目が集まったドイツだけど,バラックが攻撃面で結果に繋がるプレーをしてきたことも大きいよね.
レコバ(ウルグアイ)/なんといってもその顔.2002/6/12の日記も参照してください.巨人の工藤に似ているという気もしてきた.

FW: ◆シセ(フランス)/どんな局面でも恐れやあせりの意識を微塵も感じていないように見える.速くて危険な選手.もっと見たかった.
ノイビル(ドイツ)/いじめられっ子っぽい外見と視野の狭そうなドリブルに魅かれる.
ノムベテ(南アフリカ)/彼の顔は反則です.

こうやって眺めてみると,ルックスが自分の琴線にひっかかった選手ばかりに思えてくる.でもプレイも大好きな選手が多いのだよ.とにかく映像でお見せできないのが残念だ.

以下おまけ.

監督: メツ(セネガル)/ジーコより彼を希望.何の根拠もないがいい人のような気がする.ハグされてみたい.
チーム: アイルランド/ハートを感じたね.先制されてもまったく動じず自分たちのスタイルを信じて戦っているかのような姿に心を打たれた.
実況: 倉敷保雄+原博美(スカパー)/倉敷さんの的確で優しい視点がもう大好き.原さんとが一番相性が良かったように思う.


 2002年07月06日(土)   大食い選手権 


~最近見かけないなと思っていたら,放映を自粛されていたことを知った.大食い番組のことだ.愛知県の中学生が同級生と給食のパンの早食い勝負をしてのどにつまらせ死亡したのが今年の4月.その事件は当時広く知られるようになり,各局が相次いで企画の中止を決定したとのこと.
僕はこの手の番組が大・大・大・大好きだったので,とても残念だ.なんだかわからないが大食いの勝負を見ていると理屈抜きに興奮する.同じことは,あいつとこいつとどっちが「足が速いか」「ケンカが強いか」「速いボールを投げるか」といった勝負を見ているときにも感じる.

■思い入れなくとも興奮する勝負
かけっこ,ケンカ,力持ち,モータースポーツ,大食い

■さほど興奮しない勝負
水泳,ボディビルディング

もちろんこのリストには個人差があることは言うまでもない.これはあくまで僕の感じたものなんだが,そう考えるとこのリストを披露するのはちょっと恥ずかしいですなあ.しかし個人差はあるにせよ,昔ながらの生存競争に直結する能力が興奮を呼び覚ますってわけでもないみたいで,何が基準となっているのかはよくわからないままだ.

しかし死んだ中学生は可哀想なことになったが,「テレビ番組の影響があったとすれば、判断力が十分に備わっていない生徒たちに対する影響を考えてほしい」とコメントした地元の教育委員長はクビにすべきだね.


 2002年07月05日(金)   ネタ帳ご開帳 


Webの日記を書き始めたとき「ねた帳」というファイルを作った.名前の通り,思いつくままに日記のアイデアの断片を書き込んでおくもの.何も書くことがみつからない日は,この断片たちの中から適当に使えそうなものを拾ってきて膨らませて日記を書いている.だが時間が経ってしまったものの中にはハテこれは当時一体どういうつもりで書き込んだのだろうと思うものも少なくない.
例えば「結局はコカコーラ社の勝ちだ」という書き込みは一体何がコカコーラ社の勝ちなのか全く見当がつかないし,「映画を見ない人がいる」とだけ書かれていても現在の僕はそれはそうですねと答えるしかないぜ.
こうした断片たちはこのままだと表に出る機会がなく,少しもったいない気分.今日はその中からいくつかご覧いただくことにする.つまり今日のネタがなかったのだ.

・似ている人検索
・踊りました(本当に踊った)
・ミルクの一斗缶ごと飲み干してヒーローになる,といったような
・言葉とはペンの太い設計図であり彫刻刀である
・500円風俗
・1年後と現在の入れ替え.違いが見出せないなら危険
・ヌルさと厳しさのバランス
・信じられないくらい日焼けした顔から信じられないくらい白い歯が
・円周率が約3だという部分などが大きく取り上げられがちだが,これは定食屋のメニューの改良で
・値下げってアタシまだ21よ

この断片たちを眺めていると何かもやもやとしてくる.僕の子供たちだからだろうか? いくつか採用したくなってきたので近々お届けするかもしれない.


 2002年07月04日(木)   スケーリング則 


45分プレイして15分休み,また45分プレイする.ご存じの通りサッカーのゲーム時間だが,この時間スケールを4倍にすると一般的な勤務形態とシンクロし始める.45分/15分/45分を4倍にすると,3時間/1時間/3時間だ.
これは朝9時に出社し3時間働き,12時から1時間休憩し,1時からまた3時間働くことを表している.それでは仕事は4時に終わってしまうではないか,と思われるだろう.そうなのである.仕事は本来4時で終わるべきなのだが,一般に5時まで働くのが最低限だろうという暗黙のルールが出来上がってしまっているのである.

僕は週に数回アルバイトをしているのだが,その会社の勤務時間も9時から5時が標準だ.バイト仲間に×君(伏字)という人がいるのだが,彼は午後の3時ごろになると動きが緩慢になり,かなり眠そうな感じになってくる.午後3時とはサッカーの時間スケールでは後半30分に相当することを考えるとそれも当然で,彼の様子は試合終盤になり足が止まり始めてきていることを表しているのだ.
仕事が4時までだったら体力の消耗も抑えられ,皆もっと充実したプレイを披露することができるだろう.全国の会社や官公庁は今すぐ標準的な勤務時間を9時から4時にせよ.もちろん延長やPK戦などはもってのほかだ.


 2002年07月03日(水)   半径無限大の話 


先日テレビの討論番組を視ていたら,「みんなボランティアしようよ」と呼びかける10代女性が映っていた.目を輝かせてボランティアの素晴らしさを訴える人にはどこかうさんくささがつきまとう.予想通り,彼女の熱意と会場の空気との温度差はとても大きいものだった.僕もボランティアには否定的で,ある女性の「金持ちの道楽ぐらいにしか思えないよ」との意見に強く頷いていた.
提案者の女性はボランティアを行ったことにより他人から認められる機会を多く得て,その成功体験が皆に参加を呼びかけている要因であるように僕には映った.少なくともそれをオープンにしていかないと,偽善者的なイメージを拭い去ることのできないまま番組は終わりを迎えてしまうだろうと思っていた.そんな中,海外青年協力隊へ参加した経験を持つ40歳前後の男性の言葉が注目を集めていた.彼の発言を僕の感じたままに要約すると,

「みんな自分と自分の周囲の問題で忙しくて他人に構う余裕はない.余裕もないしもともとそんな気もない.それはわかるよ.でもね,好むと好まざるとに関わらずあなたと社会は繋がっていて,あなたは社会の中で生かされているんだ.関係ないってことは絶対ない.もっと想像力を働かせてほしい.そのことを意識しなおす機会なんだよ,ボランティアへの参加は」

伝わったかな.僕にとっては,ちょっぴりボランティアに対する考えが変わった夜だった.でも,ボランティアに踏み出す初速を得るにはもうふた押しは足りなさそう.今の僕は彼の言うように社会に対して強い当事者意識を持つことができないし,他の多くの人もそうだろう.そこを何とかしないと,積極的に参加する人が増えることはないだろうなあ.


 2002年07月02日(火)   逆ワールドカップ 


短かったような長かったような1ヶ月,W杯が終わった.僕は現在職探し中という強みを生かし,ほとんどの試合をリアルタイムで観戦することができた.ぜいたくな話なんだが,予選リーグのころは1日3,4試合ペースで日程が組まれていたため,すべて観戦すると終わりのほうは自分が何をやっているのかよくわからなくなってくる.ある漢字,例えば「嵐」をずーっと眺めていると,これは文字なのかそれとも何か別なものかよくわからなくなってくるが,あれと同じだ.ちなみに僕の高校時代の友人Hによると「嵐」は冠とマントを身にまとった王様との話だ.
そんな観客にとっての強行日程を改善するため,次回W杯の放送日程の提案をする.まず各チームの選手やスタッフをすべて隔離し,極秘のうちに全日程を消化するところから始まる.もちろん試合の模様はすべて放送局側が録画しておく.優勝チームも決まり全ての試合が終わったあと,1日1試合ペースで決勝戦から放送を始めるのだ.今回ならまずドイツ×ブラジル戦が放送されるというわけ.多くの人は「あれ,フランスもアルゼンチンも決勝に残ってないんだな」と思うだろう.「どこまで勝ち上がってどこで負けたんだろう」とも.次に3位決定戦が放送される.「韓国がいる!!」狂喜する韓国国民.つづいて準決勝と準々決勝の放送.「フランスはいったいどうなった?」「日本はまだか!」などの声があがる.結末を見るのは怖いがでも見たい,というような感覚もあり,これはこれでおもしろそう.問題はスタジアムで観戦した観客の口をどう封じるかだけだ.


 2002年07月01日(月)   リ・リニューアル 


僕は昨日まで「魔法のiらんど」というサイト内の無料ホームページスペースで日記を書いていたが,ここには1日あたり500文字までという字数制限があり,それが窮屈に感じられるようになってきた.そんなわけで今日からこちらに引っ越すことにした.過去の日記とアクセスカウンタの値も含めてね.過去日記の中にはこの世から永久に消してしまいたい文章もあるんだが,あえて残しておくことにする.もちろんそれがどれかって言うのは内緒.今まで読んで下さっていた方,今日初めて目にする方,これから(も)よろしくお願いします.

●携帯で閲覧されていた方: 以前のホームページ http://ip.tosp.co.jp/i.asp?I=loveshack からのアクセスが便利です.画面メモ機能をお使いだった方は,お手数ですが画面メモの記録し直しをお願いいたします.

●PCで閲覧されていた方: お手数ですがこのサイトのトップページ http://www.enpitu.ne.jp/usr9/98862 にブックマークの張り替えをお願いいたします.

●掲示板は以前から使用していたものをそのまま引き継いでおり,携帯からでもPCからでも同じものを読み書きすることができます.


目次(TOP)<過去未来>

■過去日記サンプル
東京タワー/ 写真嫌い/ 史上最高の尿意/ 中身と外見/ ほっぺにチュー/ 河原の魅力/ パチもん教授/ 16通りの告白/ アナウンサー賞賛/ 次回W杯必勝戦術/ チャンネル1995/ 緊張のアノミー/ 学歴社会という現実/ フジロック'02レポート/ 新しいかもしれない口説き文句/ 現役モラトリアム生/ ばったりしあう関係/ 黒髪という選択/ ゲイ雑誌購入/ ごきげんドライバー/ 結婚式に思う/ 味覚の手触り/ 変拍子の人/ 自己プロデュース
管理人: vanilla