翠の日記

2011年03月31日(木) 3月読了の本

 3月もわりと少なめです。朝も帰りも電車の中で寝てしまいます。
 予約可能件数がいっぱいになってしまったので、予約待ち状態が続いたせいもあるかも。

『インシテミル』米澤穂信
 時給11万2000円のバイトに集まった人間が、より多くの報酬を得るために殺人を犯していく話。読んだ時には映画が公開してたので、若手はそのキャストで変換して読めました。結城視点のせいか、須和名の行動が気になって仕方なく、ラストでああ〜となります。
 数字が苦手な私には、報酬設定が複雑で覚えきれなかった。

『屍鬼』小野不由美
 アニメを観たらまた読みたくなりました。アニメ(漫画)とは展開が違うんですよね。本の方が救いがない。本当にまったくない。村人のその後の人生に触れてるあたりもちょっと辛い。
 徹と夏野の葛藤が、何度読んでも一番ドキドキします。後半で屍鬼化した律子の割り切り方も好き。
 
『マリアビートル』伊坂幸太郎
 檸檬と蜜柑のやりとりが可愛くて、トーマスを観たくなってしまいました。王子が怖いです。最初から最後にどうなったのかまで、全部怖い…。
 老夫婦が、とても良い味で、この家族はこれからも大丈夫だと思えます。
 七尾は鈴木先生に癒してもらうと良いよ。
 暗殺屋の言った「あんたのお気に入りは死ぬ」というセリフが、いつまでも印象に残ってます。

『プラチナデータ』東野圭吾
 DNA検索システムの構築をテーマにした話。初めはちょっと退屈でしたが(システムの説明とか;)、二重人格、数学の天才、謎の美少女と、登場人物設定の幅が広がるにつれ面白くなって行きました。

『白銀ジャック』東野圭吾
 スキー場に爆弾が仕掛けられる脅迫話。斜面での犯人との攻防が面白かったです。オチもとてもすっきりしていて、映画とかに向いてそう。ボード組が好きです。



2011年03月26日(土) 『SP〜革命編』

 SP(四係)のカッコいいところを、色々たくさんお腹いっぱい見せてもらいました!という映画でした。

 『革命前夜』を観ずに映画を観たので、ちょっと消化不良気味のところもありました。公安田中が突然病院にいたり…とか。
 でも、野望編の予告があったので、前夜なしでもなんとか話はわかります。

 この映画における「革命」とはなんぞや??という疑問は残ったままなんですけどね。たぶんそれは尾形さんがカメラに向かって言ったように、自分で考えろってことなんでしょうね。
 うーん…革命か、革命…やっぱり?なんだけど。

 もう、アクションが素晴らしくてね!
 CGやワイヤーアクションって不可能を可能にする技術ではあるけれど、私はSPみたいな方が好きですね。あとジャッキーチェンのカンフー映画とか。
 人にできる限界のアクションをやられると、見ているこっちも力が入って、ドキドキするんですよね。

 クライマックスの尾形と井上の屋上シーンは、撃てるのか撃てないのか、本当に画面に食い入って観てました。後から思い返すと、心の声漏れてなかったよねと後で不安になるくらいじたばたしながら観てました。たぶん一緒に行った友人は、私以上だったと思われます(笑)

 なんだか続編作れそうな終わり方だったので、期待と不安がまだまだ続いてます。作って欲しいような、欲しくないような、微妙な乙女心です。


 〜〜以降、ネタバレ多々含みます〜〜


 それとは別に、力を抜いたトラップのシーンも大好きなんです。TVシリーズで最高に面白かったのはたぶん病院の回だと思うので!
 今回も身近な材料で「やっつけちゃいましょう」って言う薫ちゃんが可愛くてカッコ良くてとても素敵でした。血まみれの手とカッターの刃がアップになったときは、さすがに心臓冷えましたけど; 身近な凶器なだけに怖い…

 伊達と尾形の関係は兄弟なんだろうけど、どっちが兄?口調からいったら伊達かな?

 TVの前で事態を鑑賞中のエリート官僚の坊ちゃんたちのセリフで「尾形さんは何で実行犯にいるんですか?」ごもっともな疑問です。
 結局のところ、尾形さんの目的は、20年前の真相の追究で、そのほかのことは全部「ついで」だったってことなんでしょうね。「雄翔会」も「SP」も全部目的のための手段であって、だから実行犯になって直に目的さえ遂げられれば良かった…と。
 うーん、でもそう考えると「大義のためなら俺は死ねる」が浮いちゃうかな?いや、この時点ではまだ死ぬ気ないはず!

 ところで、この日国会に配置された四係以外のSPが全員尾形側ってことは、ワケありSPばかりを集めたってことなのかしら。ワケあり多すぎだろ!
 まぁ、今後の警護環境の向上のためという理由で賛同した人もいるんだろうけど。ワケなんかなくても、「議員の警護のやってらんない感」は誰もが持っていると思うし。

 強面のテロリストが、爆弾踏ませながら、衛視に向かって「これをきっかけに衛視に武器の許可が下りるだろう。それまで生きていられたら〜」って言うシーン、言い方が妙にやさしくて良い意味で印象に残ってます。
 この人を中心に妄想スイッチが入って、個人株主は官房長官に株を譲渡した後に悲惨な人生をたどって、その血縁者だから参加したとかなら良いのに〜。(残念ながら個人株主は長官の義妹だった;)



2011年03月05日(土) 『TRAVELING』

 赤坂の劇場なので、てっきり赤坂駅近辺の一連の施設を思い浮かべていたら、まったく違う場所で、事前にちゃんと調べて良かったと心からほっとしました。
 でも、ネットで確認した時には、駅から近くでホテルの中だからと油断してたら、迷ってしまって…初めての場所はやっぱり地図が必要です。

 内容は、若年性認知症を患う妻の笑顔を取り戻すため、幸せな時に訪れたリゾートホテルを再び訪れた夫とその弟が、どういうわけか未来と過去を行き来できるようになって、過去を変えて、未来を変えることができるのか!という感じです。

 舞台のセットはホテルの1室とエレベーターまでの通路、ダストシュートの入り口のみ。
 兄弟の部屋は4階、と5階でエレベーターの表示で2部屋を転換して、さらに、過去(認知症発症時と幸せMAX時)の6部屋分をやりくりしてて、今はいつ!?というタイムラグが面白かった。
 タイムスリップの設定が、「窓から飛び降りると、過去のクロゼットに出て、戻るときにはダストシュートに飛び込む」というもので、
 部屋にはドアの他に、窓、クロゼット、トイレ、バスルームの扉があるんですが、その扉を巡って、ホテルの従業員や弟の友人、はてはちょっと過去の自分たちやらが入り乱れて楽しかったです。
 本当にどの扉もフル活用! 時間は短かったんですが、とても見応えのある楽しい舞台でした。

 話の終盤、「え!本当はそうだったの?」っていうどんでん返しと、ラストの妻の一言がとても良くて、後味もすっきりしてて再演するならぜひ観に行きたい。

 ところで、この舞台を観終わって真っ先に思い出したのが、『ボーイング・ボーイング』の舞台。扉の演出とコメディ加減がとても似ていて、もう観られないと思うと残念で仕方ない。
 思い出の美化も相まって、私の中のコメディでは一番の作品なのに〜。


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