Diary of Private Babaouo
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2003年03月24日(月) 世界一のタップ「ノイズ&ファンク」

映画「タップ」の主役としても知られるアメリカの有名なタップ・ダンサー、グレゴリー・ハインズが「自分の時代は終わった」と語るきっかけとなった天才タップ・ダンサー、セイヴィオン・グローバーのトニー賞受賞ミュージカル「ノイズ&ファンク」を観てきました。

黒人がアフリカから携えてきた「ビート」の肉体的表現として「タップ」を捉え、タップを踏みながら、奴隷船で運ばれてきた時代から、現代までのアフリカン・アメリカンの歴史をたどっていく、というステージです。

目をこらしてみても一つのアクションにつき三つずつ音が聞こえるセイヴィオンの天才ぶりも堪能しましたが、シンプルさを極めたステージそのものもとても印象的でした。

男女二人の「声」、四人のタップ・ダンサーのアンサンブル、そして二人のドラマーが叩くのは鍋とポリバケツ。ほとんどがこの出演者だけで構成されています。ステージは黒幕バックで、日常にある最低限のものしか出てきません。たぶんもっともお金をかけた装置は「スライド」です。その安上がりなセッティングで、肉体を駆使して最大限のインパクトを与える。アマチュアが機材や資金の不足を嘆くのは言い訳に過ぎないと思い知らされるとても刺激的なステージでした。

黒人の歴史を描く、というとどうしても暗い描写を想像しがちですが、このステージは全く逆。制限された環境の中で、自分たちがどんな風に喜びや情熱を表現してきたのか、を表現しています。その全てが情熱的でエネルギッシュ。そのパワーには圧倒されっぱなしでした。

自分のアイデンティティにクールに向き合い、卑屈になることなく自分たちの表現としてそのスタイルを昇華させていく姿に感動しながら、あらためて感じたのが、日本人である私たちの音楽的なアイデンティティのこと。

もちろん、サウンドを意識して日本的なものにしよう、などと考える必要はないと思いますが、ここに生まれ、暮らしてきたことを否定することなく、西洋音楽を下敷きにしている自分たちの音楽に、自分たちの文化を素直にポジティヴに織り込んで行けたらと思います。

(Josh)


2003年03月23日(日) 映画「戦場のピアニスト」の恐怖

ロマン・ポランスキー監督の最高傑作、という評がありました。有名監督の新しい映画が封切られると大抵こう宣伝されるものですが、今回は、そうかもしれないな、と私も思いました。

ポーランドに住むユダヤ人が第二次大戦中に体験した苦境を、1人のユダヤ人ピアニストを追うことで描き出していく作品です。 主人公は決してヒーローではなく、家族が殺されるのをわかっていながら自分だけが逃げる道を選び、ぎりぎりの状況の中で情けない姿をさらしながらも必死で生き延びていきます。善悪も単純には分けられず、仲間のはずの地下組織の同国人に見捨てられて死線をさまよい、最後には敵であるドイツの将校が彼を救います。映画の最後に、ピアニストが88歳まで生きて2000年に亡くなったこと、彼を救ったドイツの将校がソ連の収容所で終戦の10年後に亡くなったことがテロップで紹介され、観客は今観てきた物語が「事実」であったことを認識させられます。 それは同時に、淡々と積み重ねられる残酷な場面を通して丹念に描き込まれた、戦時中の人間達の「狂気」もまた「事実」なのだとつきつけられることでもありました。

ポランスキー監督は、昔から「死」や「恐怖」の生々しい描写に特徴のある人ですが、今回の映画ほど、その描写に必然性を感じられたのは初めてでした。その意味でも彼のマスターピースと言えるのではないかと思います。

どんなに論理を組み立てていたとしても、「戦争」はそれを狂気に歪めてしまうという「事実」。
映画が描き出していた本当の「恐怖」が、いま目前で現実に進行しているのは本当に恐ろしいことです。

(Josh)


2003年03月21日(金) Ringo Rama!

出ました。
リンゴの新譜。「Ringo Rama」

やっぱり良かった。
彼のあたたかさは本物なので、それがとても心地よく伝わります。
ジョージに捧げる曲を書いて、その曲のギターをエリック・クラプトンに弾かせることができるのはたぶんこの世でリンゴだけでしょう。

肩の力が抜けてからの最近3枚のリンゴはとても良いですね。
今回も「with a little help」を存分に受けながら、リラックスして作っている様子がうかがえます。
ちなみに今回のリトル・ヘルプは、エリック・クラプトンに加えて、ピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモア、ティモシー・B・シュミット、ウィリー・ネルソン、ショーン・コルヴィン、ヴァン・ダイク・パークス等。
相変わらず超越した組み合わせです。

今日聴いた輸入盤はメイキングのDVD付き。
最近このパターン増えてきましたね。
おもしろいからいいけど。

結局国内盤も買ってしまうんだろうなあ……。

(Josh)


2003年03月20日(木) 映画「ボウリング・フォー・コロンバイン」のメッセージ

1999年にアメリカ・コロラド州のコロンバイン高校で起きた、二人の在校生による銃乱射事件。12人の生徒と1人の教師を殺害した後、彼らは自害しました。映画は、この事件を追うドキュメンタリー。銃社会アメリカの病理をユーモアたっぷりにえぐり出すエネルギーに満ちた作品で、今口コミでどんどん話題になっているようです。先月のうちに観たのでまだそれほど混んではいませんでしたが、今はたいへんみたいですね。朝行っても最終回の予約ができるかどうか、という混み方だとか。

この事件が起きてから、彼らがよく遊んでいたという「ビデオ・ゲーム」の残酷性が取りざたされたり、彼らがよく聴いていたマリリン・マンソンのライヴがコロラド州で反対運動のために中止になったり、全米には大きな波紋を呼びました。しかし……監督のマイケル・ムーアは指摘します。ビデオ・ゲームが最も流行っている国はアメリカではない。(もちろん私たちの国です)デス・メタルの伝統はドイツから。彼らが朝の六時から銃を乱射するまでずっと熱中していたのは、そのどちらでもなく、ボウリングでした。「マリリン・マンソンを排斥するなら、なぜボウリングを禁止しないんだ?」これがタイトルの由来です。皆が口にする「アメリカの病理」の正体とは?

彼の実証主義がとても痛快な映画です。「アメリカは銃社会だからさ」という一般論に対して、彼はアメリカよりもカナダの方が銃の所持率が高いという事実をつきとめ、彼はデトロイトから川を渡ってカナダに入ります。アメリカよりもたくさん銃を持っているカナダで、一年に銃犯罪で命を落とす人は100人台。一方アメリカでは100倍以上の1万3000人。この違いを読み解くヒントはないのだろうか。町の警察に行ったムーアは、この3年間に管内で銃犯罪での殺人は一件しか起きていないという事実を知ります。しかも、その1件は川向こうのデトロイトから来たアメリカ人が起こした事件だった、ということも。そして、カナダの人たちと話をしていくうちに、彼らが家にカギをかける習慣がない、というさらに驚くべき事実にたどりつきます。銃の所持率がアメリカよりも高い町に住む人々が家にカギをかけず、しかもアメリカの100分の1しか銃で死なないとは……。

さっそくアポなし突撃で知らない人の家の扉を次々と開け(笑)、住人と話しまくるムーア。「カギをかけ、閉じこもることによる孤立の方がよほど恐い。」そんな言葉からムーアは、アメリカ社会が人々の心に潜む「不安」をあおることで経済を活性化させてきたことを浮き彫りにします。「自ら武装しなくて未知の脅威から家族を守れますか?」「カギは三つつけなくて本当に安心できますか?」アメリカの病理がだんだん見えてきます。
「叩かれる前に叩かなくては……」どこかで聞いたような考え方。かの国を代表する人が今持ち出しているロジックの一端にもつながる精神構造……。

ムーアは、コロンバイン高校で重傷を負って生き延びた生徒達と会い、彼らの望みを叶えるため、彼らを撃った弾丸を販売したコンビニの本社に一緒に乗り込み、「弾丸をコンビニで売らない」約束をさせます。そして、最後に全米ライフル協会会長の俳優・チャールトン・ヘストンに単身で挑んでいきます。

頭から最後まで、人間自身の滑稽さに笑わせられながら考えさせられる映画でした。クレジットで拍手が思わず起こる映画というのも久々だったという気がします。拡大公開も始まったようですし、機会があったらごらんになることをお薦めします。「アホでマヌケなアメリカ白人」(Stupid White Man)という著書も売れていますが、 訳が非常に良くないので、映画を観てから読んだ方がよいかも。

この映画がもっともっと話題になればいいのに、と思いながら
最近、つい考えてしまうのは、やっぱりジョン・レノンはアメリカの国家運営には邪魔な人だったのだろうな、ということ。もし、ジョン・レノンが今生きていたら口をつぐんではいなかったでしょう。そして、彼の発する言葉や音楽の影響力は、23年前に亡くなった彼のメッセージが今なお世界中で引き合いに出されることからも明らかですね。

War Is Over
If You Want It
War Is Over
Now...

(Josh)


2003年03月04日(火) 20GBのiPodとリンゴ

容量20ギガバイトのiPodをついに入手しました。
標準の音質にしておよそ5500曲くらい入りそう。

まず最初にやったのは、
もっているビートルズ関連の音源を全部入れること。
1958年の「ザットル・ビー・ザ・デイ」から
ジョージ・ハリスンの遺作「ブレインウォッシュト」まで。
トータルで1791曲になりました。

レコードではLPの片面1曲ずつだった
ジョン・レノンの「トゥー・ヴァージンズ」や
ジョージ・ハリスンの「電子音楽の世界」といった強者たちも
カットはせず、30秒ずつ入れました。
実験音楽でしかも1曲20分前後というのは、歩きながら聴くにはあまりにも長すぎますが、
30秒ずつなら、どんなにへんてこな音源でも曲と曲の楽しいつなぎになると思ったのです。

現在は、さらに "Songs of Rock Era" の曲や
スティング、エルトン・ジョン、スティービー・ワンダー、クイーンなどの曲も入れつつ合計4701曲まで来ています。
4701曲入りのジュークボックスを持ち歩いているわけで、
何ともすごい世の中になったものです。

そして、この曲集を聴いていて再発見したのがリンゴ・スターのソロ。
彼のソロは大傑作も何枚かありますが、リンゴのファンである私でもあまり何度も聴けなかった作品も結構あります。

ところが、ビートルズ全員のソロ曲を全部入れて、シャッフルしながら聴いていると、ソロ時代のリンゴの曲が出てくるたびに、なんだかほっとしてしまうのです。

それはまさにビートルズ時代にリンゴのボーカル担当曲が果たしていた効果そのままです。一般のファンには無視されているのに近い "Ringo The 4th" "Old Wave" などの収録曲ですら同じような効果があったのは嬉しい驚きでした。

いいぞリンゴ!

リンゴ・スターの最新オリジナル・アルバムは3月下旬発売です。
前評判もいいし、いつにも増して楽しみになってきています。

(JOSH)

今日のiPod(最新ランダムプレイ曲)

「11月3日(雨ニモマケズ)」 フォーク・クルセダーズ
「Love Me Do (Live at BBC)」 ザ・ビートルズ
「Happiness is a Warm Gun (Anthology 3)」ザ・ビートルズ
「Hold On」 ジョン・レノン
「Mama's Little Girl」 ポール・マッカートニー
「アイデンティティ」 椎名林檎
「Spirits in The Material World」 The Police
「P.S. I love you」 ザ・ビートルズ
「Funeral for a Friend (Live)」 エルトン・ジョン
「It Ain't No Use」 スティービー・ワンダー


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