僕らの日常
 mirin



  虚像空間5@宇宙

飛び立つのが こわい

だって また おかあさんを泣かしてしまうから


昔一度だけ見た空の色
丸いボールに青と白
あれが"太陽"や"青空"と"雲"だということは
後で、図鑑を見て知った。

綺麗だった...
と、思う。
記憶は定かではないけれど
僕が見た世界が反転する前に見たんだと思ってる。


ウタが言う "飛びたい" と
琥珀が言う "飛びたい" 気持ち

わからないわけじゃない
だけど、苦しかったのは本当だから
痛かったのも本当のこと

苦しいも痛いも
あんな気持ちも…2人には知らないでほしいんだ。

太陽が"毒"なんて

憧れの青い空が白い雲が僕らを苦しめるなんて
そんなのなければいいのに


額に一つ消えきれなかった
…火傷の跡


飛び立つのが こわい

だって また おかあさんを泣かしてしまうから


たぶん、これは言い訳で…
僕はほんの少しだけまだ陽の光の下が恐いんだ。
恋焦がれて憧れる程、痛み負けして恐れてしまう。

あの光の下の一瞬の幸せの記憶を...

2005年08月03日(水)



  白い筈の赤い華 2@鳥羽

枝が花をつけ
実を結ぶために散っていく


母が、ぼくと姉の前から姿を消したのは
まだ初等部入学後の間もない頃だった。



「どこへ行くの?」

母に手を引かれて、ぼくと姉さんは歩いている。
まだ、梅雨の蒸し暑さが残る、7月...
電信柱の横で、紫陽花が枯れかけながら咲いていた。

それを横目に見ながら、立ち止まったぼくを
母が強く手を引いてまた歩き出した。

あまりに急いで歩くから、足が縺れて転んだぼくは
小さな溜め息が母から零れるのを見て目を逸らした。


夢だ...

最近、小さいときの夢ばかり見る。

目覚めたときは、学校のHRで眠っていたぼくを
隣の席の暁生に『おそよう』と言って少し笑われた。


夢と違う現実が平和であるように今は祈ろう

2005年08月02日(火)
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