川崎連絡会議日報

2008年03月21日(金) 根津さん解雇を許さない取り組み、正念場


18日八王子東Moningアクション、
19日河原井さんの卒業式と南大沢Morningアクションなど、
連続闘争が続いている中
ついに、わっはっは、という事態が起こりました。

都教委が根津さんらの追求行動にいたたまれなくなり、
なんと21時半を期して、都庁第2庁舎27〜30階の教育委員会すべてのフロアーを
放棄して教育委員会の全職員が逃げ出した!

連日夕方からの都教委への申し入れ行動、
19日、根津さんの前に葛飾教組書記長・米山さんが
「私はずっと不起立をしている。しかし処分されていない。
根津さん・河原井さんの処分は許せない」
と申し入れ行動をおこなった。

一貫して不起立を続けてきた米山さんには処分が一切なく、
他方根津さんは「君が代解雇」、おかしいじゃないか。
今日は教育長の返答を聞くまで帰らないっ!。

3時間半におよぶ根津さんの追及はひとときも休む間もなし。
途中、27階と30階の廊下だけが消灯、
暗闇と阻止線の外に20人がおかれる。

10メートル先のトイレに行こうとする根津さんや84歳のMさんを暴力的に妨害。
ふざけるのもいい加減にしろ!
警備担当者がたまらず「前回、根津さんがトイレにたてこもったから」と言い訳。
デマを言うな。誰がそんなウソをついたのか?

「あなたですか?」一人ひとり問いただす根津さんに
動員された若い都教委労働者、警備労働者が次々に
「私は知りません」「言っていません」と回答。
やっていることがあまりにでたらめなため、打つ手がすべて裏目に出る都教委。
「退去警告」が10回にもおよぼうとしても誰もうごかない。

実はこの日1時30分から衆院文部科学委員会で社民党保坂議員の質問を傍聴してきました。
30分の質問時間の25分を使って根津さんの処分問題を追及です。
未履修問題で学校教育法施行規則違反の虚偽記載を
10年にもおよんで破り続けてきた人たちの処分が最大で減給処分、
「君が代」不起立だけの根津さんが免職、あまりにアンバランスではないか?
詳しくは、http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.cfm

力づくで排除するならすればいい、警察を呼ぶのなら呼べばいい。
首が飛ぶのは中村教育長・石原都知事の方だ。

実際そうだったのでしょう。
まさに窮した都教委、職場放棄に至ったというわけです。
都教委が逃亡して残された警備労働者は、やってらんないよ、と
阻止線を解いて「ほら、もう誰もいませんよ」
教育委員会以外のフロアーを点検すると、もちろんまだまだ残業です。

読売新聞から掲載依頼をされるかのようにして
3月18日読売新聞夕刊(関東圏)に再度意見広告が掲載されました。
これで朝日とあわせて約1000万部の「ビラ」がまかれた。
さあ、こうなったら攻勢につぐ攻勢だ。
「君が代解雇」をほんとに阻止しよう。
3月24日の卒業式から28日の都教委定例会までが決戦です。



2008年03月03日(月) イージス艦「あたご」の犯罪が明らかにしたもの

川崎連絡会議望月代表先に届いた、メールの一部から。

井上澄夫さん(市民の意見30の会・東京)の文章を一部紹介します。

イージス艦と漁船の衝突事故は、いまの日本、自衛隊の本質を示していることを暴いています。

事務局・上田

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イージス艦「あたご」が漁船「清徳丸」を粉砕し、乗っていた漁民の親子を行方不明にした事件は、軍隊というものの本質を白日の下にさらした。「あたご」は漁船群が接近していることに気づきながら、自動操舵で航行し「清徳丸」に衝突した。「あたご」の艦長は仮眠中で、配置された見張りは役割を果たさず、同船は「海上衝突予防法」上の回避義務を怠った。「清徳丸」はまるでナタで切り裂かれるように切断され、親子二人はまだ発見されていない。

「あたご」は昨年10月、ハワイ沖で艦対空ミサイル・SM2の性能確認試験を行ない、海上自衛隊・横須賀基地に向けて帰投(きとう)中だった。実験は「成功した」と大々的に広報されたが、その「成功」に酔い、戦勝気分で浦賀水道を目指していたにちがいない。「あたご」の巨大な艦影に気づいて小さな漁船の群れは当然道を開ける、「そこのけ、そこのけ、イージス艦が通る」という思い上がった気分が海の交通規則の無視を招いたのだ。まるで前進を妨害するものは切り捨て御免という参勤交代の大名行列のセンスであるが、大名行列も軍隊の行進だった。

 「あたご」の舩渡(ふなと)健艦長は2月27日、事故後(犯行後と言うべきだろう)初めて公の場に姿を見せ、記者会見で「混雑する海域の付近とは認識していたが、あの海域で漁船が多い状況だったことを理解していないのは問題があった」と語ったが、その言葉は漁民の命など何とも思っていなかったことを自ら実証している。漁船がよけてくれるとの認識があったかという問いに対しては「ありません」と語気を強めたそうだが、そのような反応は図星だったから生まれたに違いない。

 犯行後、防衛省が責任を回避するために内部で口裏合わせをしたことは疑いの余地がない。それだけは対応が早かったのだ。海上保安庁の立ち入り捜査前に、当直士官だった「あたご」の航海長を「けが人移送への同伴」を口実にヘリで防衛省に呼びつけ石破防衛相や増田事務次官ら幹部が事情聴取をしたのだが、その事情聴取について海上保安庁の事前了解を得ていたという防衛省の説明は真っ赤なウソだった。「あたご」がいつ「清徳丸」に気づいたかについても、「2分前」→「12分前」→「2分前より以前」と説明がコロコロ変わり、変わった理由も説明されない。これも航路の見張りがいい加減だったことを隠蔽するため、艦内および艦と防衛省との間であわてて口裏合わせをしたためだろう。

 石破防衛相は2月28日夜、犯罪の現場海域を護衛艦で視察し、当直体制は「ミスがあっても補える洗練されたシステムと感じた。ふつうなら事故はあり得ない」と感想をのべたが、それならなぜ「清徳丸」は破砕されて沈没したのか。海で働いていた私の友人は、こう喝破した。

 「今回のことは何もむずかしいことはない。脇見運転して交通事故を起こしたというだけのことだ。テレビで国会審議を見たが、真相究明と言っても話はわかっているじゃないか。150トンくらいの船でもワッチ(見張り)は3人はいて、他の船が少ない海域でも緊張を緩めない。大勢いた『あたご』のワッチがぶったるんでいたのだよ」。

 本稿執筆中にも護衛艦隊幕僚長がヘリで「あたご」に乗艦し乗組員から事情聴取した件について、海上保安庁に事前の了解を得ていなかったことが発覚した。しかもその動きは石破防衛相にも伝えられていなかった。制服組(職業軍人)の海上幕僚監部が独走したのである。かくも現場では事件の真相を隠すための工作が超スピードで行なわれた。真相隠蔽の共謀の事実は今後もっと出てくるのではないだろうか。

 官庁が責任を回避するためにウソをつくことは、かつての厚生省、そのあとを継いだ厚生労働省、社会保険庁などの醜態を想起するだけで十分だろう。だが防衛省・自衛隊は軍隊であるがゆえに、それらの官庁一般とは異なる性格を持っている。この点は非常に重要であるから説明が必要だろう。 

 自衛隊の戦術に「欺騙(ぎへん)」というものがある。大きな辞典にしか出ていない私たちの日常生活では耳慣れない言葉だが、文字通り、「あざむきだます」ことである。自衛隊はいつも「敵をあざむきだます」訓練をしている。敵を殲滅(せんめつ)するためには、まず敵を欺き騙さねばならない。その軍隊としての習性が今回も露呈したのだ。自衛隊にとって都合の悪いこと、不利になることはとにかくひたすら隠す。組織的に証拠を隠滅し口裏を合わせる。

 海上保安庁の捜査に対しても、今後の海難審判においても、防衛省・自衛隊はひたすら「欺騙」に務めると思っていた方がいい。防衛省は軍事組織の本質的性格からして最も質(たち)の悪いウソつき官庁であり、もとより説明責任を果たす気はない。こういう官庁が世界有数の武力を握っているのだ。これを危険と言わずして、何を危険と言うのか。


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