つぶやきダイアリー
だってこの一日はやっぱり一度しかないのですから。。
明日があるさとは言っても書けるときに書こう!
それでは、私の日常大暴露大会。

2004年01月31日(土) 十三夜の月

十三夜の月の
まわりに
虹がかかる
頭のてっぺんで
きらり きらり
虹のわっかが
まわってる
虹色の音楽が
十三夜の月から
おりてくる

うすくかかった雲の
上に虹
そのまわりに点々と星
見上げては
また音色を奏で
月のうた
月にうたう
誰かに気づいて
ふりかえると
いつもそこに
月が居た
屋根のむこうから
木々の間から
ふりかえっては
何も語らず
ただ見てた

だから今日は
歌をうたおう
十三夜の月に



2004年01月30日(金) はじめて

知りたい
ただ知りたい
一番になりたいのでも
ほめられたいのでもない
ただ知らないことを
知りたい
自分が 知らないということを
知り
ただ知りたい
この世におこることを
命のままに
知りたい
その目にうつる日が
はじめて見る光のように
はじめての出来事
はじめての人
はじめての心
そんなふうに
日々のことを
とらえたい



2004年01月28日(水) うその魂

うその魂を
とかしてゆくこと
そして本当の魂を
ほりおこしてゆくこと
それだけが 今
私がほしいことです

生きている中で
一日一日 正直に生きるのは
ただそのつみかさねです
そして あたらしい 世界が
つくられます

うその氷をとかしてゆくこと
陽のもとにあてること
それによって長い間おおわれていた
氷がとかされてゆきます



2004年01月26日(月) トナカイのセーター

トナカイのもようの
セーターをください
白くてそして
青と赤の模様がついた
雪国の
精霊たちの模様
木々の模様
雪のような白
だってとても
幻想的で そして
ちからづよいから
エスキモーのように
それを着て
都会の街を歩きたい
遠い遠い雪の国からの
メッセージをもって・・・



2004年01月23日(金) 星の記憶

心の中を掘り進んでいったら
光が見えてきた
それは本当の光
命の光
その光で
ひとりひとりとつながってる光
生きているという光
あるいは魂が天にのぼっても
変わらぬ光
それは―
人がいつもは気づいていなくても
心の奥底にともってる光
思い出す―太古の記憶
星と一緒に
この星に生まれた
光のかたまりだった時の
記憶。
思い出す―



2004年01月22日(木) 私のきれはし

とめどなく とめどなく
あふれてくる 心のきれはし
ここから出たいと 出たいと
必死でもがいて
出口をさがしてる
心のかたまり
だってそれは はるかはるか
私がこの世に生をうけ
そしていとなみ
日々がかくしてしまった
そのころから続いているから・・・
毎日毎日 幾千もの想いが
生まれては うたかたと消え
そして消えない思いは
きれはしとなって しまいこまれる
このきれはしを
外に出してしまえたら
どんな感じだろう

私はひとり宙を見つめ
答えをまっている
遠い遠い空のむこうから
答えがくるのをまっている
カーンという風に運ばれて
ふと言葉が舞い降りるのを
まっている

あるいは暗い凍てつく部屋の中で
ひとり物思いにふけり
心のうちがわの声が
うかびあがってくるのを
まっている
心の中 さがしているものを
探し当てるため
私のきれはし



2004年01月21日(水) 雪の精

林の中で
陽がおちるころ
雪のとうろうに
灯りがともる
ぼうっと明るいいくつもの雪の暖炉
三日月の細い電灯が照らして
星の音 ちかちか ふってくる・・・
しーんとしずまりかえった
森の木々たちが
語りかけてくる
もみの木の一本一本の泉
ちかちか 星の間を
白い細い雲が通りぬけてゆく

にぎやかな星のあかりたちの
夜のうたげ
とびはねて
おどりだす
しゃん、しゃん、しゃん
鈴の音と
いっしょに
おどりだす

大きな雲のおおさまが
みんなに声をかけたら
むこうにも、ここにも
雪の精。
光があんまりきれなので
おどりだす



2004年01月20日(火) 風のこえ

風で
お墓のわきの
卒塔婆が
カタカタ鳴った
語りかけてくるこえ

「私たちはもう死んだ
肉体が土にかえった
あなたは今肉体をもって
生きている
それはとても
すばらしいことなのだ」

私は走りながら答えた

「私は今生きているの
あなた方が昔
生きていたように
いつかはお墓に入るわ
だから
私せいいっぱい生きる
あなたたちの分も
生きていることで
この世の中で
体を持ってることで
見て 聴いて 感じて
喜んで 悲しんで
いっぱい 経験する
ありがとう。」

そしてゆるやかな坂をのぼって
門をくぐり
境内に入った。



2004年01月16日(金) 心の中に猫を飼おう

自由な
気のむくままの
考えなくても
どこに行こうにも
自由な
邪心も
偽善も持たない
猫を飼おう

ひとり抜けだし
木々の上
のきの下
しのびあし

いやなやつがいたら
ひっかいてやる
誰にも
遠慮せずに
素敵な人がいたら
のどを鳴らして
あまえる
しなやかな
猫を飼おう

どこにでも行けて
するどいツメをといで
草とあそんで
鳥を狙う
夏がきて
服を着替える
私のなかの猫



2004年01月15日(木) 土の道

緑の中をただ黙って歩く
三人の 早い早い 春

ただ何もない時間
笛を吹いて
歌をうたう
お互いのこと 話して
夢を語って・・・

でも水面に
口をあけたコイの
その無邪気なまでの
貪欲さが
うらやましく思えた

私は求めてる
心の奥底で求めてる―
それなのに水面の
波だたない
時間を作ってるだけ?

こわいから?
それとも―

何もない時間
さわさわと風に髪をなびかせて
ただ水面を見てる
それだけで幸せでいる
そんな人が
うらやましかったのかもしれない―



2004年01月14日(水) 猫の欲しいもの

今日もまたやってきた
近所の白い猫
ドアの前で待っていて
私と一緒にお部屋に入る

ミルクも飲まないし
ご飯も食べない
だけど のどを鳴らして
すりよってくる・・・
おひざに乗りたいの?

わかってる
あなたはミルクが欲しいのでも
ご飯が欲しいのでもない
愛情がほしい猫
変わってるのね

「おうちが二つあるから
ご飯のことは気にしないでね」
って 聴いたのよ 確かに
でも どうやって?

もう帰るのよ
出口を指差しても
まだひざに乗ってる
愛情の欲しい猫
急いでるのに
押し入れに入って
出てこなくなる

また今日も来る



2004年01月13日(火)

自分が二人居るって
どんな感じだろう?
同じものをみて
同じことを感じたら
どんなキモチだろう?

鏡の中にいるような
近くて 近くて
それでも遠い存在?

自分の心の奥底
井戸を掘りつづけていたら
やっと出会えた水のように
涌き出ては
大地の命あたえる
灰色のビル
大きく大きくのびても
かなわない

手をのばせば
すぐ届きそうなのに
鏡の中の私は
さみしい目をしてる
別の宇宙からきた
そしてここで出会った人
もう一人の自分―



2004年01月12日(月) 野生

獰猛な血の中に
獲物を獲るための眼を光らせて
今日も路地を歩く
―ステラレタネコ―?
長い髪と白い肌の下で
うごめく火のように
冴えわたる月
―ネムレナイ―
昨日のトゲのような言葉が
突き刺さったまま
さけんでいる
さけんでいる

孤独感の雲が
さえぎる光に
うちのめされて
窓を閉めきった
電話の線を抜いて
アクエリアスの星を探す
―帰るところはどこ?
定めた未来に
矢を射る
その的を探す
やりばのない力まかせに
床を叩いて―



2004年01月11日(日) 砂時計

立ち止まってみた
この瞬間が
まるで止まったままのように
勝手に時計は動くけれど
私の心はなおくすぶりつづけて
ねじのきれた時計
鳩は動かないまま
いつから―?いつから―?いつから―?

心を掘り起こす大きなシャベルを下さい
鎖を切ってしまえるような
壁をたたき割るような
歌を下さい
天蓋に風が吹けば
ゆらゆらと舟虫にまみれて
私はしずんでゆく
ただ ただ おちてゆく
砂にうもれた
顔だけを出した
トビウオの子供のように
この世界を見てる

私を知らないでください
ただみにくい私を・・・
乱反射する光が
まぶしすぎて 砂に戻る
立ち止まった時間の中で―



2004年01月10日(土) 心の氷河

いつからか
心の中に大きな大きな氷のかたまりを
せおってしまった
幼い日々

若芽の頃であるのに
冬の厳しい寒さにいるかのように
氷におおわれた
気持ち・・・

凍てつく中で
私は陽射しを見た
校庭で子供たちが
笑ってる
それなのに どうして
私の心は
凍てついたままだったのか−?



2004年01月09日(金)

ただ星のことを
知りたいと思う
そんな強さが
私のほしいもの

ただ命のことを
知りたいと思う
そんな私が
私のほしいもの

世間とか、お金とか
名誉とか そういうものは
一切忘れて・・・
ただひたむきに
心のままに
時のままに
思索することができたら
私の一番の望み

そしてお墓でさえ
私の楽園
この世のはかなさ
一切の幻想
目にうつるものは
この地上の夢―

だけど大いなる光と
力が
中心から湧いてきて
この星の中心から
そして
私の中心から―



2004年01月08日(木) 高崎線

この電車に乗って
山々を見ながら
都会へむかうのが 好き
一人で思索にふけるのが 好き
もう何度も乗っているのに
都会へむかうときは なぜか
今でも どきどきする
見知らぬ これから会うものに
胸が どきどきする

今では 少しづつ 慣れてしまったけれど
読んでいる本から 少し疲れた目をあげると
遠くにつらなる峰
くっきりと 稜線をえがく この山
こんなに近かったっけ

まるで都会へむかう私を
見送っているかのように
並んでいる
どうして・・・?
心がいたくて
ふるさとの山は いつも
ずっとそこにとどまって 私をみてる

いとしくて いとしくて
ずっとそこに 立っていてほしいと思う
その山々は
どこにも行かないとわかっているのに
私は目をこらして 見つめる
そしてまた本に目をおとし
想いをふうじこめて
運ばれてゆく
山々にまた会う日まで



2004年01月07日(水) ベランダ

やっと手の届くようになった
ベランダのさくをのぼって
「さようなら」って
言ったの

おとうとは、はいはいをしながら
「いかないで」って
泣いてた

下には屋根と庭が
ゆらり
ゆれていた

ちょっと驚かせようと思っただけ

ここから飛んだら
鳥になれるのかな
私、どこへゆくのかな
ちょっとお別れを言ってみたかったんだ
やさしいけれど いつも私のこと
あれこれいう おかあさん
べんきょうしなさい!と
けわしい顔してる おとうさん
やっぱりおしゃべりな おばあちゃん

みんなみんな・・・
どういう気持ちになって
どんなこと思うんだろう
私がトンダラ・・・?

わかんない
ううんでもそれは想像の世界
私が一人で飛んでゆける世界も
あるって思うと
ちょっと安心したの

だからもうその遊びはやめた
おとうとは 泣き止んで 私たち
いつものように あそんだ



2004年01月06日(火) G。M。

母の実家のおばあちゃんと
おじいちゃんが
旅だってしまった
それを知ってるから
うちのおばあちゃんは
「こんどはわたしのばん」だって
「毎日毎日、はやいね 一日がすぎて
一年がすぎて そして
死んでいくんだよ 人生は」って
言って 立ったまま 話してる

いろんなつらいこと 私の生まれる前のことも
ぜんぶ知ってるおばあちゃん
たまにはにくまれぐちをたたいても
それさえも生きているあかし
歳をとっていって
とくべつ に見られるようになって
それでも、皆を
支えようとしてる
皆が支えようとしてる
一人でほとんどの時間をすごして
そういう存在になるって
どんな気持ちだろう?
わからないけれど
私はせいいっぱいにいった
「大丈夫、ほとけさまが見ててくれるよ」
私も 同じだから
一人一人がむきあうものだから
それをおしえてくれた 私の人生の源だから・・・
私のうちにわきおこる この涙は
うそじゃない



2004年01月04日(日) ともだち

あの人・・・
両腕をともだちに支えられて
よろめきながら歩いてた
「重い病気なんだって・・・」
どこからともなく聞こえてくるこえ
みなでさわいで宴会してそのあとで
まっさおなかお
「むちゃしてるよ」
かかえられながら よろめいて
投げやりに
「大丈夫、もうすぐ死ぬから」
って
あの人は・・・
自分は深い真実のような何かを知っていて
どうしようもない
鋭い眼をしてる

私はなぜか あの人が うらやましかった
なぜか なぜか
両腕を ともだちに支えられてる彼を
そんなふうに 言い放ってしまえる彼を
何かを 知ってる 彼を―
ただ うしろ姿を 見送った

それから一年
あの人は旅だったと聞いた
「やっぱりね・・もう悪かったから」
ともだちはそう言って おどろいてないみたい

私は 私は
あの時の あの人の瞳を
忘れることができなかった―



2004年01月03日(土) トタン屋根

小さい頃 ベランダから
この屋根におりたことがあるの
晴れてる日 弟と二人で
屋根の上であそんだ
はじめておりた日はやっぱりこわかった
でもその屋根の先に 何があるのか
知りたくて
本当にわくわくする感じだったんだ
ぐるりとつたって、広いばしょに
でたときは お庭を下に
見渡せて
遠くまで おーい と叫びたくなった
裏側までいって
物置の方まで行ったときは
ひかげの暗闇に
どきどきした
小さなえんとつが 細長くのびている
「ここからサンタさん入るのかなあ」
物置のやねは 斜めになりすぎていて
おりられなかった やってみたかったけど

屋根の上を歩くと 足のうらがあったかくて
パタン パタンと音をたてる
覚えてる
どうしてそんなことしたのか
今ではわからない
だけど
この屋根は まだ残っていて
色も変わってしまったけれど
やっぱりあるのは
あの頃がたしかにあったという
証拠 いつまでも あの頃は―。


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