風にふわりと 〜こころのすきま〜


休息


何もしなくていい時間なんて
ここしばらくわたしにはなかったな
そう思いながら電車に揺られる
鈍行でガタゴト

日々雑多なことをいつのまにか背負っていて
知らず知らずのうちに時間に追いまわされている
そうすることは楽なことだ
何も考えることなく日常に埋没する

何もしなくていい時間に
うしろめたさを感じてしまう
ぜいたくにも電車に揺られる
鈍行でガタゴト

忙しいことや悩ましいことが
いつのまにか自分のアイデンティティになっていて
知らず知らずのうちに自分を見失う逆説
そうすることは楽なことだ
何も考えることなく日常に埋没して
考えているフリをして日々に充足をおぼえる

鈍行でガタゴト
鈍行でガタゴト

冷静に自分をみつめなおす時間が
幾筋かの光を暗闇に映しだして
少しだけ肩が軽くなる


2005年09月20日(火)



うつくしい白を見た
白はすなわち無、というわけではなく
様々な存在を表現していた

 やさしくあたたかな白を見た
 白は世界をつつみこむかのような
 やわらかな空気を生みだした
 ゆるやかに時間が進む

 つめたく孤独な白を見た
 白はひとりで涙をこらえながら
 頑なに世界を拒んでいた
 そこだけ時間が静止する

 どこかうらやましくなる白を見た
 白は迷いをただよわせることなく
 世界に自分を誇示していた
 新しい時間が流れ出す

うつくしい白を見た
白に人を重ねている自分がいた
様々な存在が時間を動かす
そんな世界と重ねていた

人と創造物のつながりを見た


2005年09月19日(月)

なくな 君はひとりじゃない


鳥の声がはじけるように窓から入る
また時は流れて わたしは一日を生きようとしていて
失ったものの大きさに 間をすりぬける風で気づく

やさしい気持ちや いとしい気持ち
心配されることや 大切にされること
ただ在るだけで そこに生まれる安心感
数え切れないほどのものが
何もしなくても 与えられていたんだ

やさしさやいとしさ ためこんだ不安に対して
わたしはいつも何を返していただろう
戻らない時間を想いかえしても
取り返すことは出来ないなんて知っている
けれど どうしても考えてしまう
わたしは きっともっとやさしくできた

不器用だからなんて言い訳はできない
明日も続くと想っていたのは浅はかだった
けれどただ これだけはわかっていてほしい
ずっとずっと 側に居てほしかった

なくな 君はひとりじゃない
ゆくときは 明日の方角へ
なくな 君はひとりじゃない
ゆくときは 皆の想いを連れていけ

なくな 君はひとりじゃない
皆が君を愛していた


2005年09月04日(日)



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Akira
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