umikaze no hitorigoto
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2003年10月12日(日) 童女の微笑み

久しぶりにあなたに会った。
細くやせて、またひとまわり小さくなったように思えた。。
数年前、病に倒れてからずっと・・・
あちこちの病院をまわって、
今、、終の棲家になるであろう施設へ、、

夢の中をさまよい歩くあなたの今はわずかながらの小さな幸せの思い出を、
見つめているのだろうか・・・・
私を見つけて子供のように泣きじゃくり声をあげて何かを訴える。。
体全部で表現するその喜びにむせび泣く姿を見るたびに、、
私はたとえようも無く切ない想いになるのだ。。。
無力で何もしてあげる事のできない自分の環境を呪い・・・
せめてもの良心への呵責に苛まれつつ、、

あなたにはたくさんの事を学んだ気がする。。
言葉ではなく、あなたの生き方全てに私の今があるのだろう。
あなたを見ていたから今の私がいるのであろう。。
決して誉められるような特別な生き方をしたあなたではないけれど、、
不器用だけどその不器用さを、つまづき、転ぶその姿を見ながら、、
私は自分の生き方を見つめてきたのだった・・・
親が子供に教える事は言葉よりも生き方なのだと今また改めて思う。。

もう二度と私の名前を呼ぶことはないのだろうな・・・・
私があなたの娘である事さえもわからないのだろうな・・・・
そんなことを思いつつ。。。

あなたはベットに横たわり私は幼子をあやすように頭を撫でて・・・
眠りにつくまでのひと時を静かに流れる時間の中でそっと子守唄を歌う。

童女の微笑みをみつめながら・・・・


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