(SleepWalking)



邪悪
 

はじめてのキスは確か


口止めの手段だった


了解も抵抗もかなぐり棄てた


ただ貴方を殺していた


全身から舞う毒で


だから貴方はあたしを


蛾でなくむしろ蝶であると言って


泣きもせずに切り刻んだのを


うっすらと思い出し始めている


あたしの身体はいつも貴方を殺す


あたしの心はいつもあたしを殺す


死んでしまえば良い


要らないものは皆死んでしまえば良い


貴方は世界に必要のない私とともに


ただの犠牲者として連れ去られるのだ


あたしの最後のかなしみのために。

2003年11月26日(水)


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浮気性。
 

不謹慎だなぁと思いながらも


やっぱり人間観察が趣味の私は


太陽の光にハイソックスを纏わせた脚をさらしながら


たくさんの後ろ頭を観察しているわけで


近くがはっきり見えないこの目で


あのこの睫毛は長いなぁとか


先生どうして半袖なんだろうとか


彼はよく寝てるなぁとか


あのひとの手首が色っぽいとか


色々と考えてるわけで


授業に集中できない気の浮ついた私は


なるほど浮気性なのだと気付かされて


がっかりしながらもやはり


発見する事を止められないのです。

2003年11月09日(日)


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