2003年11月30日(日)
まさつとしょくはつ−トウショウ



ようやく、どびーさんが書いてくれて
私の連続連載記録も12でストップしました。
って、数えているのは自分くらいなもんでしょう・・。

今日は、ちょっとまたヘビーな内容でいきたいと思います。

インドに駐在で来られている日本人の中に
ちょっと残念な行動をされておられる方々の噂を聞きます。

運転手を水筒で殴ったり、水をぶっかけたり・・。

寒いのにエアコンの風の向きをわざと運転手の方に
向けさせて運転することを強制したり・・・・。

ご婦人の方で、人前で運転手に平手打ちを食らわせたり・・。

みんなの前で大声で罵倒したり・・・・。
ヒンディー語でパーガル(馬鹿)と罵倒したり・・・。

家族を日本に置いてきた一人暮らしの単身赴任の方が
女性のお手伝いさんにマッサージを強制させようとしたり・・・。

会社でいやがる女性社員にお茶くみを強制して、
相手が拒否するとみんなの前で罵倒したり・・・・。

数えれば切りがありませんが、
こういう話を聞くたびに胸が痛みます。

こういう話は運転手やサーバント、門番の
ネットワークを通してすぐに噂として広まりますので
私の耳にも風の噂で入ってきます。

インド人と日本人の間には文化的、習慣的な違いがあるわけですし、
このため摩擦がおきるのは当然といえば当然です。

特にコミュニケーションもスムーズでない場合が
多いですので、お互いの勘違いも多いと思います。
またどちらか一方が完全に悪い時もあります。

厳しく言わなければいけないときは確かにありますし、
駐在員の方にもいろんな事情があると思いますので、
日記の形で偉そうにこんなことを書くのは失礼かと思いますが、

どんな事情があるにせよ、直接的に暴力をふるったり、
言葉の暴力をふるうのは、人間として避けるべき行動かと思います。
(人殺しや盗みなどを止めたり注意したりするのは別ですが)

日本人という立場で見てみても
駐在員の方は、日本の企業を代表してこられている方で、
ある意味、公人といっても差し支えないかと思いますし・・・。


でも何故こういう行動を起す方がおられるのでしょうか?

うーん・・。

会社の命令であまり好きじゃないが仕方なく来ている。
ただでさえ生活で大変なのに、
その上細かいことでいらいらする。
怒鳴らずにやってられるか!!という投げやりな心か・・・。

インド人は仕事ができない。
仕事も遅い。
時間を守れない。
私のいうことを聞かない。
いらいらする。腹が立つ!!
という傲慢か・・・。

インド人は人をだます。
甘やかすとつけあがる。
私はだまされないぞ。
私は舐められないぞという。
人間不信か・・・・。

インド人でも良識のある方は、
お手伝いさん、門番、運転手を大事にします。
厳しさと優しさをうまく使いこなして
非常にうまいです。(例外もありますが・・。)

門番と運転手の情報の伝達の速さはかなりものです。
何かどこかで起きるとすぐ伝わります。
その情報網で直接助けられたり、
今の雇い主が、元雇い主と縁ができて、
それが元で助けられたりとかもします。

彼ら・彼女らに学ぶことは多いです。

そういうのを抜きにしても、
お手伝いさんや自分の部下が
いなかったら、全部自分でやらなくてはいけなくて大変ですし、

ちょっと視点を変えて見ても、私たちはインドの人たちから
いつも助けられています。
インドの人が作ったもの、運んだものを使わせてもらってます。
質はどうか別として食事も、道路も、水も彼らが提供してくれるものです。

自分で選んだか選ばないかにかかわらず、
厳然としてインドの人たちに支えられて、今を生きているわけです。

そういうことを考えると感謝の気持ちが沸いてきます。

また、自分のことばかり考えずに、
相手がどんな状況で生きているのか?もし自分だったら?
・・・と他人の立場にたって考えてみると
大変な環境の中で生きている彼ら・彼女らに対して尊敬の念が生まれてきます。

相手への感謝と尊敬・・・
これが摩擦を摩擦のままで終わらせず、
“触発”に変えるキーポイントだと思います。

私の書いたことは駐在員の皆さんの状況を完全に理解しないで書いていますので
、独り善がりといわれてもしかたありませんが、
考え方としてこういう風に考えたほうが、インドで暮らしていて
疲れないと思います。いらいらして生きても、感謝して生きても
大事な人生の時間は同じような速さで過ぎていくわけですし・・・・。
もったいないと思います。

ということで、今日はヘビーな内容に付き合って頂き有難うございました。
2003年11月28日(金)
ついに開眼!− どびー



ついに、13年間のメガネ生活に別れを告げました。

といっても、メガネからコンタクトにした。ということではありません。
そうです(?)、今(自分の中でだけで)話題のレーシックに挑戦してみました。

ここでレーシックをご存知無い方々に...。
レーシックとはレーザーを使用する視力(屈折)矯正手術です。
って、これだけじゃあ全然わからないです。
難しいことはあまりわからないんですけど(おいおい)、どうやらレーザーで角膜の形状を変えて、屈折率を正常化させることで視力を矯正するものらしいです。(これでもよくわからない)

ということ(?)で、このところ在印外国人の間でも静かな話題を呼んでいるレーシックに挑戦してみました。

担当医は知人(日本人の経験者)から紹介されたその道で名の通ったドクターで、不安はあまり無いものの、当日は朝から上階の犬もなんとなく落ち着かない。(関係ない)

約束の時間にクリニックに到着すると、同意書にサインを求められる。内容は手術によって視力が低下したり見えなくなっても(!)医師の責任ではない、とかに同意するもの。(実際には視力が回復しないことはあっても、見えなくなるということはないらしいが、さすがにサインするのに躊躇する)

そして、いざ手術室へ。
そこは無菌状態...を実現すべく最大限の努力をした部屋。担当医は黄色い消毒液で入念に肱あたりまで3回洗い、使い捨てのエプロンも細心の注意を払って装着する。器具は見るからに最新の物のようである。
どうでもいいのだが、寝台は頭が固定できるように頭の形状に丸く窪んでいて、アーユルベーダのタラというマッサージを思い出す(本当にどうでもいい)。

さて、いよいよ手術へ。
目に麻酔と思われる目薬が投下される。耳から聞こえるのはドクターと助手のどちらかが旅行で行ったと思われるシムラーの話で会話は盛り上がり緊張感が無い。麻酔が効いているものの実際に目玉を触られているのがわかるのは気持ちのいいものではない。
ドクターが手術中に「パーフェクト」を連発する。これで安心する自分もわかりやすい。

あっという間の20分だった。
術後、途切れていたシムラーの話の続きが始まる。
涙が止まらないが、そのまま一人で歩いて待合室へ。手術は成功のようだ。

翌日、術後検査のため担当医のクリニックへ。
視力はなんと2.0(!)。ただ術後は遠視状態になる為、近くがぼやける。今後次第に1.0ほどに落ち着き近くも見えるようになるらしい。

日本、欧米諸国のそれに比べて安価で済むこの手術を受ける為に、わざわざ渡印してくる外国人がいるとのこと。医療技術レベルの高さで納得させられます。

これで、老眼になるまでとりあえずメガネとはお別れですが、メガネ無しの顔に対する周りの反響は思わしくないのが気がかりです。

2003年11月27日(木)
いい飲みっぷり-トウショウ



デリーも寒くなりました。
昼間でも日向に立っていると
汗をかくくらい暖かいのですが、
日陰や建物の中に入ると寒いです。

デリーの場合、暑い時期がほとんどなので
設備も夏に対応していてエアコンなども
ヒーターがない機種がほとんどです。

今日から事務所でも朝のスナックに
ゆで卵が登場しました。
(毎朝10時半にお茶とスナックがでます。)
卵は体を温める作用があるので
インドの人は夏にはあまり食べません。
冬は卵の季節です。

話は変りますが、

こんな寒いのにインドの人は
水をよく飲みます。“よく”というのは
自分の目からみてそう思うだけで
夏の量に比べたらそんなに飲んでないのでしょうけど。

それでも2-3時間に一回はグラス一杯の水を一機に飲み干します。
1杯250mlとして8時間で単純計算しても
最低1リットルくらい飲んでることになります。
グラス2杯飲む人もいます。(いちいち余計なお世話です・・)

しかし、気持ちいい飲みっぷりです。じっと眺めてしまう・・。

思わず「何でそんなに飲めるの?」と聞いてしまいました。

彼ら曰く・・・

「無理して飲んでいるわけじゃあないよ。喉が渇くんだよ」

おいおい、そうじゃなくって・・。

「あ、じゃあなんで喉が渇くのかなぁ・・・」

「それは・・外国人に比べて毛穴の開き方がまず違うからだな。
うちらは毛穴が冬でも全開だからね。
冬でも毛穴から水分が出て行くんだ。
逆に外国人はインドに来ると体がヒートしてしまうんだ。」

うーんなかなか説得力がある。

私の個人的な予想では食事かと思ったんですが、
インド料理は油っぽくて塩っぽいですからね。

そう思って、「食事も関係あるんじゃないの?」と聞くと

「うーん、まさにその通り!!それはある」(声がデカイよ、君)

「しかし、とにかくいい飲みっぷりだよね。
自分はそんなに飲めないなあ・・すごいよ」というと

おもむろに3杯目のグラスに手を伸ばして一機に・・・
しかも、これくらぜんぜん余裕だぜと、物語るスピードで。

すかさず、隣に座っていた人が、

「おい、今のは、ちょっと無理したでしょ」と突っ込むと

「うん、無理して飲んだ」 にやりとテレ笑いしてから

がっはっはっはと2人で大笑い・・・。

訳のわからない行動だけど、
彼らの水の飲みっぷりには、ただただ感動する。
こんなに寒いのに・・・自分だけなのか?

いや彼らも寒いはずだ。セーター着てるし。
この間もトイレで偶然隣に立っていた人が
「髪がないから頭が寒いよ・・・。」ってボソッと・・。
私に言われましても、どうもしてあげられないけど、
でも寒いよねぇ、可愛そう。
事務所で帽子かぶるわけにいかないし・・。
(思いっきり浮くと思う)
2003年11月04日(火)
蚊とおっちゃんとドブ川-トウショウ



デング熱が流行ってますね。
死者もかなりでてます。

うちでもALL OUT(インドのリキッドタイプの蚊取り機)を各部屋に1個づつセットしてあります。というか常時ONになってます。

しかし、殺しても殺しても必ずどこかにいるんですよね。
網戸を潜り抜けるのか
立て付けの悪いドアや窓の隙間から入ってくるのか。
窓を開けた瞬間に入ってくるのか

検証したことないんでなんともいえないですが、っていうか検証する人いないと思いますが(笑)

政府も蚊対策として、水たまり、バケツ、古タイヤなどに水が溜まったまま放置している家は罰金を課すというルールを作って、摘発したりしているらしいのですが、市民の意識を高める程度の効果でしかないようです。

以下、人から聞いた話です。

そんなある昼下がり、 (どんなだって・・・)
外でトラックのエンジン音が聞こえて、走り去っていったなあ−・・・っと
ふと窓の外を見ると

外は真っ白・・・

すぐに門番に聞くと、ハンカチを口に巻いた顔で

「薬を撒いてるみたいですよ」っていわれました。


でも顔はムチャ落ち着いてる・・・。

市役所が蚊対策でやっているんでしょうが、
これ殺虫剤ですよね。
こんなの吸ったら危険じゃないですか・・・。
なんで君は普通なの・・。

でもこれって、赤ちゃんとかがいるご家庭はすごく心配ですよね。体への影響とか大丈夫なのだろうか・・。

さて、この事件があったのは3週間前くらいでした。

すっかりほとぼりも冷めたある昼下がり、(またかい 笑)
再びトラックのエンジン音が・・・。
しかもすでに外は白し。

いったいどんなトラックだ、っと窓を開けると

荷台にエンジンを積んで、白煙を吐くチャリを
必死に漕ぐおっちゃんの姿が

これを聞いたとき、不謹慎ですが、
思わず“かちかち山”を思い出してしまいました

しかも荷台にくそ重いエンジン積んでる
にもかかわらず・・・ムチャ早い・・・。
絶対に白煙は自分にかぶらせないという
気迫のペダリング。

−以上が人から聞いた話ー

話は少々それますが、
効率的なペダリングのキーポイントは、上半身の力を上手く伝えることにあるそうです。そしてそのためには上半身と下半身のつなぎ目(コア)部分がしっかりしていないといくら腕のパワー、足のパワーがあっても連動しないため、効率的なペダリングには到達できならしいです。

だから何・・・っていわれても困りますが・・・。

話を戻します。(笑)

こんだけ努力してもおっちゃん、いつかはチャリを止めるのでしょうから、その時は思いっきり殺虫剤に包まれるのでしょう。
せっかくかぶらないように汗を流しても
最後には絶対にかぶる悲しい運命のおっちゃん・・・。

デング熱にかかるのは嫌ですが、
殺虫剤を大気中にドバドバと巻かれるのも嫌ですね。

やはり皆で蚊を育てないような環境作りが必要なんでしょう。

それと同時にデリーのゴミとドブ川もどうにかすべきだと思います。

ディフェンスコロニーからINAマーケットに抜ける裏道を一度通ったことがありますが、すごい世界でした。
地獄絵っていうんですかね。
ドブ川とごみの山・・・。
あのサウスエクス-Iの裏はこうなっていたのかってあまりのギャップにちょっとびっくりでした。

私の住んでいた東京だと排水用の川に蓋をして上に公園を作ったりしていましたが、臭いものには蓋じゃないですが、蚊の発生は防げるんじゃないでしょうか。

都市部のごみ処理問題や下水問題は
蚊の繁殖と関係がありそうです。
これを解決しない限り、毎年この季節、
あのおっちゃんはチャリをこぎ続けるのでしょう。

◎日記の目次
▲この先のぺいじ
▼以前のぺいじ

○めいる

まさら通りへ