脳内世界

私が捉えた真実、感じた真実などを綴った処です。
時に似非自然科学風味に、時にソフト哲学風味に。
その時その瞬間、私の中で、それは真実でした。


※下の方の○年○月っていうのをクリックすると、ひと月ぶんはまとめ読みする事ができます



 what a beautiful sky.

洋服屋さんの、すぬーぴーのプリントされたTシャツの言葉に、思わず動きを止めてしまった。
表情のゆるみきった、ほっとしたような顔をしたすぬーぴーの横に、なにげなくあった言葉。


『 What a beautiful sky. 』


”なんてうつくしい空なんだ ”



苦しくてもつらくても。

何があってもなくても。

空はそこにあって。

朝焼けも真昼も昼下がりも、夕焼けも宵闇も、

空はうつくしく、存在するだけで、本当は世界はうつくしい。


何があってもなくても。

私たちはそんな空を見上げて、

なんてうつくしいんだ、と。

言える私たちがあり、

こぼれるように言えるその事実にこそ。

価値があるのだと感じる。



全てをあきらめたようでいて、

全てを受け入れたような。


そうとしか生きることができないけれど、

それでもうつくしいと言えることの、

価値。



なんてうつくしいんだ、と、

改めて口にして。

捨てたものではないのだと、

世界をゆるして、ゆるされて、

生きていく私たちの、

弱くも尊いことよ。

かけがえ、なさよ。




2010年10月31日(日)



 楽器

バイオリンをケースにしまう母を見ながら、楽器のケースって素敵だなと思う。
ケースを開けると、そこはベージュのびろうどが張られている。やわらかなそこの、入れるべき場所に弓をしまい、本体は指板の部分を革の紐で軽くとめられ、おふとんみたいな布をかぶせてバイオリンを覆ってしまう。
静かに蓋を閉めて、箱の中にしまわれる。

なんだか楽器は、お姫さまみたいだ。

しまう前にも、やわらかい布できれいに汚れを落とされて拭かれて、張っていた弓をゆるめてもらう。


楽器も、素敵だなと思う。

楽器は、みんなそれぞれのマスターに愛されて、それぞれの愛のもとに扱われて、マスターと一緒に音楽を謳う。
愛なく放置されればどこか壊れたり、精彩を欠いた音になったり、ぼろぼろになったりする。
けれどいい子で、ちゃんと楽器として生かしてもらえれば、それこそ何百年だって長生きする子もいる。

楽器を手に入れるときだって、マスターはきっと「これだ」って惚れ込んで手に入れたりする。

音が好きとか音楽が好きとか、言葉ではうまく説明できない根源的な感性の問題だ。
でもだからこそ、その「好き」という気持ちにまじりっけがなく、純粋だ。
そしてその純粋なものは、とても大切なものだ。
その「好き」があるから、聴く人の魂を強く揺さぶることができるんだ。


そんなうつくしい何かが、大好きだ。



2010年10月09日(土)
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