春の日記
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2003年01月30日(木) 「終の栖・仮の宿 川島芳子伝」岸田理生、而立書房

またまた川島芳子、しかもこれは芝居の脚本。そういえば脚本読むのは珍しいかな?…って、ちょっと待てこの本…。どうも寺山修司くさいと思ったらやっぱり天井桟敷関係者だし…。いやそれはいいんだけど、「おいっ!」と思う台詞がいくつかありますぜ…。P74〜P75の李香蘭裁判シーンの法官達と李香蘭のやり取りがまんま劇団四季の「李香蘭」と同じ台詞…。はて「李香蘭」の初演っていつだ?P91の芳子「父さん……、父さん……、父さん!もう一度僕を作ってください!」なんて、「身毒丸」の「お母さん、もう一度僕をにんしんしてください」と同じじゃ〜ん!いいのか…?(芳子は銃殺刑だったぞということもひっそり突っ込みたい)この本の帯には「清朝の王族・粛親王善耆の第4王女として生まれながら云々…」とあるんだけど第14王女だ、第14王女!生涯を描ききった畢生の傑作戯曲!なんてあるけどほんとかよ…(呆れるんですけど)。でも88年にこれで紀伊國屋演劇賞受賞してるんだよね…嗚呼謎だ、理解に苦しむ…。


2003年01月29日(水) 「男装の麗人」村松友視、恒文社21

え〜、本当はこの著者の祖父の手による同タイトルの本が読みたいんですが…古いからなあ…探したい…。というわけでまた川島芳子です。「男装の麗人」という言葉はよく使われるけどこれが元なのかな?この作品は何だか微妙だね…。何でまたこの人も今になってこれをものしたのかなあ…。虚実ないまぜ、どこまで嘘か本当か。たった数十年前の人間の真実さえ分からない、ひとりの人間の人生を理路整然とまとめることは難しいことなのかも。勿論歴史認識も風俗の知識も要ることだし、それを生で知ってる人間なんてますます数少なくなっていくわけだし。人の記憶にだって勘違いや思い込みや捏造があるんだろうし。う〜ん…。


2003年01月27日(月) 「夕日よ止まれ」胡桃沢耕史、徳間書店

川島芳子です。最近テレビで、実は処刑されてなくてその後某軍人との間に一女をもうけていた(その娘というのも出てきました)という新説が今になって出てきたのを見ました。それで思い出して図書館で検索かけて本を探してみた、と。時代的にもローレライ(まだ引きずっているのか?)やらジパングやらと近いしね〜。ちょっとしばらくこの辺彷徨ってみようかと。知るのが苦しい時代だってのに自虐なこと。で、これは小説なんだけど創作なんだか事実なんだか「何をもってこんな事断言するのさ…」って記述もちらほらと。話半分としても大体の彼女の人生の流れは何となく分かりました。最初に彼女について読んだのは李香蘭の本の一部からだったからね…。タイトルになってる「あの夕日の沈むのを止めるために日本へ行くのだよ」ってのは表現として面白いかも〜と思ったり。


2003年01月24日(金) 「終戦のローレライ」(下)福井晴敏、講談社

そんなわけで続き。どういうわけか今までになく読み進むのが遅い…。厚さと言うか長さは別に苦ではないんだけど。この時代のことを知るのが辛いのかしら。興味はあるんだけどな…。それにしてもこうして読み進むと分かるのは、確かに某誌のインタビューで言ってたようにローレライは「裏イージス」だね、人物配置の逆転と言っていたけれどまさに。誰々は誰々、とかやろうと思えばできるあたり。あとはアニメっぽいと言うかSFかも、とか。かわぐちかいじ系の人(?)は面白がれるかも、とか。映画化…これの映画化なんてイージスの映画化より難しいんじゃないかとか…むしろ最高のキャストスタッフでなら、という条件付でアニメ化に向いてやしないかな…それはイージスもか。福井作品(具体的に言えば「亡国のイージス」)未読の方には最初にローレライを読んでみる事をオススメするかもしれない。読後の爽快感を求めるならその方がいいかも。どの作品にも大切なメッセージがこめられているとは思うけどね。…やっぱ現時点での福井作品の一番のお気にはイージスだわ私…。


2003年01月16日(木) 「終戦のローレライ」(上)福井晴敏、講談社

待ってました!ファン待望の新作。発売されるなり図書館にリクエストしたとも!(買えよ…)装丁が美しいです。そして「イージス」を凌駕する厚さです。重いです(笑)映画化もありということで一大キャンペーンが張られているようです。終戦間際の日本…あまり歴史モノとか好きではないですが読んでいるとかなり引き込まれますね。相変わらず読ませてくれます。死んでしまったキャラクター達が切なくて〜(涙)これからどうなるのかなあ。続きがとっても気になります。


2003年01月09日(木) 「おいしいおはなし 台所のエッセイ集」高峰秀子編、光文社文庫

結構面白い。やはりアンソロジーとかエッセイとか好きなものでね。食にひたむきな人は人生もひたむきだと思います。その点自分は失格だな…偏食家。インフルエンザも少しは落ち着いてきた模様です…。


2003年01月08日(水) 「アンティークとの出合いの旅」榎戸文彦、オーク出版サービス

インフルエンザの間隙を縫って斜め読み。もっとカラー写真とかたくさんある本かと思ったら違った。何だ。よく見て借りなさい自分。この人の作品は何かいいかもとか思いましたが。


2003年01月07日(火) 「伝奇ノ匣3 芥川龍之介 妖怪文学館」東雅夫編、学研M文庫

なんで図書館にはこのシリーズの2と3しかないんでしょうか。小説はともかく他の文章が読むの飽きてくるよ〜(笑)芥川は格別思い入れもなければ嫌いでもなし。しかしこの本も持って読むのが疲れる文庫だ…。最後の方はインフルエンザでくらくらしながら読みました(倒)ああ、やっぱり新年に相応しくないし!


2003年01月04日(土) 「帝都物語異録」荒俣宏、原書房

この期に及んで帝都物語かね。荒俣先生まだやる気あるんですかコレで。「帝都幻談」と「新帝都物語」はまだ発行されてないみたいだけど。(でも出たら読むんだろうね自分…)一本小説が入ってあとは資料みたいなの。アテルイも加藤のモデルのひとつだったとはね…。読み切るまで辛い文章もあったけど。やっぱり正月早々読む本じゃないんじゃないかな、自分?


2003年01月03日(金) コンタクト、新名古屋ミュージカル劇場

二千三年一発目はコレ。一応新作です。今回都合によりチケット発売日を誰にも知らせなかったので一人での観劇。それにしても新年早々の観劇は二年ぶりくらいでしょうか。一時期ほど滅茶苦茶行ってませんね…。ロングランがないせいか。早く名古屋でライオンが観たいんですけどね。開演に先立つ注意(あれは下村さん?)で、「上演中は携帯電話、ポケットベル、電気剃刀、嘘発見器等の電源はお切り下さい」「上演中飴を食べる方、このような音(と言って音を立てる)を立てる包み紙のものは今のうちに開けておいて下さい」ってのが。これは毎回やってるんでしょうか。普通に言われるよりもインパクトあってナイスだ!それはさておき内容は。…一回観ればもういいかな…。全三幕、見所は何と言ってもダンスでしょう。それに興味なかったら正直観てるの辛いだろうね(苦笑)一幕はブランコの使い方が面白かったかな。二幕は…奥さんドリーマーだね…夢落ち!?てか、明戸さんが素敵です!(笑)料理が全部ホンモノだそうだけどそれはさして重要なこととも思われない…。あ、ハードロックカフェでコンタクトのカネロニ出してるそうです。旦那が撃たれたあと袖からぽいっと放り投げられて出てきた物が何なのか分かりませんでした(汗)三幕、階段があるってことは使うんだろうなと思ってたけどやっぱり走り出られると驚くよ…。ちょうど通路側端だったから、強烈にお酒が香りました。アレもホンモノなんだ…。あと四季にも白人が居るということにちょっと驚きでした。キャスト表よく見てなくて。鬱々してるワイリーさんが他人に見えないよう(苦笑)黄色いドレスの女は思ってたよりかっこいい感じでした。あ、三幕でも明戸さんはいかしております。素敵過ぎる!下村さんはなかなかでした♪加藤さんのワイリーはそんなに鬱々してるのかなあ…?そしてあのあとどうなったんだろう(笑)あとこの日は新年最初だし何かあるだろうとチケット取ってたんだけど新春特別カーテンコールがありました。通常(多分)のあと再び幕が開くとちょんちょんと拍子木を鳴らす黒子さんが居まして、ずらっと正座した役者が並び、真ん中の下村さんは着物っぽいのを着けて。歌舞伎のような挨拶(隅から隅までずずずいっと〜ってやつ)をひと言ずつ分けて言ってお辞儀をして、そのあとダンス、さらにキャスターつきの椅子に鏡餅と一緒に乗った明戸さん(どこまでもイカス!)が前を「今年もよろしく〜!」と言いつつ横切っていくのです。受けたわ!誰の演出だろう…下村さん?さらに何回かカーテンコールがあって終了。まあまあでした。


2003年01月01日(水) 「死者のホンネ 英国墓碑銘の世界」梅森元弘、主婦の友社

元旦から何て本を読んでるのさ(笑)…エピタフ。墓碑銘。英国の面白いものを紹介した本。実はこの本、発売時にお目にかかってる。着眼点の面白さから本屋で手に取り、立ち読みした記憶がある。図書館でタイトルを目にした瞬間すぐあの本だ、と分かりましたよ。心に留め置けばいつかは巡り会えるということですか。それにしてもさすがはマザーグースの国、読解も一筋縄ではいかないようで。もっと著名人の墓碑銘を見たかった気もするけど、興味深い一冊だったのは確か。