独白「文字式」

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2004年06月18日(金) ゴー・トリプティク(すきやき企画会議編その6)

(前回までのあらすじ)
 小田原城で象を確認することができなかったので、これから小田原城はかまぼこの城と認知することにする。

 かまぼこ祭りの興奮冷めやらぬまま、小田原城を後にする3人。すき焼きの塩分は、牛乳だけでは癒すことができなかったので、喫茶店に入ってお茶をすることにする。商店街の中の、ちょっとレトロな喫茶店で休憩。ショーウィンドウのなかの手作りプリンが実に美味そうだ。ってなわけで、3人ほぼプリンアラモードに近いものを注文する。ゆっくりとプリンを堪能しながらも、会話が転がっていく。

 最初は、「食品詩倶楽部の手作り詩集に、自分の詩集のチラシをもってポエケットにいきたい」、って話を私がしたことだったと思う。このときの発言は、かなり軽いものであった。んで、以前作った詩集が、あまりに簡単だったことから、「原稿送ってくれたら、印刷製本してあげる。チラシも作るよ。」というありがたい提案を汐見さんからいただき、話は手作り本の話へ。

 ここから、装丁好き、製本好きの汐見さんの爆発が始まるのである。豆本講座に通っている話から、手作り絵葉書の話まで、飛び出すアイデアとイメージ。そんな中で、春野さんが盛り上がらないわけはない。さらにいろいろな発想が飛び出していく。ものづくりの魂たちの渦に、うずうずしている私。

私がうずいたのは、物売りマインドであった。これまではコピーしたものをホチキス止めしたものしか売ってなかったので、凝ったものを売りたくてしょうがない。実は、お二人がポエケットで手伝ってくださる、という約束をすでにしていたので、「そんだけいろいろあるんだし、せっかくポエケットに来るんですから、売りましょうよ、売ります!」とアクセルをふかす。

こうして、小田原の喫茶店で、白熱したものづくりトークが行われたのであった。しかし、これだけでは終わらない三人だったりする。

ところで、なんかで盛り上がり、落ち着いた後の一撃が今後の運命を決めていくのが世の常である。合コンなどを脳裏に思い浮かべていただければわかりやすいであろう。あんだけ盛り上がったはずなのに、ただそのとき飲んだだけで終わり〜、ってのはざらである。(いや、個人的には盛り上がるだけでも幸い、なんて思ったりもする梅雨の入りなのだが。)

で、今振り返ってみると、このとき三人が小田原にいたことが、一つの幸いだった、と思うのである。

喫茶店でさんざ盛り上がり、お土産にかまぼこなどを買いながら帰路につく3人。小田原から我が家まではあまりに遠く、東海道線の各駅停車のボックス席でゆったりとする。さすがに疲れたぜ〜、なんて思いながらも、会話はものづくりの方へ。そう、この、ちょっと空気を変えつつ、もう一考え、もう一話しできる時間が、実は貴重だったのだ。

電車の中で春野さんからうまれた一言「単語帳形式の一行詩集があったら面白いな」。ここが、プロジェクト「トリプティク」の出発点となるのである。

以上、「すきやき企画会議編」は終了する。なお、プロジェクト「トリプティク」に関しては、幣HPに加えて、こちら(http://triptychproj.hp.infoseek.co.jp/)をご参照いただけると幸い。それにしても、結構ひょんなことで、物事がはじまるなあ、としみじみ思っていたりする。(んで、そんなことが私の人生、あまりに多かったりするのである。)
(おわり)


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