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2004年04月24日(土) 愛だろっ!愛。

名前も知らない公園で遊んでいる子供を見ていると
何故だかとても優しい気持ちになれる。
同時に涙が出てきそうになる、感動と呼ぼう。

心が揺れ動かされる。僕よりずっと小さい子供達が、
青い空の下で手を伸ばし、可能性なんて言葉も無視して
空さえ掴もうとしている。
その無邪気さと、チカラが僕の心を動かしてくれる。

そして何の疑いもないあの笑顔は本当に神様からの贈り物だ。
優しい気持ちになれるのは真正面の気持ちと屈託ない笑顔がもたらしてくれるものだ。いつかは僕も持っていたし、きっとこれを読んでくれる同年代の人も同じように持っていたと言う人もいるだろう。
いつからか…忘れてしまった。

僕が抱いた子供への気持ちはきっと恋愛に対しても同じだろう。
優しい気持ちになれたり、感動できたりって異性に対して感じた時、それは恋とか愛って言うのだから。

僕がもし、笑顔だとか気持ちが表に出せて、思い出した日には
恋だとか愛だとかできるようになった日なんだろうな。
それは無償のものだ。
無償の愛なんだろうな。



2004年04月23日(金) 38番

男は銃を付きつけられてる。
が、
もう何も抵抗は出来ない。
いや、
できない。

罪を償う形が「死」として償う事ができるならば…と。
男は思った。

「最後に言い残す事はないか?38番」
静かな死刑所に響いた。

「生まれ変わった時にはあんたに会いに来たい、変わった自分を見てほしい」

次の瞬間、天に舞っていた。



2004年04月14日(水) 美しい彼女

男はじっと見つめた。
豊満なバスト。
ゆっくり下へなめるように目を向けると
うねる曲線、くびれたウエスト。
大きく形の良いヒップ。

男はゆっくり後ろから抱きしめた。
それから左手でキレイに真っ直ぐ伸びた茶色の髪を撫でた。
右手で爪弾いた。
静かな音は部屋中に響いた。
男はとても気持ち良さそうに、体中で愛を表現した。

が、途中で弦が切れてしまった。
キレイな和音はもう響かない…。



2004年04月07日(水) 雲の嫉妬

天気のイイ夜には月が出る。
暗闇の中にポツンと浮かぶ月は遠い過去のような、儚い未来のようにも思える。

ベランダに出て、ビールを飲む。
月との会話が始まる。

「また一緒に飲みましょうよ」
と問うと、

「私とばかり飲んでばかりいると雲が嫉妬しますので…」

「じゃあ、雲も呼びましょうよ」

「そうですね、私は雲に隠されてしまうかもしれまんが、また御一緒しましょう」

「お願いしますよ、雲に私の事紹介しておいてくれますか?」

「わかりました。しかし、どうも雲は嫉妬深いので貴方の事をどう思うか…」

「心配しないでくださいよ!私は何もしませんから」

「そうではないのです。貴方の事を気に入ってしまったら、これから私の出番がなくなってしまう…曇りばかりの夜になってしまいますよ!!!」

「それは困りますね、七夕も天体観測もできなくなってしまうじゃないですか!」

「だから…あまり雲とは関わらないほうが…」

「そうすると…どちらとも関われなくなってしまうじゃないですか!」

「今日で貴方とこうしてお酒を飲むのも最後です、残念ですが…」

「分かりました。今日は朝までゆっくり飲みましょう」

次の日はしっかりベッドの上で起きたのだが、夜になると大雨になった。
きっと月が悲しんでいるのだろうと思いながら、晩酌を1人で交わした。


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