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2003年02月24日(月) 冷たい雫

雪混じりの朝だった。
僕が生まれた21年前も雪の日だったらしい。
今日は少し雨も混ざっているけど・・・。
そんな日に、雪の日に僕は生まれたんだな。
コーヒーショップの片隅に肘を突いてそんなことを思っていた。

落ちてくる雨のような雪のような白くて冷たい雫が窓を濡らした。
静かすぎて何も動いていないような街の風景をしっとりと潤している。
寒くて悴んでしまう手を暖めてくれたのは今までは母親だったのだろう。
そして、今このコーヒーと目の前に笑顔で座っている女の子の小さくて暖かい手で僕の手も心も悴んでいない。
きっとこれからも。
僕が『さ、いこうか』と言って、君が外に出て『寒いね』と言ってから
手を繋いで、一つだけ傘を広げて晴れ間が出てくるのを待っていよう。
傘は閉じても、手は離さないように。




2003年02月22日(土) 電線

外の景色を見る度に彼女は言う。
『電線って邪魔!日本って電線があるから汚い』と。
確かにそうだ。電線があるために景色を台無しにしている部分もあるだろう。
けどね、岸田劉生っていう画家を知ってるかな?その人の絵の一枚に、電線が影として描かれてる絵があるんだ。
影だけだけど写実的で僕はその絵を見たときに鳥肌が立ったよ。
あまりにもその絵がリアルだったから。
もし君が景色を描こうとするときに、電線があったらその電線は描かない?
どうするかな?現実を歪めても描きたいものって何?
そんなものはきっと無いよ。
現実ってやっぱ正確に描かないといけない気がするよ。
例えどんなに嫌なモノだって。
じゃあ、今僕の中にある現実は?
それはやっぱり君なんだと想う。
電線と同じようにリアルだ。



2003年02月19日(水) 芸術

芸術は1プラス1が2ではない。
0からものを作り上げるという行為に僕は感動を覚えずにいられない。
だから書くことも芸術の一部だと考えている。
自分の言葉で何かを表現する。それは心との会話。
心の中で生まれていてもそれはまだ0で、言葉にしてようやく意味を持つものになる。
自分の感情との会話。それを言葉にする。
0から爆発的な数字に跳ね上がる瞬間、僕は感動を覚えずにはいられない。
平らな所から何かを作り出す作業はこの上ない喜びである。



2003年02月16日(日) 信号機

今、何色してるんだろ?
赤?青?黄色?
信号機の様にくるくる色を変えてはそこを動かない。
人生のドタバタ劇。
いつだって君だ。

腑に落ちないコトだらけだ!
優しすぎる想いに漂って、少し甦って。
油断した隙に奪われてるみたいな・・・。
ただ恨めしいってことかな?
自分以外の人が。



2003年02月08日(土) 酔った勢いで

ゆっくりと歩いた。
何も語らずに。
それだけで意志が通じているような気がしていた。
僕たちは色んな過去を背負って生きている。
それでも前をむいて生きていかないと行けない。
それは生きるという意味でもあり、凄く辛いコトでもある。
だから生きるってコトは辛いんだよ!っていつも言われてる。
酔った勢いdこんなコトを言っているけど・・・どうしようもなくて・・・。
伝えたいことは山ほあって・・・その伝えたいことをどれくらい言えるかが問題なんだな・・・。
僕はいつまでもここにいて動きはしない。
だから君にはいつまでもここにいてほしいな!



2003年02月06日(木) saikai

信号をイライラしながら待っているいると、後ろから肩を叩かれた。
誰かと思い振り返ると隆史だった。彼は軽い感じで手を挙げオッス!っと一言だけ言った。
驚いた僕は『どうしたんだよ!久しぶりじゃないか!』と周りの人も思わずこちらを向くような大きな声を出してしまった。
まあ、気にするなよ!そんなに長くはいられないんだ・・・と隆史はそう言うと笑顔をこぼした。
しかし僕にはその意味が全く理解する事が出来ずに首を傾げてしまった。『どうしてそんなことを言うんだよ!久しぶりに会ったんだ!ゆっくり話しでもしようぜ!』
『いや、ダメだよ。もうすぐ行かなくちゃ!』
『どうして?何処に行くんだよ!』
『いや、帰らないと行けないんだ。兄ちゃん今までありがとな。俺のコト大切に思ってくれてさ。俺、安心して帰れるから・・・』
『だから何処に帰るんだよ!言ってる意味が分からないよ!隆史!』
遠くで何か訴えるような音がしている。気が虚ろながらはっきりとしてくる・・・?
目覚ましの音だった・・・。
そうか・・・と言って出かける前に隆史の慰霊の前に座り線香をあげた。あの軽い感じの笑顔がこっちを向いて今にも『オッス!』と言いそうで仕方が無かった。空は雲一つない快晴だった。



2003年02月03日(月) 神様からのプレゼント

こうしてゆっくり思い返すと失敗ばかりしたけど、
今は間違ってない方向に行ってる気がしている。
ただ間違ってないってことで、もしかしたら間違っているかもしれない。

様様な想いの中で自分を見失うことのないようにしてきたつもりだし、
その想いが君にだけ伝わっていればそれだけでイイと思っている。
それは失敗ばかりした僕への神様からのプレゼントだと思っている。
すごく高価なものを頂いた。
大切に、丁寧に扱わないと・・・壊れちゃうからね!
大事にしていくつもりだよ。
君への想いは写真のようには色あせずに、いつまでも腕の中に。
しまっておきたい言葉も、飾らない君も・・・このためにあるような・・・。
もう少ししたら春だからそのときは一緒に公園でも行ってのんびりしようか?



2003年02月01日(土) 想いの実

止めてた煙草に火をつける。
窓を開け放ちふっと溜息を付いてみる。
強い北風の吹く頃に君への想いは弾けこの場所で実を付けました。
見慣れた景色のハズの坂道が太陽に照らされて目を細めた。

自分の立ち位置さえ分からないままで君への想いをぶつけた。
君への恋心をどうすればいいのかって。
ありふれた言葉しか言えないんだ。
同じようにいつまでも・・・。

煙草の灰が落ちそうになっている。


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