遺書

2006年01月31日(火) 蝉の声、夏の恋人 B

夏には私の恋人が見える

夏が終われば消えてしまう

夏の怪人のような人ですけど


あなたのために作る愛の唄は

見え始めた夏の真ん中に作り始めて

秋頃にやっと出来上がるのですけど

あなたは当然の如く居なくなっています


どうしようもない喪失感は

どうしようもない焦燥は

どうすることもできないので

そっと、机の中にしまっておきます


十六年の、届くことのない愛の唄たちは

今も私の机の中にそっと眠っている

no.1024 (+50
比喩ばっかり。



2006年01月30日(月) 蝉の声、夏の恋人 A

蝉の声を聞き

一六回目の夏を迎えたことに気づく


毎年の事ながら


今年も蝉は鳴く

下準備に七年をかけた最高級の愛の唄を

一瞬に等しい時間で消えていく期間に


私も

使うかもわからぬ愛の唄を

一瞬の一生の中、作り出してゆく


蝉の声を聞き

私も蝉と似たようなものだと気づく


毎年の事ながら


今年も蝉は鳴く

七年の命を懸けた最高級の愛の唄を

自分よりも若い子供とサバイバルをしつつ


私も

一生を懸けて愛の唄を

自分とは違う誰かに、準備している

no.1023 (+50
蝉の一生と人間の一生は
たまに似ている。



2006年01月29日(日) 忘却の彼方


忘れてしまった人
元気ですか?

私がいつかふと
あなたのことを思い出せたとき

笑ってくれますか?


忘れてしまった人
元気ですか?

私がいつかふと
あなたに会いたくなったとき

私は彼方にあえますか?


もう会えない人を
忘れてしまえば

寂しいとも思えない

本当に、本当に寂しいこと

no.1022 (+50



2006年01月28日(土) ラヂオ放送

私が、誰かを忘れてしまうように
私が、誰かに忘れられてしまうのだと

気付いたら、寂しくなったの
だから、涙を流したよ


私のことは記憶の隅っこでいいから
置いておいて欲しいなって

伝わらない想いは
涙になって流れていきます


私は消えはしないのに
私は誰かの記憶から

そっと、消えてしまうのが
とてもとても寂しいのです

no.1021 (+50

ラジオの放送電波は消えることなく、
今も宇宙をさまよっているんだよ。

電波より早く進めば
ヒトラーの放送電波だってつかめるんだ。



2006年01月27日(金) 一日三詩 No.7 (私の)

no.1020 (+48
(私の)言葉に意味はあるのか

生きているだけで
吐き気のする世界で

私は私の言葉を吐いた

もう誰かが口にして
もう誰かが聞き取った

そんな言葉でしかあらわせない私


誰も口にしたことがなく
誰も聞き取ったことのない

そんな言葉は私から出たことはない

私の想いは有り触れた言葉で表現され
私の想いは聞きなれた言葉で想像される

違う、私の想いはそんなことじゃないんだ


生きているだけで吐き気がする
私と、私の言葉のすべてが

もう、どこかで使われているものでしかないから

思いがひとつもこもってない言葉は
もう、この世界と言語には存在しない気がするから

それでも、仕方なく私は吐きつづける
有り触れた言葉の、つまらない焦燥を

私は、


no.1020 (+49
(私の)生活に意義はあるのか

生産しては
消費され

生産しては
消費され

私の詩は作られてすぐに
誰かの心に食されます

そして

誰かの心に何も残すことなく
心から落ちていきます

私の存在意義が
誰かに覚えられることにあるとするなら

食べている瞬間にしか
感じてもらえない私は

ずっと覚えられるものの作れない私は
休み無く詩を生産するしかありません

今日もまた有り触れた言葉を繋ぎ
誰かに消費されてゆく 日常


no.1020 (+50
(私の)嗚咽に意味はあるのか

私の助けてや寂しいの声は
ぐっと、喉の辺りまで出かかるのに
口は出してくれないから

飲み込むしかないの

それを繰り返すうちに
身体中が助けてや寂しいの声に満たされて

なんだか吐き気がします

助けてや寂しいは
そのままの形じゃ出てくれないから

ゆがんだ形であらわして
誰も、気づかない

のです



2006年01月26日(木) Soliloquy.

何になりたいの?
誰になりたいの?

憧れも何も持ってないはずなのに
私は何かに成りたがる

何をしたいの?
愛されたいの?

誰にも触れず孤独でも大丈夫だと思っているのに
私は誰かに触れたがる

no.1019 (+48



2006年01月25日(水) メトロノーム B

鳴らないピアノ
弦の切れたギター

壊れた世界で孤独な私
触れるのは月明かりと星明り

黒い空が終わり青い空が来ると
私はもう一度一人になる

青い空には星も月もない
私は孤独を思い出し体を振っては羽ばたいた

寂しいとか悲しいとかそれだけの気持ちで
この世界から飛べたら良いのに

カチカチと幾度も幾度も振っていても
1mmだって飛べはしないのに

青い空が終わり黒い空になり
星と月が出始めて孤独を忘れてゆく

飛びたいと言う気持ちはリセットされて
実質私を孤独から離してはくれない

不安と安心を往復するメトロノームのような
ずっとずっと同じ事を繰り返して涙するだけの

no.1018 (+48
Aを5回ほど書き直したモノ。



2006年01月24日(火) メトロノーム A

何度羽ばたけば私は飛べるのかな
止まらぬ体を左右に振って
延々と考え続ける

私の影が一度伸びて、戻り
また影が伸びてゆき、消える

カチカチと言う音が響く部屋から
私はずっと抜け出したい
カチカチと言う音が響く部屋には
鳴らないピアノに、弦の切れたギター

使えないものばかりの部屋で
ずっと、ずっと一人で動き続ける

私は、いつ飛べるのか、いつ飛べるのか
また日が昇り、影が伸び、

カチカチと揺らす日が始まる
no.1017 (+48



2006年01月23日(月) 花葬

散りゆく定めと知りながら
綺麗に華麗に咲くことを選ぶ
例え咲いその後死ぬとしても

花が散らぬ夜はなく
人が死なぬ夜もまたなく

花が咲かぬ朝はなく
人が生れぬ朝もまたなく

誰も花を咲かすことは止められず
誰も花を散らさずには生きられず

僕もまた彼女が死にゆく今を止めれず
彼女もまた僕が逝きゆく今を止めれず

僕たちは咲う花の中
笑いながらそっと
意識を消していった

no.1016 (+48
ダブってるかもしれん。



2006年01月22日(日) 憤り

決して殺意ではない
私の中にある赤い象徴

燃え上がっているわけでもない
怒りに似た何か

何が原因というわけではない
生きているだけで蓄積される

放出させることもできない
蓄積させたいわけでもない

繰り返し、繰り返し
これがきっと生きるべき何かなのだ、と

気づくまで大分かかった
これは、きっと、死の気配なのだ

no.1015 (+48



2006年01月21日(土) 楽園の終わりに。

透明な世界を思い描いて、
次にそこに立つ自分を想像する。
その自分のために世界を創り、
創られた世界で、もう一度現実を始める。

一夜限りの楽園を、365日続け
記憶に残らなかった楽園は消えるのではなく、
崩れ去り、記憶の端っこでカスとして残る。
そして、現実で僕が手を差し伸べる待っている。

崩れ去った記憶の欠片は、
僕の手でもう一度文章として生まれ変わり、
読んだ誰かの心の中で再び楽園を生み出すのだ。

no.1014 (+48



2006年01月20日(金) 詩作の終わりに。

綺麗な言葉も旋律も
今の私には一つも謳えやしないのに

今もこうして謳おうとするのは
私がきっと詩が好きだから

no.1013 (+48
もう 言葉が 出ない
と、言うときにいっぱい書いてみるのだ



2006年01月19日(木) 希望の終わりに。

1013.1061

どこまでも行けると信じていた
どこでも生きれると信じていた

どうしようもない絶望の深遠
どうしようもない現実と現状

予定と想定が尽く打ち砕かれたあとで
妄想と理想を口にできるはずもなく

どこまでも行けるはずだった
どこでも生きれるはずだった

妄想を忘れ現実に絶望し
理想を捨て現状を理解し

どこまでも行こうとは思えない
ただこの場所で生きていくしかない

postscript
ああしたい、こうしたい
理想と妄想

現実を前に

ああするはずだった、こうしたかった
現実と現状



2006年01月18日(水) 世界の終わりに。

1012.1060

愛を抱いて、意味もなく
夢を抱いて、意味もなく

立ち尽くして、意味もなく
やり尽くして、意味もなく

避けられない現状を
叶えられない理想を

現実として受け止めて
夢ではないと確信し

世界の全てを、あきらめて
笑うことさえ、あきらめて

もう何も何もしたくはない
あがくだけ無駄だと、眠りこける



2006年01月17日(火) 青春の終わりに。

1011.1059.

変わらない世界の
変わらない日常を

十分に楽しむことも出来ず
私たちは変わっていく

いつまでも変わらないで居ようと
愛を誓った私たちの心にあった

青い春の色は
白く白く朽ちていく

一度染まった色なのに
どうしていつまでも染まれないのか

苦悩する私に
君は笑った

君はしょうがないだの
君は決まりだからだの

そういう言葉で片付けて
思考を停止し現実を受け止めようとする

愛し合うことをあきらめて
私たちが私たちでいることをあきらめて


それがとにかく
嫌で嫌で仕方なく

私は、青い期間限定の恋人だったのかな
私は、どこまでも一緒だと信じていたのにな

笑う君の横で
仕方なく泣いた




2006年01月16日(月) I've hope.


いつまで泣いたなら
私は笑えるのかな

そう想いながら

ずっとずっと泣いてるけれど
いまだに枯れそうに無いよ

1010.1058.



2006年01月15日(日) I've Message

私のメッセージは

あなたに

届いたのでしょうか


つらつらとかきつらねた

宛名の無い手紙


私が笑ったこと

私が悲しかったこと

私が嬉しかったこと


手紙に書いては

贈ることもせず

ずっと、積み重ねている

1009.1057.



2006年01月14日(土) I've Message アサヲムカエテ

あなたの唇を
奪っても、奪っても
奪い足りない

ねぇ、唇をつけたままでも呼吸は
できるよ

だから、このまま

互いの唾液がどっちのものかわからなくなるまで
深く、深く、愛し合いたい

1008.1056.



2006年01月13日(金) I've Time Alzheimer

好きだった君の事を
忘れまいと

目を閉じて居たのに

時間は記憶を
風化していく

君がどんな声で歌ったかとか
君がどんな顔で笑ったかとか

もう何も思い出せなくなって

最後は、

君のことも忘れてしまうんだろうね

戻らない時間がただもどかしいよ
消えていく記憶がただ懐かしいよ

少しずつだけど、確実に
私は、君を

忘れていく

今、流した涙でさえ
そのうちに理由を忘れ、流したことさえも

忘れる

1007.1055.
アイヴ タイム アルツ ハイマー と、読みます
私の時間は消えてゆく。



2006年01月12日(木) I've Time Regret

君が最後に
笑ってくれたから

さよならも言えず
あきらめる他、無かった

君が最後に
笑ってくれたから

僕はもう泣くことも
出来ないじゃないか


涙を流さずに
明日を見つめる


僕の手は
隣にあったはずの

君の手を
握ろうとするけれど

1006.1054.
さよならの代わりにありがとうなんて言われたから、
僕はあの人にさよならを言えなかった。
と、言うより言う場所もなかった。



2006年01月11日(水) I've Message アイノコトバ

もう届かない

過去に向けて言葉を差し出す

あなたに愛されたい


何一つ戻るものがないと知りながら

いえ、知っているからこそ


私はまだ

愛して欲しい

と、呟いている


1005.1053.
もし、あの時愛して欲しいと言えていたなら
僕は愛してもらえたのだろうか。
多分、何の変わりもない。
あの人があれ以上僕に甘えさせてくれるだけで、
何にも無い。あるのは終わりだけ。



2006年01月10日(火) I've Message アルツハイマー

#01
甘いピッツァに私を乗せて
どうぞ食してください

あなたを愛することが叶わぬなら
せめてあなたの一部として

一緒に朽ちて生きたい

#02
忘れ行く思い出と想いを
右手と左手で

白い世界に
そっと、刻む

#03
少しずつ君の記憶が
消えていくのが怖いんだ

だから私は指を動かす
記憶を少しずつ

記録に変える

私が忘れても
そこに私が居れますように


1004.1052.
好きだった誰かのことを
少しずつ、確かに忘れていく



2006年01月09日(月) I've Freedam 手

右手が僕らのすべてを作り出して
右手が僕らの枠を超え自由にする

愛を謳うことや、幸せになること
君を想うことや、誰かになること

鳥のように空を自由に飛ぶことや
魚のように海を自由に泳ぐことが

できずにただ嘆き続け、悲しんで

幸せを謳歌できなくなった僕らに
慈悲深い神様がくれた、最後の愛

1003日目 1,051作品

右手で世界を作って、右手で世界を壊してる
そうだ、とりあえず詩を書こう



2006年01月08日(日) I've Freedam 壱

自由とは

空が綺麗で、山も見えて
空気もおいしい

そんな場所で
安い紅茶を幸せに飲むことである

自ら望んだ誰も居ない場所で
一人でも幸せだと言えること


不自由とは

満員電車の中で恋をするようなモノ

欲しいものに手が届くまで
誰かに気を使い、気を使い、
ようやく欲しいものが手に入る

しかも、それが良いものとは限らない

群れることを好み
自分を消している

ただの、不幸

1002日目 1,050作品
必ずしも、ではない。



2006年01月07日(土) 溺死メモライズ #030918

閉ざされた世界に二人きり

わたしはわたしに問う


忘れ物はなんですか

記憶


大切なものですか

大切なもの


何を望むんですか

わたしは一体何物ですか

誰を信じれば良いんですか


答え切れない問いの中

不意に思い出したキスの

重ねた唇はそれきりで


死んだ人形の手と

ずっと手を繋いだまま


記憶の海に沈みゆく感情と一緒に

哀しい過去も夢も全て抱えて


断片的な甘い思い出に溺れる


淡い淡い記憶に

横切るあなたと


言葉のない島で

出会えたなら


もう一度恋をしましょう

1001日目 1,049作品



2006年01月06日(金) The thousand worlds #days1000


見えないが確かに感じる青い雨、
僕はただ濡れて

唇が震え、新しい言葉を生み落とす
指が震え、言葉を世界に変えてゆく

そうして生まれてゆく

幾多の世界と、重なり合いできた
新しい世界を僕は愛しているし

幾多の世界に、生まれ堕ちた
色々な形の君を僕は愛している

一方的に幾多の世界と君を作った僕は
君たちに愛されていないのだろうけど

親として僕ができることは
せめて、君だけは世界に愛されるように

唇と指を止めず
幾多の世界と君を作っていくことだけなのだ



2006年01月05日(木) うぃるす #020714

心が軋む音がする
ちょっとずつ亀裂が入って
そこから良くないものが溢れ出してくる

君に触れて居たいだの
君を僕のものにしたいだの
必死に抑え続けてきた自分勝手な想い

僕が僕でなくなっていく感覚の中で
僕は君を壊れるほど抱きしめて

999日目 1,047作品
virusをリライト、
もちろん無許可



2006年01月04日(水) ささくれ


私は孤独で

寂しがりや


誰かに触れようと思えば

この腕が誰かを傷つけてしまう


誰も傷つけたくないんだ

だけど、誰かに触れていたい


矛盾する思いが私を苦しめて

一人ぼっちが怖い私は


結局、ひとりになってるんだ

998日目 1,046作品
人と付き合うってことは
傷ついて、傷つけるってこと
じゃないんでしょうか。

それを恐れちゃ、行けないんです。



2006年01月03日(火) 失恋

私は

どこから来て、どこへ行けばいいのですか


道しるべを失った 今

ただ、立ち尽くすだけの

青い春


もう戻らない日々が

とても 懐かしくて

997日目 1,045作品
恋って言うのは一種の道しるべ、だったりしませんか?



2006年01月02日(月) カリヱス

静かな

静かな痛みが
私の頬を通り抜ける

私は

私は奥歯を噛み締め
地獄の終焉を待つ

神経を焦がすダメージは
刻一刻と増えて行き

私の地獄をただ広げていく

地獄を救うメシアはいらない
私がメシアに触れたとき
きっと私の世界は嫌悪感を覚える

だからこそ

私を救ってくれる王子様に会わず

地獄を

神経を焦がす静かな地獄を
延々と繰り返す

冬の日

996日目 1,044作品
カリエス、単なる虫歯のお話



2006年01月01日(日) ヱスケヰプ

口の中に鉄の味が広がっていく
たぶん、それは血

世の中には絶望だらけ
私の中もきっと絶望ばかりなんだろうね

希望的観測、何一つできない
何をやってもうまく行く気がしないね

例えば恋愛なんか

誰かに愛された記憶もないし
誰かを愛した記憶もない

愛に欠陥している私は

きっとこれからも
誰かに愛されることはないし
誰かを愛すこともない

私は
世界には何もないと言い切れる

絶望ばかり詰め込まれた箱の中
いったい何が楽しいのか

絶望ばかり詰め込まれた箱の中
いったい何を求めるのか

何も何も存在しない世界で
口の中に鉄の味が広がっていく
強く舌を噛む

いい加減、エスケープしたいんだ

995日目 1,043作品
血って言うのは絶望の味なんです


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