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2005年04月22日(金) 個人ブログの快適ゾーン

梅田望夫さんのブログで、「ブログにとっての快適なアクセス数は、500-3,000PV/日じゃないか」、というコメントが書かれていた。

「500-3,000PV/日あたりが、Blogを書いていて、けっこう楽しいいいゾーンなんじゃないかな、と思ったりする。そのくらいだと、読みたいと意図して訪ねてくれる人がほとんどで、それ以上になると、背景を知らずに何かの拍子に飛び込んでくる感じの人が増えてくる」〜ブログのPage Viewについて(梅田望夫さんのブログ)

激しく同意。
僕も「500-3,000PV/日」という数字は納得感がある。
もう少し絞ると「1,000-2,000PV/日」くらいが、「現在の僕」にとっての快適ゾーンだ。
アクセスが3,000PV/日を超えると、ノイズが目立ちはじめる。
5,000PV/日を超えると、変なメールが届いたり、2ちゃんねるに晒されはじめる。
7,000PV/日を超えると、あからさまな攻撃を受けることになる。
10,000PV/日に近づくと、もはや制御不能。
ログの解析すら面倒くさくなってくる。
逆にアクセス数が1,000PV/日を切ると、不安になる。

ブログ運営者にとっての快適ゾーンはそれぞれ異なるだろう。
ブログの内容や特性、ブログ運営者の考え方や感じ方はバラバラだろう。

このサイトの先月(3月)の平均アクセス数は2,150PV/日。
3月10日から3月24日の2週間の平均を調べると、3,297PV/日。
最大瞬間風速は3月21日の9,054PV/日。
「1,000-2,000PV/日」という僕の快適ゾーンを超えていたことになる。
複数のネタに対する複合したコメントが飛び交い、一時的にアクセスが集中していた。

あるネタは徹底的にコキおろされ、あるネタは同意あるいは賞賛された。
コキおろしと同意、賞賛を同時に受ける、という面白い状況に僕はいた。
時間とともにコキおろされたネタに対する同意、賞賛や、同意、賞賛されたネタに対するコキおろしも始まり、ワケのわからない状況に陥っていった。
同じ文章でも人によって受け取り方は様々だ。

僕はそれほど過激な内容は書いていないつもりだ。
僕には確固とした思想信条があるわけではないので、特定の思想信条を持った人から攻撃を受けにくい、と思っていた。
ほとんどはビジネスマン向けの内容だ。
ニッチな事しか書かない。
一般ウケしそうな事や時事ネタはほとんど書かない。
一般メディアや他のブログ、掲示板等で、既に伝播しているようなネタは書かない。
書いている場合は、個人の視点で書いている。

僕のサイトは閉鎖系コミュニティーであるイントラネットから始まっている。
閉鎖系コミュニティーの限界を感じて開放系のインターネットに移行した。
メジャー志向ではなく、特定の層を対象とするつもりだった。
サイト開設時の読者の大半は、リアルの僕を知っている人たちだった。
僕は、リアルの僕を知っている人だけのコミュニティーの限界を「少しだけ」広めよう、と考えていた。

でも、開放系のインターネットによる情報配信は、僕が想定する特定層だけにきちんとリーチできるわけではない。
僕のサイトはリーチしたい人にきちんと届くほどメジャーではないし、それ以前にアクセス数が増えていくと、想定外の読者が増えていく。
そもそもの想定読者がニッチ層なので、アクセス数が増えると想定外の読者比率のほうが高くなっていく。
閉鎖系コミュニティーでは、もともとのパイが小さ過ぎるし、開放系のインターネットでは、パイが大き過ぎる。
雑誌のように読者層が限定されるような形態をとることができると良いのだけれど、ネットはカオスだ。

だったら、mixiなりGreeで書けよ、という話にもなるのだけれど、SNSの雰囲気は好きではない。
僕にとってのSNSはリアルの人間関係の延長線上、あるいはリアルの人間関係すら正確に反映していないいびつな存在だ。
SNS上の僕の登録キーワードは「洗濯機が回ってるのをながめる」、「親指が90度以上まがる」 だ。
「洗濯機が回ってるのをながめる」のが好きで、「親指が90度以上まがる」人は僕の仲間ですう、お友達になってくださいっ、ってか?

僕の周りにいるコンサルタントたちは、目立たないように気をつけながらネットで発言している。
僕が「リンクをはってやろうか?」というと、100%の確率で「勘弁してください」と返される。
僕のサイトはコンサルタントにとっては、危険ゾーンらしい。

僕は、サイトのタイトルに「斜めうえ」と表記している通り、「いかにして視点をズラすか」、に力点をおいている。
あえて少数意見の立場をとって、文章を書いているつもりだ。
ストレートな視点にたった意見は他のメディアなりサイトで見てください、というのが基本的なスタンスだ。
「意図的」に視点をズラしているつもりなのだけれど、アクセスが増えてくるとそれを理解しない読者が増えてくる。
なかには「本音は違うんじゃないか」といった深読みの批判まである。
文章外の本音の部分にまで踏み込まれて批判されても、僕としてはどうしようもない。
アクセスが増えてくると、僕自身は少数意見を自認し、視点をズラして書いているつもりであっても、そうは理解されなくなっていく。
ストレートな視点をすっ飛ばした少数意見であり、そもそもの視点がズレているのだから、攻撃に遭うのかもしれない。
過激な意見は書いていないつもりなのだけれど。

僕にとっては「1,000-2,000PV/日」あたりが、読みたいと思ってきてわざわざアクセスしてくださっている読者比率が最も高いと思われるので快適だ。
バカ、アホ、死ね系の批判はスルーするとして、建設的な批判、意見や僕の誤認を指摘してくださるありがたい読者のほうが圧倒的に多いのも事実。
ブログの可能性と限界ってどのあたりなのだろう?
メディアとしてのブログはまだ成熟していない。
これからも様々なサービスにより変化していくのだろう。
ネットコミュニティーやネットメディアの進化状況をリアルタイムで体感できる環境にいられる事は面白い。

■ブログのPage Viewについて(梅田望夫さんのブログ)
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20050413/p1




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