胸にすとんと何かが落ちた。 車谷長吉さんの「赤目四十八瀧心中未遂」を読んだあとだった。 昂揚したのではなくて、精神が静かになった。 静まり返った精神は、好ましかった。
それからエッセイ集「雲雀の巣を捜した日」を引っ張り出し、 気になっていたところを読み返した。 去年出版された「文士の意地 車谷長吉撰短編小説輯」に収められたもの、また収められなかったけれども車谷さんが推挙する短編小説の一覧である。 車谷さんは「小説の醍醐味は短編小説にある」という方なのだ。 選んだ基準のひとつは「言葉に人の生魑魅(いきすだま)が息づいているかどうか」であるという。
84名あげられているうち、自分の読んだものをチェックしていった。 夏目漱石、森鷗外、内田百�痢�吉行淳之介、多和田葉子、川上弘美…。それだけ。 それ以外の作家はほかの作品を読んでいるか、全くの未読であった。 自分の読書量があまりにも少ない気がする。
古い作家が多い。もう一度本棚をさらえてみて、読めるものがあったら次々と読んでいきたい。 ただ、短編の収められている「日本文学全集」は少ない。 図書館で個人全集や文庫を細かく調べてみようと思う。
「『雨瀟瀟』永井荷風」 など書名だけでずいぶんとそそられる。
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