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2005年12月13日(火) 保証書つきの身体

先日、レーシックの定期検査を受けてきた。
僕は、2年前にレーシックの手術を受けている。

そして、僕の目には、3年間の保証書がついている。

手術後、3年の間に視力が落ちたら、再手術できる、というもの。
保証書のために、年に一回は定期検診が必要なのだ。

検査結果は、異常なし。
良好とのこと。

が、しかしだ。

例によって、暗いところにいくと、ハレーションが強い。
明るいところでは、完璧な見え方なのだけれど、暗いところで光源が多いと、ハレーションで見づらくなる。
僕の瞳孔の周辺に、角膜を切ったときに出来たと思われる「バリ」のようなものができているせいである。
暗いところで瞳孔が開くと、角膜の外周のバリの部分が露出するので、ハレーションが起きる。

通常は、半年程度で自然治癒するらしいのだけれど、僕の場合は、まだハレーションが残っている。
日常生活には、これといった支障はないので、構わん、といえば構わないのだけれど、完璧ではないのが気になる。
特に、夜にクルマやバイクに乗る際にはハレーションは鬱陶しい。
前を走っているクルマのテールランプや信号の矢印が、にじむので疲れるのだ。

視力は問題ないし、ハレーションは再手術でどうにかなるものでもないので、保証の対象外だ。
何とかならんのか?と、医師に聞いてみた。

すると、目薬を処方してくれた。
本来は、緑内障用の目薬だそうだ。
瞳孔をあまり開かないようにする目薬。

夕方にその目薬をさすと、その夜だけに効くらしい。
一晩で効果は消えるので気になるときにさしてください、とのこと。
健康保険対象外の処方なのに、1本150円。
保険外の診療なので、診療報酬のほうが圧倒的に高い。
一般の眼科では処方してもらえないので、診療予約も面倒だ。
とりあえず、2本処方してもらった。

実際に試してみた。
何の刺激もなく、効いてんのかよ、という不安がよぎる。
が、夜になって外に出てみるとあら不思議。
ハレーションがあっさりと消えていた。
瞳孔をあまり開かないようにする薬なので、視界が暗くなるのか、と思ったけれど、視界が暗くなったようには感じない。
光源を見てもハッキリクッキリ。

目薬がなくても、日常生活にはこれといった支障はないので、クルマやバイクに乗る前に気づいたら、さすことにしよう。
こんなに効くなら、10本くらいまとめて処方してもらっておけば良かった・・・。
1本150円なので、10本でも1,500円だ。

ケミカルによって、睡眠時間の自由なコントロールに加えて、眼も調整可能になった。
クスリのおかげで早寝早起きの規則正しい生活。
クスリのおかげで裸眼視力でクルマの運転。

便利な世の中、というか、手術やケミカルで超健康体をキープしている、っていうのもオールドタイプの僕にとっては、まだ少し違和感がある。
メガネもいらないし、生活は規則正しいし、人間ドックの成績はオールAだ。
現在の僕は、一般の人と比較しても医学的には完全な健康体である。
ネットワークによる脳の拡張に加えて、手術やケミカルによる身体調整。
僕の身体の健康は、テクノロジーで保たれている。

保険ではなく、保証書がついている僕の身体。
僕は、どこまでが生身なんだろう。




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