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2005年10月26日(水) リクエストに応じて、ギブソンのフライングVを買ってきました

僕が当サイトでギター自慢をしたら、BBSで「フライングV買ってください」というコメントがあった。
正直、やられた感があった。
何を隠そう僕の中学、高校時代のメインギターはフライングV使いだったのだ!

とは言っても、ギブソンのフライングVを中高生が買えるハズがない。
僕が中高生時代に愛用していたのは、近所の楽器兼工房が勝手に組み立てたコンポーネントの格安フライングV。

濃いメタリックブルーにミラーのピックガード(自作)。
ピックアップはリア一発のみ。
トーンコントロールもなし。
そして、当時の僕はアーミング小僧だったので、フロイドローズ(もどき。後付け)という仕様。
80年代のメタル魂が炸裂していた中高生にとっては、理想的なギターである。
そのフライングVは大学生の頃に友人がどうしても欲しい、というので譲ってしまった。

フライングVから離れて何年かが経った。
ライブをやらない今の僕にとって、変形ギターは意味が無い。
自宅で一人で弾くだけなんだからギターの形は自己満足である。
最近は、小さくて、テレビを見ながらだらだらと弾くのには最適なので、スタインバーガーばかりを弾いている。
僕の心のメインギターはギブソン・レスポールなのだけれど、スタインバーガーは、そのボディの小ささ故に、テレビを見ながらソファに寝転がって弾くには最強なのである。
オールグラファイトボディであるせいか、音に癖もないのでアンプやエフェクターのセッティングに素直に反応する。
優等生ギターと言えよう。
モデリングアンプを通したら、アコギの音さえ出てしまう。
でも、音としては、ギブソンレスポールカスタムの俺様仕様が最もお気に入りである。

今回、入手したはギブソンのフライングV。
色はクリームホワイト。
ギブソンのフライングVは、クリームホワイト以外はローズ指板なのだけれど、なぜだかクリームホワイトだけは、エボニー指板。
理由がわかんねー。
僕は、どちらかと言えば。ローズ指板よりもエボニー指板のほうが好きだ。
たぶん、ローズよりもエボニーのほうが木材としての比重も密度も高いのだろう。僕は、ローズ指板とエボニー指板だけが異なるレスポールを所有しているのだけど、ローズ指板とエボニー指板では、指板の素材が異なるだけなのに、明らかに音の性格が異なる。
エボニーのほうが硬質な音。
ローズのほうが柔らかい音。
エボニーのほうがザクザク。ジャキジャキしたロックな音になる。

「BBS上のリクエストにお応え」&「中高生時代を思い出せ!」ということでギブソン・フライングV。
どうせいつかはまた買うんだろうな、と思い続けていたギターである。

いきなり買っちゃったのは、楽器屋で店員が値札をつけ間違えたとしか思えない価格で売られているのを発見したからである。
僕は、ギタークエストの勇者として、ネットでも常に掘り出し物ギターを物色している。
いつものように楽器屋のサイトを覗いてみると、1996年製の中古フライングVが格安で出ていた。
僕は、その格安フライングV目当てで、その楽器屋に行った。
店内を見渡すと、フライングVがあるではないか!
が、そこにあったのは中古ではなく、どう見ても新品のフライングVであった。
1996製の中古を求めていったのに、2005年製の中古フライングVを発見。
通常では考えられないプライスタグがついている。
ギブソンのフライングVの実勢価格は13万円前後である。
それが、8万円を切る価格で店頭に並んでいた。
即買いだろう。
店員が気づく前に買っちゃえ!
中古、と書いてあるがピックガードのシールさえ剥がされておらず、どうみても新品。
傷もなければ、弾きこんだ形跡すらない。
5分で中古になったのであろうか?

弾いた感じ。
ギブソン・SGのカタチ違い、と言ってもいいだろう。
びっくりするぐらい弾き心地、音ともにSGに近い。
僕の場合、色も同じクリームホワイト。

フライングVはレニー・クラビッツだ、ブルース愛好家もフライングVは愛用されている、と言われる。
でも、僕にとっての白いギブソン・フライングVといえば、やっぱりマイケル・シェンカー以外にない。
80年代に輝き、神と称されたマイケル・シェンカー。
今は、精神病院には入院していないのかな?

フライングVをいじくりまわしていて感じたのが、これほどまでにトーンコントロールをゼロにすると楽しいギターはない、という事である。
僕の場合、ギターのトーンコントロールは基本的にフルテン(10)である。
トーンコントロールなんてほとんど使わないので、存在なくてもいいくらいだ。

このフライングV。
トーンコントロールがミソだったりするのである。
フライングVの音の良さは、トーンコントロールを絞ったところにあるようだ。
フライングVと言えば、クライベイビー半踏みが基本なのだけれど、トーンコントロールをいじれば、結構それなりの音がする。
ついつい「Into the Arena」を弾いてしまう。
ミッドレンジブーストの鼻が詰まったような、あの音。
トーンコントロールを絞った状態が僕のイメージする正しいフライングVの音。
エロい。
実にエロい。
レスポール・スタンダードもエロい音がするけれど、フライングVも違った領域で負けてはいない。
レスポールのエロさは甘さとサスティーンの伸び。
レスポールは艶っぽいエロさだけど、フライングVの音のエロさは、イキたいのを必死で我慢している感じの悶えのエロさ。
フライングVはトーンを絞って、ギターを股に挟んで、チョ−キング時のイキ顔で弾くのが正しい。
世の中ではエアギターなるものが流行っているそうだが、ロックギターに必要不可欠なのは、恍惚としたイキ顔である。

フライングVはイキ顔が出しやすいギターだ。
ギターのVの部分をお股にはさんで、ロングトーンのチョーキング。
フィードバックを使って、チョーキングの音を延々と鳴らしつづける。
その時の恍惚に満ちたイキ顔がロックなのだっ。

趣味の少ない僕の、ギターがそろそろ20本近くに増殖してきた。
でも、僕は計画的に段取りを進めている。
僕の自宅には、21本のギターコレクションにまで耐えられるギタースタンドを用意しておいた。
まだ、キャパシティーはあるぞ、と。

問題はむしろギター本体ではなく、ギターケースの置き場である。
20本近いギターにはことごとくハードケースがもれなくついてくる。
当然ながらハードケースはギターよりもずっと大きい。
ギターの置き場所には困っていないのだけれど、ギターケースは弱りモノ。
20本近くのギターの大半がハードケース付属なのである。
どうすんだ、コレ。
押入れが20個近いギターケースで埋まっているぞ。

とりあず、一人で恍惚としたイキ顔でフライングV。
一人深夜にイキそうな顔をしてギターを弾いているおっさんは見苦しい。
それでも僕は、アホみたいにギターを買い求め、何の目的もなく、ただただイキたいがためにギターを弾き続けるのであった。
肉体的にイクよりも、ギターでイクほうが、イちゃった感が強い僕なのであった。




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