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2004年10月06日(水) ニュース23の「WAR & PEACE」

先日、ニュース23で「WAR & PEACE」という15周年記念企画でHuman Audio Spongeとして細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏の3名が集結する、というので録画して見た。

僕としては、Human Audio Spongeが出演する今週末のsonarsound tokyo 2004のチケットを取っているので、「予習」として見ておきたかった。

見た感想。

ひどい・・・・・・・・・・・・。

坂本龍一制作の「WAR & PEACE」はただのやっつけ仕事。
2200人の一般公募から集められた戦争と平和に対する詩をサンプリングして編集しているのだけれど、「作品」としてみれば素人レベル。
とてもプロの仕事、坂本龍一の作品とは思えない出来栄え。

2200通の作品から選んだ、と言っても99%は使い物にならない作品だっただろうから、素材そのものがロクでもなかったのだろう、という事情はわかる。
僕も1500通の応募作品があった某モノ書き賞で、「20分で書いた文章」で、大賞を受賞したことがあるが、選者によるとダントツ一位の大賞受賞だったそうだ。
素人の作品はほとんどは選考対象にすらならないほどレベルが低い。
詩を一般公募にした時点で既に企画倒れなのだけれど、それにしてもひどかった。

戦争と平和がテーマなのだけれど、戦争体験も何もない一般人の作品なので、心に全く響かない。
そのうえ、ニュース23及び、坂本龍一はこのどうしようもない詩を何とかおもしろくするために、日本人の大半を占める一般人である「サラリーマン」を一人も登場させることはなく、「きこり」などの意表を突いた人選で逃げようとした。
作品である詩がどうしようもなかったので、職業で意表を突こうとしているのがミエミエ。

戦争とも平和とも関係のないただのマスターベーション。
素人の「作品」とはとても言えない詩が続く。
公共の電波で特集を組み、時間延長までして放映するようなレベルじゃない。
少なくとも僕には音楽としてもメッセージとしても響かなかった。
戦争と平和について考えたいのならガンダムでも見てろ。
今週末から新シリーズが始まるのでタイミングもいいぞ。

筑紫哲也も坂本龍一も思想的には偏向しているけれど、それは別にどうでも良い。
筑紫哲也は「ひとつの視点」として意見を述べれば良いし、坂本龍一はミュージシャンから文化人になりたいのだから、メッセージを発信すれば良い。
メディアリテラシーのない国民はひっかかるかも知れないけれど、それは偏向した視点を見破れない国民が悪い。
「多事争論」は「多事」だし「争論」だ。
筑紫哲也の視点はあくまでも「ひとつの視点」であって、正しい視点ではない。
そこは筑紫哲也もわきまえている。
筑紫哲也は自分の偏向した視点を自認していて、それに対して「争論」したい、と言っているのだ。
でも今回は、その偏向した視点すら見えなかった。
戦争反対、平和推進。
唱えていれば実現するようなものじゃない。
念仏仏教じゃないのだから。

かつてYMOはスネークマンショーで戦争を茶化すことによって、逆に戦争反対のメッセージをうまく表現できていたではないか?

僕の本命であるHuman Audio Spongeのライブも放送されたが、予想通り、坂本龍一はラップトップをいじっているだけ。
ラップトップはエンターキーを押したら、終わりだろっ!
エンターキーを押したら、あとは生ピアノを弾くくらいのことはしてくれ、いや、してください、お願いします。

sonarsound tokyo 2004でHuman Audio Spongeはどのような「演奏」をするのだろう。
できれば、ラップトップのエンターキーを押すだけではなく、少しでもいいから「演奏」して欲しいなあ。

■ニュース23 15周年企画 坂本龍一 WAR & PEACE
http://www.tbs.co.jp/news23/kokuchi/041004kokuchi.html




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