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2003年08月14日(木) 街の中心部がどんどんとさびれていく

僕の実家はアーケードの商店街にぐるりと囲まれた場所にある。
実家周辺はアーケードに囲まれているので、雨が降っても傘がほとんどいらない。
レンガ舗装の車両進入禁止のアーケードの商店街。
クルマが侵入してこないので、子供の僕の遊び場としても安全だった。
商店街のお店が閉まった後も、アーケードには照明がついていたので、夜も明るい。
買いものは徒歩5分以内でなんでも揃っていた。
夏になると毎週土曜日は夜店の屋台が出て、にぎやかだった。

が、しかし。

帰省するたびに、その商店街はどんどん、どんどん、どんどんとさびれていった。
半年くらいの間を空けて、帰省すると2−3軒ずつのお店が潰れている。
とうとうアーケードまでとりはずされてしまった。
このところは虫食いの空き地だらけである。

全国どこでも見られるように、街の商業機能が郊外へと少しずつ移転していったためである。
数年前、国道沿いに、巨大なショッピングセンターができた。
そのショッピングセンターは夜の10時まで営業している。
同じように、国道沿いにはお店が続々と増えつづけている。
ファミレス、ハンバーガーショップ、コンビニ、家電量販店、ディスカウントショップ、カー用品店、本屋、レンタルビデオ屋。
それらは全て、広い駐車場を備え、夜遅くまで営業しているチェーン店。

ショッピング機能が郊外に流出するにつれ、昔ながらのアーケードの商店街はお店の経営者も客も老人ばかりになり、さびれていった。
僕の実家のアーケードの商店街は狭くて駐車スペースもないにもかかわらず、店舗の家賃だけは高いのだそうだ。
新しく店を作ろうにも、土地は狭いし、家賃は高い。
郊外に移転するはずである。

日本全国、というか世界中の街の風景がどんどんと同質化しているような気がする。
アメリカに行ってもヨーロッパに行っても、ショッピングセンターは街の中心部ではなく、大きな道路沿いにあり、巨大な駐車場を備えている。
街の中心部はさびれるばかり。

実家のさびれつつある街並みを見ると少しさみしい。
全国どこでも、いや世界中の都市の中心部は空洞化しつつある。

六本木ヒルズに見られるように、街の中心部が再度活性化している東京は先進的なモデルだ。
麻布十番だって、下手すりゃただの下町に成り下がっていたかもしれない。

これから数年後、日本の地方都市は街の中心部の活性化ブームに沸くのかもしれない。




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孤独に歩め 悪をなさず 求めるところは少なく 林の中の象のように

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