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2003年04月30日(水) 本末転倒な携帯電話の背面液晶の進化と回転液晶端末

ドコモの「SO505i」、KDDIの「A5305K」と、回転型の端末が立て続けに発表された。

これらはある意味、携帯電話の正常進化だとも言える。
一見、突然変異種の変態携帯電話に見えるけれど、実は正常進化種である。

ここ最近、折りたたみ式携帯電話の背面液晶は巨大化しつつあった。
背面液晶の巨大化、高機能化競争である。
このまま行くと、背面液晶は内側のメイン液晶画面と同じ大きさ、同じ機能を持つことになる。

おいおい、なんのための折りたたみ型だよ。
折りたたみ型なのに、背面、メインともに同じサイズ、機能の液晶を搭載・・・。
本末転倒。

せっかく携帯電話が折りたたみ型になっているのに、背面液晶が巨大化したら折りたたみの意味がないのである。
iモードの出現以降の液晶画面のカラー化、大型化に伴う、折りたたみ型へのシフトは必然的だった。
折りたたみ型のもつメリットは、液晶画面の保護、閉じている場合の省電力消費、ストレート端末に対する巨大化の防止、と言ったところだろうか。

折りたたみ型のデメリットを補うための背面液晶の搭載も必然だった。
折りたたんだ状態で最低限の情報を取得するための背面液晶の登場は、確かに便利だった。
正常進化の範囲だった。

ところが、更なる進化のためには背面液晶をメイン液晶と同様の大きさにし、同様の機能を持たせる必要が出てきてしまったのである。
本来の背面液晶はあくまでもサブ液晶なので、最低限の情報だけを取得できれば良いハズである。
ところが、スペック重視のマーケットも消費者もそんな事は許さない。
正確には進化というよりも、差別化に過ぎないのだけれど、単純でアホな方向に一直線に進化していく。
背面液晶がどんどん巨大化して、裏と表に同じ液晶画面がついてしまい「あれ?何で折りたたみ型なんだ?」。

と、いうことで背面液晶が巨大化、高機能化した結果、内側のメイン液晶が存在する必然性がなくなり、とうとう消滅してしまったのである。
つまり、回転型端末は突然変異種ではなく、正常進化種なのである。

このまま携帯電話が「正常進化」していけば数年後には、18インチ液晶、QWERTYフルサイズキーボード、10倍ズーム一眼レフ、3CCDビデオカメラ、HDD、DVD/RW搭載みたいな。

そろそろ、携帯電話は単純な画面の巨大化、高精細化みたいな単純な差別化競争のための「正常進化」から、本当の意味での突然変異種の登場が必要だ。
携帯電話の仕様はメーカーではなくキャリアが決めているはずなのに、どうして単純でアホな方向へと一方的に進化してしまうのだろう。
と、いいつつ僕はアホな方向に進化した携帯電話が発売されるたびに「発売日ゲットだぜ!」などと言いながら買い換えているのであった。

■回転型端末〜液晶が回らなくてはいけなかった理由
http://www.zdnet.co.jp/mobile/0304/28/n_kaiten.html




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