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斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」

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2003年01月13日(月) 20才だった。

今日は成人の日。

成人式の頃の僕は大学にもロクに行かず、音楽が生活の中心だった。
パソコンと多重録音機器に囲まれたスタジオみたいな部屋で宅録に明け暮れていた。
PAのミキサーや編集スタジオのバイトをしながら、音作りの勉強を続けていた。
春にレコーディングが決まっており、準備に忙しかった。
もう何年も前の事だ。

僕の20才のお正月は大阪の梅田にあるEST−1というショッピングセンターのお正月イベントライブへの出演からはじまった。
FM大阪主催の企画モノライブで、番組収録を兼ねていた。
僕らは観客の声をその場でサンプリングして即興で演奏したり、ピッチチェンジャーを使って女性の声で歌ってみたり、ダンサーにMIDIのセンサーをつけて踊らせたり、といういわゆるキワモノ系の演奏をした。

その数日後にFM大阪のスタジオで番組収録。
トーク部分の収録。
バンドのメンバーと一緒に僕はボソボソとしゃべった。
何を話したかは全然覚えていない。
成人式の日に僕らの演奏とトーク部分はFM大阪で放送された。

僕は成人式には出席していないので、これが僕の20才の成人式の記憶。

あの頃の僕は何になりたかったんだろう。
今になって思うと、音楽漬けの毎日だったけれどプロのミュージシャンになりたかったワケではない。
何モノになりたいワケでもなかった。
何モノでもない時間を楽しんでいた。

当時はバブルで、別に勉強をしなくても簡単に大企業に就職できる時代だった。
僕は大学生活の4年間は好きな事だけをして過ごすモラトリアムの時期だと割り切っていた。
遊びまわっていても、食いっぱぐれることはなかった時代。
僕は4年間を音楽三昧で過ごした。
将来の事など何も考えていなくても何とかなった。

今の20才は不幸だ。
明るい未来を期待できず、遊ぶことを忘れてひたすら勉強するか、全てをあきらめて遊びまくるか。
どっちにしても、幸せな20才だとは言えない。
No Future。
せっかくの自由な大学生活、20才を不安のなかで過ごすしかない。
今の時代に僕が成人を迎えたならば、僕は髪を逆立てて「No Future!」と叫んでいただろう。

20才の頃の僕が今の僕を見たら、何と言うのだろう。

「ロック魂を忘れたんか!」

きっとこれだな。




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孤独に歩め 悪をなさず 求めるところは少なく 林の中の象のように

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