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2002年11月23日(土) 近くて遠い「成りあがり」

矢沢永吉の「成りあがり」をTVでやっていた。
ついつい、惰性で見てしまう。
確か、所ジョージが「成りさがり」っていうパロディー本を出していた。
所ジョージは全く成りさがってないけど。

僕は矢沢永吉はTVのCFで見かける程度で音楽を聴いたことはない。
ファンだという人も見たことがない。
深夜のドンキホーテに集まる人々には身近な存在なんだろうけど。

今となっては音楽の世界であのようなカタチで成りあがることはなかなか難しい。
音楽のジャンルが細分化されてしまってるし、メガヒットはシステム化されたプロデュースシステムのなかからしか生まれない。
ライブハウスを地道に廻っていても成りあがれない。
せいぜいカルトのカリスマ。
モーニング娘のオーディションに応募するほうが高確率で成りあがれる。
成りあがるためには、ハガキを書きまくれ。
まずは投稿雑誌でも買って来い。

成りあがっても持続することは難しい。
消費されるだけだからね。
今の僕なら成りあがった奴らを消費する側に回る。
上昇志向の強い若者を食い物にする悪い大人。

僕は「成りあがり」の中の登場人物で言えば「俺、大学4年だし、就職活動があるし・・・」と言って去っていったメンバーに相当する。
僕も学生時代はインディーズで活動していたけれど、何の未練もなくサラリーマンになった。
僕の学生時代については書いてくれている人がいる。
ここに出てくるペータースのオクノジュンというのが僕だ。
http://homepage1.nifty.com/hebon/fhp/fhp_24.htm#bands

「キャデラックに乗りたくねーのか?」
乗りたくないです。

ほんの2−3年前、ネットバブルの頃。
「今のままがんばったってせいぜい年俸1億くらいだろ、俺はIPOで50億めざす」と言って何人もの「成りあがり予備軍」が勝負に出た。
そんなのはアホな夢、とも言えない。
実際、当時はかなりの高確率だったから。
「成りあがり予備軍」のなかの何人かは本当にIPOまでたどり着いた。

僕は逆にベンチャーを畳んでさっさと安定収入の生活に入っていた。
様々な誘いもあったけれど、断っていた。
成功した人達に対して、僕は嫉妬を感じない。
僕は成りあがることに興味がないのだ。
成りあがった人たちを批判するつもりなど、毛頭ない。
すごいエネルギーだな、と素直に感服する。

僕がかつてベンチャーを設立したのは自分のやりたいことを自由にやれる環境が欲しかったからだった。
大企業のなかでは意思決定のプロセスが長すぎて、社内調整だけで消耗してしまう。
ベンチャーを畳んだのは、ベンチャーであっても結局のところは出資者が存在するわけで、自由が得られなかったからだ。
資金、人材のリソースが少ない分、かえって不自由だった。
特に人材の問題は深刻だった。

僕は自由が得られさえすれば、別に成りあがらなくてもいいんだよね。
自由を得るために成りあがる必要があるのなら、成りあがる必要もあるけれど。

ま、結局のところ、成りあがるために必要なエネルギー源である「強烈なコンプレックス」もなければ、「過剰な自負心」も「上昇志向」もない、ってことでしかないのだけれど。
僕はサザエさんみたいな家庭で、のほほんと育った。
タラちゃんが成りあがる姿は想像しづらい。
あはは、単なる負け犬の遠吠えですね。
成りあがった皆様、今度会ったらビールでも奢ってください。

今の僕の仕事は成りあがった人達の知恵袋。
とんでもなく高いフィーを請求するので、既に成りあがった人しか僕に仕事は頼めない。
成りあがってビッグになったのはいいけれど、本当のところはいつ落ちぶれるか怖くてたまらない、そういう人は僕に連絡ください。
成りあがりの目安は年間売上3,000億くらいです。
そこんとこヨロシク!




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