日々の泡

2013年11月01日(金) トマスHクック著「ローラ・フェイとの最後の会話」読了

意外にも最後はハッピーエンドだった。「それじゃ、ルーク、人生の最終的で最大の希望は何なの?」彼の別れた妻のジュリアの問いかけが冒頭にある。その時彼は答えることができなかったが、今はその答えを知っている。そんな魅力的な始まり。誰も逮捕されたわけではないが、明らかにこれはミステリーだった。(それはそうだ、ポケミスなのだから)二流大学の講師をし、売れない本を書き、その本を売るために講演をするが誰一人サインを求めに来ない。ただ一人、ローラフェイを除いては。何やらいわくありげな女性とルークは連れ立って一杯飲みに行くことになる。20年前にルークは父親を殺されるが、それはローラに捨てられた夫によるものだった。ルークも自分の父親とローラの関係を信じていた。父親とルークの確執。グレンヴィルの町からも逃げ出したくてたまらなかった。ローラと話している内に過去の間違いに気づいていくルーク。無学で執るに足りない女性だと思っていたローラはしかし好きな映画から人間や人生についての叡知を学んでいた。実際に初めは田舎の女性だと思い、その語る言葉もいい加減に読んでいたのだが、次第に彼女の話に引き込まれていた。最後までルークを追い詰め、ついには彼がお金ほしさに、自殺をはかった母親を見殺しにしたことを認めさせる。だがそれはルークを救済するためだった。余命いくばくもないらしいローラを見守りながらグレンヴィルで暮らすことにしたらしいルークの元にはジュリアが戻ってくる。人生の最後を自分を大切に思ってくれる人に看取られること。それが冒頭の答らしい。


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