日々の泡

2011年09月25日(日) パット・マガー著「四人の女」読了

9/27 京王線府中駅7時8分の各駅停車に乗るのが、震災以来の習慣となった。5,6月は結構会社の仕事関係の本を読んだが、今は思う存分本を読んでいる。読了後、訳者をみたら、私より10年先輩にあたる同窓生だった。パットマガーは大胆な手法を用いる米国ミステリー界ではあ異色の存在らしい。他に七人のおば
」などの著書があるとのこと。この書名は図書館で見たことがあるので早速借りたいと思う。1950年代の作品というから古典なのだ。訳者がいみじくもあとがきに書いている通り、人物描写が優れているので古さを感じさせないらしい。あとがきを読むまでは最新の作品だと思っていたが、考えてみるとどこか違和感を感じたこともあった。パソコンも出てこないし。 そうそう!思い出した。何かというとタイプライターを打っているので、そんな風に感じもしたのだ。ラリーの殺意にはうなづけるものがあった。やる気、情熱、夢が一瞬にして空虚なものになる瞬間ほど恐ろしいものはない。ラリーの第一子が偽物となることへの嫌悪は妻に語った自分の夢を思い出させる。殺害される筈だった最初の妻、シャロンは彼女だけが彼の本質を見抜き、また、唯一彼を心底愛していたことは皮肉であった。ドライサーに言及している場面があった。この作品は「アメリカの悲劇」の一つであろう。その意味でもこれは確かに1950年代の作品だったのだ。シャロンは彼の良心だった。彼女の存在がある限り、ラリーはもう生きて行けなかったのである。


 < 過去  INDEX  未来 >


para