***☆For My Dearest☆***



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男でも女でも関係ない。1人の人間として。
そうるはあたしにとって。かけがえのない最愛の人。

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2003年09月12日(金)本物の優しさ。

日記をしばらく書けんかった間。
あたしには2つの事件があった。

まずひとつは。昨日の日記で書いたこと。そうるとのこと。
そしてふたつめは。これもそうるとのことやけど。
ある意味で。ひとつめのことよりも衝撃的なことやった。

それは。そうるのバイクで事故ったこと。


久しぶりに2人で出かけた帰りやった。
いつも行くスタバで。2人でいろいろ話してた。
それは。あたしとそうるがぐちゃぐちゃに揉めた次の日で。
泣き出さんように。必死で我慢しながら話してた。
あたしのカプチーノは冷めきってた。
そうるのアメリカンはちっとも減ってなかった。
2時間ぐらい向かい合ってたけど。何を話したかあんまり覚えてへん。

夕方になって。そうるはバイトがあるってことで。
ちょっと急ぎながら。あたしを家まで送ってくれた。
いつも通ってる慣れた道。15分ほどの道。何の問題もないはずやった。
というより。実際そうるの運転は何ひとつとして悪くなかった。

悪かったのは。完全に相手の車やった。

家まであと5分ぐらいのところ。大通りから住宅に入る道。
そうるが右折したところに。信号無視の直進車がつっこんできた。
ぶつかると思って。スローモーションのように時間が過ぎて。
怖い。怖い。やばい。やばい。そう思った直後。あたしは飛ばされた。

そうると気まずくなってたからやろうか。
あたしは。あんまりそうるにくっついてなかった。
いつもなら。強く抱き締めるそうるの背中やのに。
その日にかぎって。シャツを軽くつかんでるだけやった。
だから。そうるはバイクと一緒に転がったけど。
あたしはそうると引き剥がされて。5メートルぐらい吹っ飛んだ。

全身を叩きつけられて。息ができんくなった。
痛いとか痛くないとか分からんかったけど。動けんかった。
混乱した頭では。状況がよく把握できんかったんやけど。
ちょっと離れたところで。バイクと一緒に倒れてるそうるを見て。
あぁ・・・これは事故なんやと思って。大パニックになった。

どうにかバイクを起こして。起き上がったそうるに。
ぶつかってきた車から若い男の人が2人降りてきた。
バイクの左側は大きくへこんでた。地面に擦れた右側には傷がついてた。
そうるに近づいた男の人が最初に言ったことは。
「すみません」でも「大丈夫ですか」でもなくて。
バイクの修理代は全部弁償するとかそーゆうことやった。
かなり動揺してるみたいで。言ってることもしどろもどろやったけど。
社会人なんやろう。とにかく示談にしてほしい雰囲気を出しまくってた。

その態度に。そうるはぶち切れてた。
「ふざけんな。バイクなんかどうでもええわ。」
そう言い放って。あたしのそばに駆け寄ってきた。

「大丈夫か?」って言われて。体を起こされた。
あたしを支える腕は。やっぱり大好きな腕やった。
いたわり深くて。大好きなその目に覗き込まれた瞬間。
張り詰めたものがプツって切れて。あたしは声をあげて泣いた。

気持ちがぐちゃぐちゃやった。壊れそうやった。
事故は確かにショックやったけど。それだけじゃなかった。

最低なそうるやのに。あたしを傷つけるそうるやのに。
いざとなったら。ちゃんとあたしを心配してくれる。
大事にしてくれる。気遣ってくれる。優しくしてくれる。
バイクは傷だらけやのに。「どうでもいい」って言って。
真っ先にあたしのそばに来てくれる。

あんなにもあたしをボロボロにしたくせに。


情けないけど。あたしは泣きっぱなしやった。
打ち付けた背中は痛かったし。擦りむいた足からは血が出てたけど。
体の痛みはまだ我慢できた。気持ちの方がやばかった。

あたしがそんなふうに。どうしようもないもんやから。
警察に連絡したのも。相手の男と話をしたのも。
バイクの後片付けをしたのも。全部そうるやった。
相手の男の人が。病院まであたしたちを送ってくれて。
(「くれた」とか言うのもむかつくけど。)
そこでもとりあえず。あたしばっかり心配されてた。
あたしはたぶん。そうるをそこまで思いやれてへんかった。

傷の手当てを受けた後で。レントゲンやらCTやらいろいろ撮られて。
2人とも脳にも骨にも異常はなくて。まずはひと安心。
曲がり角やったことで。あんまりスピードを出してなかったのと。
メットをちゃんとつけてたのが。まだ救いやったみたいやった。

ちょっと落ち着いてきてから。ようやくそうると話せた。
病院で会計を待ってるときに。2人並んでしゃべれた。

「バイク傷ついてもーたな。」
「しょーがない。バイクぐらいですんでよかった。」
「でもあんた的にはありえへんやろ。」
「いや。まじでこの程度ですんでよかったって。」
「・・・まぁそうなんかもしれんけど。」

「てゆーか。ごめん。」
「え。なにが。」
「事故ってもて。」
「・・・あんたは悪くないって。」
「でもまじでびびった。怖かった。」

そうるの声は震えてた。泣きそうになってた。
それを見て。もう抱き締めたくてたまらんくなった。

包帯を巻いた手足。沈んでる横顔。
あたしだけが痛かったはずがない。あたしだけが怖かったはずがない。
運転してたそうるは。あたし以上に辛い気持ちを抱えてるはず。それやのに。
やっぱりあたしは。いざとなると自分のことだけになってまうんや。
そうるは1番にあたしの心配をしてくれたのに。あたしは考えられんかった。

あたしはそうるを裏切ってへんけど。あたしの愛だって不完全やんか。
こーゆう状況においては。そうるの方がちゃんと愛してくれてるやんか。
そう思ったら。なんかあたしも申し訳ない気持ちになった。
そしてそんなそうるを。やっぱり愛しいと思った。


ねぇそうる。ほんまあの程度の事故でよかったよね。
あんたにもしものことがあったらと思うと。背筋が凍る思いがする。
バイクってのは。やっぱり危険と隣り合わせなんよね。
あんたの運転は信じてるけど。あーゆうアホ車もおるわけやし。
ほんま。これからも気をつけて乗っていこうね。

それから。泣いてばっかりおってごめんね。
いろんなこと考えてたら。どうにもおかしくなってもてた。
でも。あんたがいろんなことをちゃんとやってくれて。
あたしのことも気にしてくれて。ほんまに救われた。

あんたは最低なときもあるし。最低なこともやらかしたけど。
あの場所での優しさは。本物やってあたしには分かる。
どっちがほんまのあんたか分からんくなるけど。
どっちもほんまのあんたなんよね。

人間は複雑なんよね。そんな簡単に白黒つくもんじゃないんよね。

そうる。あたしはあんたを許すことはできんけど。
それでもあんたのことを愛してる。それだけは真実。
だから。どんなにあんたに対してむかつくことがあったとしても。
見せてくれた本物の優しさは。ちゃんと受け止められる自分でいたい。

ありがとうそうる。思いやってくれてありがとうね。






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↑まぁ当たり前やけどね。とりあえずよかった。

*ひとりごと*
久しぶりに鬼のような長さ。ごめんなさい。お疲れさま。
そしてあたしも疲れました。思い出すとちょっとしんどい。





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