...白狐

 

 

- 2003年02月11日(火)


悲しい音を残しながら、秒針が時を刻んでいる

悲しい音が、部屋に響き渡る時

もう一つの秒針の音が、聞こえるような気がした

聞こえるはずも無いのに・・・

音の先を探してみると、聞こえてくるものじゃ無かった

体のずっと奥の方から、静かに響いていた

懐かしく、暖かな響きを感じながら

ゆっくりと眠りにつく

明日になれば、もう響く事も無い

響いた事さえ、忘れるよ

そう思い、深く深く眠りについていく

目覚めれば、何もかも消えているはずだったのに

なぜ、雫となって教えてくるの?

また、暗闇から響いてくるじゃない

何時までも、時を刻んでいろと言うの?

一人で刻める程、強くない

響くものを消せる程、強くない

何故、出会ってしまったのだろう

知らなければ、こんな思いもしなかったのに

平凡で、ありきたりな幸せに浸っていれたのに

知らなければ、色んなもの良く見えたのに

知らなければ・・・・・




もっと誰かを愛せたのに。







...




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