かっしーのつぶやき
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2004年11月15日(月) Maybe

「日経WOMEN、吉原さん、読んだわよー」

会社の先輩から声を掛けられました。
吉原さんてどんな人なの、と聞かれたので、今ならコンビニで日経WOMEN読めば載ってますよと答えたら、本当に読んでくれたのです。

「吉原さんて、かっこいい人なのねー!もっといかつい人なのかと思ってたら、すごいシャープな感じで」

(うんうん、そうだろうそうだろう)

「それにしても、凄いひとなのねー。あんな逆境から、何度も這い上がってくるなんて偉い!
イタリアとか行ってもさ、練習して遊んで、それから語学の勉強とか、なかなかできないよ。
あの状況でよくもそこまでできるなあって思った。偉いよねー」

(そうなんですよ、凄いんですよ、偉い人なんですよ、えへん)

「全日本の若い子に対してもさ、言葉では言えないことだから自分の背中を見て学べ、なんて
そうそう普通の人に言えることじゃないよー」

(うんうん)

「なんかさあ、一人だけ、超越してる感じだよねー」

(う、…うん、…)

「ほんとに吉原さんてすごいよね、ガッツあるよね、
何ていうか、良い意味で体育会系っていうか、頭の中もちょっと筋肉質っていうか?
あ、良い意味で、よ、良い意味で。根性が座ってるって意味で」

(…)

…。
先輩の話に相槌を打ちながら、心のどこかで疑問符がしいんと浮かびました。


本当に、そうなのかなぁ?


トモさんは凄い、トモさんは偉い、トモさんは勁い。抜群のキャプテンシー、決めるべき所で決めるガッツなプレイ、決して最後まであきらめない闘志。誰もが認めるバレーボール界の至宝。
それは確かにそうだろう、そうなんだろうけれども。

トモさんがたとえどんなに勁い人でも、打たれ強く見えても、その心は、木石ではない。
そう指摘すれば誰だって、そりゃそうでしょう彼女もいろいろ考えるだろうし心身ともに故障する時もあるだろうし、と言葉では言い添えもするだろうけれど、
それでも結局、いざって時に、何か問題が起こった時に、(私も含めて)周りがみんな、

「トモさんなら、きっと大丈夫」

って踏んでしまっているところはないか。無意識に。無責任に。

誰もが怯むような逆境を、重責を、与えられてはそのたび乗り越える彼女に、私は感動する、拍手をエールを送る。
でも、重い扉を開いて拍手喝采を浴びた彼女の、その血の滲んだ指先は、誰が温めるのか。
トモさんならきっと大丈夫、きっとやってくれる、トモさんならできて当然、仕切れて当然、御せて当然、耐えられて当然、トモさんに任せておけば心配ない、トモさんなら、トモさんなら、みんなみんなにそう思われて、そうして当のそのトモさんは、もしかしてどこかで誰にも見られないように自分で自分の涙をぬぐっていたりはしないのか。

これが単なる下衆の勘繰りなら、お門違いの余計なお世話なら、それならそれにこしたことはない。
そもそもただのファンでしかない私がどれだけ妄想を逞しくしようと、彼女の人生に何をしてあげられるわけでもない。
でも。

重責を果たした今、最後くらいは自分のためにバレーがしたいと彼女は語った。
その心、その、今の、湧き水みたいな気持ちを出来る限り汲んであげたいのに、大事にしてあげたいのに、それなのに今日も嵐のような出来事が彼女の傍に飛び込んでくる。
そしてそんなニュースの突風に曝されて私の胸がどれほど痛もうと、ただのファンでしかない私は彼女のためにせめて祈ることしか出来ない。
それがつらい。

当たり前だ。たかがファンなんだから当たり前だ。
それでも今はそれが何よりつらい。

ひどくつらくてとても素面ではいられなくて、今夜はただ酔っぱらうためだけに酒を飲んだけど、
飲めば飲むほど身体が冷えるばかりで、ボトル1本空けてもそれは結局、ヤケ酒の用を、成さなかった。


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