Turn, Turn, Turn
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最近、けっこうマンガを読んでます。週刊ヤングジャンプ。さすがにもう、少年○○系は内容や感情が薄っぺら過ぎてつまらなく思えるけど、ヤングジャンプはなかなか俺でも面白いマンガ誌だな。他のヤング○○系はあまり読まないから分からないんだけど。
「GANTZ」とか好きな作品はあるんだけど、今日はシリーズで時々掲載される「ちさ×ポン」って切ない作品を挙げて、ちょこっと恋愛に触れてみようかな。
このマンガはなーんか作り物のように思えないんだよね。なんか自分の恋愛体験がフラッシュバックさせられて、だから切なくなるというか。似てるんだ。女性漫画家が描いてる作品なのに不思議だな。いや、だからなのかな。
あらすじをそのまま書くと、舞台は普通の現代の東京で、千砂って子とポンタって男子が主人公。どっちも大学受験を控えた高校生。童貞&バージン。ホテルとか入っても次まで行けないの。すごく仲が良い純粋なカップル。でも、バイトで知り合った年下の悪い噂が多い女たらしの滝川ってやつに騙されて、千砂はレイプされる。実はけっこうこういうのってありえるんだよね……。
んで、この出来事が、二人の関係に悲しいすれ違いをもたらす。自分が悪いし、気持ち良かったからと周りには虚勢を張っても、深く心に傷を負ってる千砂は、ポンタを避け、援交まがいの行動に走る。どうせ傷ついた身体だし、自分はレイプされても気持ち良かった女なんだって思って、学校をサボってたら話しかけられ金でカラオケに連れてかれたおじさんに、請われて胸まで触らせてしまう。汚れた身体だっつって風呂に入っても何度も身体を洗ったり……。
ポンタはポンタで、そんな変わってしまった千砂を見て、なんとかしたいと思い話しかけたりするんだけど、すごく千砂はポンタにきつく振舞う。「千砂ちゃん、大丈夫?」とか話しかけても、「気持ち良かったから」とか言ってね。千砂は自分自身が汚れてると思ってるだけに、申し訳なくて、逆にそういった態度を取っちゃうんだよね。
ポンタはそこからがけっこうかっこいい。千砂が自分を取り戻すために、どうすればいいか考えて、二人きりの旅行に誘うんだよね。まだ学期中だし、受験控えてるんだけど。そこがまたリアリティあると思う。そんで、その旅行は普通とは違う。旅行中の会話はすべて携帯のメール。千砂が好きな所、行きたい所へ行くのを、ボディガードとして付き添うって感じだな。千砂の一人旅なわけ。ま、作品はもう少し先に進んでるけど、とりあえずここまでにしとこうか。
なんだろう、すごくありえるんだよね。少なくとも俺の経験とはリンクするな。ヒーローやヒロインみたいな話にもなっていないし、かといって、一般ピープルの話でもない。こと恋愛になると、少しドラマティックになってしまう僕らの恋愛模様を15%フィクション増しみたいな感じで上手く書いてる気がする。
そして、すごくこの二人は純粋だ。馬鹿ってことじゃない。そして、世間知らずってことでもない。この二人の間が純粋なんだ。それ以外はこいつらぜんぜん純粋じゃないし。本当に好きなもの同志の、恋とか愛とかが本当に通い合ってる瞬間に流れる純粋さというのかな。この点を描写した場面場面が、すごく共感できる。
純粋な瞬間が流れてない恋愛は恋愛じゃないと思うよ。まず大前提として、どっちも相手を恋していて、愛していなければいけないと思う。少なくとも俺はイヤだな。そういう恋愛しかしたことないわ。そして、長い時が経ってしまうと、人間の本能として恋の感情は冷めるけど、それを補って余りある愛が生まれていなければ。
クサくもなんともない。夢想家に近いけど、それでいい。だってそれ以外はみんな作り物の恋愛で、それは大嫌いだから。俺が言う本当の恋愛なんて一握りなんだけど、だからこそ素晴らしい。そういう時期は本当に幸せだし。満たされてるし。毎日が本当に楽しい。やっぱ、これを分かる人も少ないのかな。まあ一瞬でもこういった時を感じられた人を含めて50・50くらいなのかな。空論気味に聞こえるだろうな……。
それで、ほとんどのマンガは形だけの恋愛ばっかだけど、経験する人もしない人もいる恋愛が本物である時期を、大袈裟でなく上手に映し出した点でこの「ちさ×ポン」はすごく良い物語だと思う。作家がストレートにロマンティストなのと同時に、幸福にもそういう経験があるからなんだろうな。創作なのにリアリティがある。だから強く共感できる。
はい、今日はヴァレンタイン・デーってことで、恋愛についてちょっと書いてみました。僭越。
あ、チョコさ、義理チョコは要らないねー。愛がこもった本命チョコや日頃お世話になってる人へのちゃんとした感謝チョコはいいけど、義理ってのはなんか心が入ってないもんね。それに返すのも気持ち込められるわけないし。でも個人的にはチョコは好きなんで、それだけで嬉しいイヴェントです。
そういや、マイブラ早く新譜出せ。
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