ディリー?闇鍋アラカルト
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2006年04月18日(火) 悪霊2

「闇鍋」に「悪霊」というのを書いたよ。と、友人に言ったら、その続きを書くようにリクエストが来てしまった。
霊の話で続きといったら、やはり酒飲みの霊かな?

さて、酒飲みの霊に取り憑かれてアルコール依存が抜けない人とどのような対応をするのだろうか・・・・
取り敢えず、その人の名をAさんとしよう。
僕:ふーん。あなたに酒飲みの霊が取り付いているの?
A:取り憑いているんじゃないかなあ。飲んじゃいけないことが分かってても飲んでしまうの。
僕:あなたに憑いている霊が飲ませているのかな?霊は聞き分けないんだ。
A:そう、だから、やめる事が出来ない。
僕:「飲んじゃいけない」なんて思わないで楽しく飲んでみたら?
A:楽しく飲んだら、もっと飲んじゃうよ、きっと。
僕:さあ、どうかな?酒を飲むのは楽しくなりたいからとか、つらい事を忘れたいからじゃないのかな?「飲んじゃいけない」なんて思いながら飲んでると、楽しくなれるかな?つらい事が忘れられるかな?「飲んじゃいけない」なんて思いながら飲むって事は「いけない事」をやってるって事だから、もっとつらくなったりしないかな?酒飲んで楽しいの?
A;飲み始めは気持ちいいけど、段々つらくなる。
僕:ほれほれ。つらくなるんでしょう?つらくなりたいのかな?
A:つらくなんか、なりたくないっ!
僕:だからさ、楽しく飲めばいいんだよ。あなたに取り憑いている霊がいるとして、その霊もそういう事が分かっていなかったんじゃないかなあ。
A:きっとわかっていなかったと思う。
僕:あなたはその霊の正体が分かっているんでしょう?
A:うん。その霊の正体はB。
僕:その霊はどんな人?
A:私のお父さん。酒を飲み過ぎて死んでしまったの。
僕:ふーん。誰にも理解されず、寂しく死んで行ったんだろうね。
A:そうだと思う。私が幼かった時には、そんなお父さんを理解しようとは思わなかったわ。今、自分がお父さんのようになってしまったら、お父さんの気持ちが良く分かるわ。
僕:お父さんの霊と同じような気持ちになっているのかも知れないね。
お父さんはきっと分かりたかったんだよ。今、霊になって取り憑いているのは、そういう事を分かりたいからじゃないのかなあ。あなたが分かると、きっとお父さんの霊も分かるんだと思うよ。
A:そうかなあ。
僕:そうだよ、きっと。死んでしまった人が霊となってこの世に再び現れるとしたら、それなりの理由が有るもんさ。理由がないのに現れはしないよ。もっとお父さんの気持ちになってごらん。霊があなたの体を完全に乗っ取ってしまったように。僕が霊と直接話が出来るように。あなたはB。どんな調子でおうちに帰ってくるの?そして、その時に、どのようにお酒を飲み始めていたんだろう?そこにはあなたも居たんだよね。あなたはどんな言葉を言ってたのだろう。
A(B):ただ今(と言って、部屋にはいると、おもむろに飲み始める・・・)
僕:こんにちは。初めまして。僕、稲村です。
A(B):何でこんな所に居るの?
僕:娘さんに頼まれたんですよ。僕が面白い話が出来るから、お父さんのお酒の相手をするとお父さんが喜ぶかも知れないって。
A(B):そんな事をAが言ってたのか?
僕:そうなんですよ。ですから、きょうは楽しくお酒を飲みながら話をしましょうね。
A(B):ふーん。酒を飲むのを嫌がってるのかと思っていた。
僕:酒を飲むのが嫌だというのとは違うと思いますよ。楽しく飲めてないような気がするんじゃないかな?以前はもっと楽しく飲めてたようで、その時にはお父さんの相手をしてても嫌じゃなかったなんて言ってましたよ。
A(B):最近は酒を飲んでると近くに寄って来ないから、嫌がっているのかと思っていたよ。
僕:だから、酒を飲んでいる事が嫌と言うよりは、楽しくない雰囲気が嫌なんじゃないかなあ。
A(B):そう言えば、黙々と飲んでいて、楽しそうには感じられないかも知れないな。
僕:ちょっとお父さんの飲み方をまねしてみましょうか?こーんな感じで飲んでますよ。
A(B):そんな感じ?うーん。確かに楽しそうじゃないなあ。それに話しかけにくい雰囲気があるなあ。
僕:だから、僕に酒の相手をしてくれるように頼んだんでしょう。僕は酒場に勤めていた事があるから、酒を飲む人の相手は得意だし。
A(B):そうかあ。で、稲村さんは、どんな酒を飲むの?
僕:僕はそんなに沢山酒を飲む人じゃないんですよ。でも、入れれば、幾らでも酒ははいるかも・・・大学に居た頃はコンパでどんぶり酒なんてのも率先してやってたくらいですからね。一人でシコシコ飲んでいる時には、折り紙をやってたり好きな本を読んでたりもしますよ。酒場では歌の相手もしたり、スケベ話も率先してやってましたね。何しろ、酒場では盛り上げるのが仕事ですからね。
A(B):うーん。歌もスケベ話も最近やってないなあ。
僕:だから、やってみましょうよ。シコシコ陰気に飲んでるよりは、楽しくやりましょうよ。僕の親父なんか、飲むとロシア民謡が出るんです。それで、ロシアンダンスなんかやっちゃったりして。僕だって、ツイストもディスコダンスもやりますよ。
A(B):ダンスなんかやらないよ。
僕:なーに、簡単ですよ。こんな感じで(プレスリーのハウンドドッグを歌いながら踊る)
A(B):おっ、結構うまいなあ。
僕:見てるだけじゃ駄目ですよ。はい、立ち上がって、こう。
そうそう、その調子!!!




A(B):ああ、もう、すっかり酔っ払ってしまった。きょうは楽しかったよ。
僕:楽しい酒で良かったですね。楽しく踊れば、酔いが回るのも早いし、深酒しなくても良くなるし、こんな感じだったら、Aちゃんも嫌じゃないと思いますよ。
A(B):そうかなあ。
僕:そうですよ。だって、Aちゃんは、楽しく飲んでいた時には深酒もしてなかったって言ってましたよ。もしかして、楽しく飲めず深酒になってしまったのは、自分にも責任があったのかも知れないって・・・お父さんの気持ちを分かってあげられなかったのが、お父さんを一層酒に追い込む事になったんじゃないかって・・・
A(B):そんな事も言ってたのか。俺は会社で面白くない事があると酒を飲んで紛らわしていた。家族からも理解されていないと思っていた。Aがそんな事も考えていたなんて。俺は家族からも見放されていると思って自棄になっていた。
僕:だから、Bさんは飲んでいて、話しかけにくいような雰囲気を持っていたのが災いしたんですよ。Aちゃんは見放していたんじゃなく、言葉を届ける方法を知らなかったんですよ。だから、僕に一緒に楽しく酒を飲むようにと頼んでくれたんですよ。Bさんは、自棄になる必要はなかったんです。やり方さえ分かれば、お父さんの力になりたいと思っていたんですよ。
A(B):そんな事も分からなかった。俺は大馬鹿者だ!酒が俺を狂わせてしまった。
僕:酒だけが悪いんじゃないんです。酒は楽しくもさせてくれるんですよ。でも、方法がまずかった。Bさんも一人で苦しむ必要は無かった。もっと良い対処の方法も有った。Aちゃんも言葉を届ける方法を知らなかった。でも、もう、苦しむ必要はないんです。もう、孤独の中に、酒に溺れる必要は無い事も分かったんですから。
A(B):そうだ。俺は孤独だと思っていたのは、自分で自分を追いつめていたんだ。・・・
A:私もお父さんの気持ちが良く分かったわ。私も自分を追いつめていたのね。お父さんがどうして溺れてしまったのかも良く分かったわ。孤独を作り出していたのは自分だったのね。でも、そうしなくて済む方法も分かってきたわ。
僕:おっ。自分に戻ったね。アルコール依存になったのは、Bの霊のせいだったのかな?
A:分からない。でも、お父さんが取り憑いていたとしても、取り憑いていた理由が分かるような気がする。
僕:霊が取り憑いて酒を飲ませていたとしても、それなりの理由があるさ。そして、きっと心もある。悪い事をさせる霊であっても、邪悪100%かどうかは分からないよね。霊に気付きが起これば霊の行動だって変わるさ。僕はそういう意味で、霊の心の可能性も信じているんだよ。お払いすればそれでいいってもんでもないと思うしね・・・・


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