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問わず語り


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2003年03月25日(火)    全部、君だった 山崎 まさよし

いつのまにか降りだした雨の音
急ぎ足で行く季節の
終わりを告げている

ふいに窓を閉じかけた手が止まる
しばらくは君のこと
思い出さずにいたのに
些細なことからの諍(いさか)いは
いつも二人の明日(あす)を曇らせた
今ならあの夜を越えられるかな
君の涙に答えられるかな
胸も苦しくて張り裂けるほど
全部、君だった

互いのぬぐいきれない淋しさを
冷めた朝の光の中で
うやむやにしてきた
こころにもないうらはらな言葉で
わざと二人は傷付け合ったね
今なら上手に伝えられるかな
いつも微笑みに応えたかった
胸も切なくてかきむしるほど
すべて、君だった

時は静かにかけがえのないものを
遠ざかっていくほどあざやかに映し出す
どんなにやるせない気持ちでも
どんなに明日(あした)が見えなくても
ぬくもりだけをたよりにしていた

Mnやがて 雨音は途切れはじめて
街がにわかに動きはじめる
雲はゆっくり滑りはじめて
部屋は明るさを取り戻してく
Mn風がやさしく頬をなでてゆく
全部、 君だった
全部、 君だった…
Mn 全部、 君だった…

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