ミドルエイジのビジネスマン
DiaryINDEXpastwill


2011年11月13日(日) 母の見舞い

BMW勘助は手前の森を突き抜け、紅葉した遠くの山に突っ込んで行きたそうだ。高齢の母を見舞うため、良く晴れた関越自動車道を久し振りにロングドライブした。長い関越トンネルと越後平野を突き抜ける真っ直ぐな道路を走るたびに、東京とその先に何もない新潟を結ぶ高速道路を作らせた政治家の強引さを思う。

年老いてほぼ寝たきりになった母は、義姉の献身的な介護のもと、自宅の電動ベッドの上で快適に過ごしている。兄は手を握り、しばしば母に語りかける。病気の名前を挙げれば四つも持っている母は、具合が良くなったり急に悪化したりしながら、人生の最晩年を眠ったり覚醒したりしながら過ごしている。自宅で手厚い介護をしようとすれば、楽しかるべき兄夫婦の定年退職後の人生は決して快復することのない母の世話で半ばを終えてしまうのだ。

翌朝は暗い空から冷たい雨が落ちてきた。車で来たので、思い出のある場所を廻ってセンチメンタルジャーニーをしようかと考えていたのだったが、真っ直ぐ帰ることにした。田んぼの中に何キロも続く新しい道路から、雨に煙る遠くの村々を眺めながら高速道路の入り口に向かった。


MailHomePage