電脳ダイアリ
シリカゲル



 お坊ちゃん育ち

春ごろ、はまったような、笑ったような「偽りの花園」。松田さんがダメダメ坊ちゃんの顕彦さんとして出演されておりました。
顕彦さんがまだダメダメじゃなかったとき、本が作りたいねーと言っていた。でも時代は戦前・戦中・戦後。顕彦さんは戦争を生き抜いた男なのだ。書くとなったらその時代を書かねばならぬ。とくに戦前、満州から帰ってきた顕彦坊ちゃんは白いスーツがとても似合っていて素敵だった。
本を作るなら、なにか資料〜と思って自分ちの本棚から唯一見つけたのが、三島の「仮面の告白」……。うん、まあね。ほもを書こうとしてるし時代もだいたい合ってるから(顕彦さんの方が10くらい上か)いいんじゃないかしら。そう思ってしばらく読んでいた。読んでいたんだけど、日を追うごとに顕彦さんが駄目になっていく!!
本人によって萌えが失われてしまったよ。そんなわけで本はやめることに。仮面もかばんに入れっぱにして忘れてた。
それをこないだ実家で発見してまた読んでます。文章が美しい。とても好きだ。
三島だったら、「沈める滝」と「午後の曳航」が好きです。長編はまだ読んでないのだ。


大好きな人がどうでもよくなる瞬間て、どこだろう。
石ころのように無視する瞬間は。
そういう暗いことを考えてしまった。や、べつにナニ坂とかではなく。

2006年09月21日(木)
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