電脳ダイアリ
シリカゲル



 親孝行

★らら

うちの母が携帯をはじめて持ったらしい。
なんだかタヒチみたいな流れだけど、ほんとです。
うっきうっきした声で「これ、あたしの携帯」と電話が入り、あげく「誰にもメアドを教えてないのにメールがきた。すごく気になるから読みたいんだけどやり方がわからない。教えて」だそうです。
いや…機種も違うしそれどんなだかわかんないのに、遠く離れた娘にそれを聞くの?
「なんかお手紙みたいなマークのとこ押してみたら?」
「押したんだけどよくわからない」
「…あたしもよくわかんないよ」
なんだか押し問答してたら開いたらしい。母親が突然安全な愛の出会いとやらを朗読しはじめる。わー待って。そんなの読まなくていいよ。迷惑メールだよ。
とりあえずその母の教えたアドレスにメールしてみる。
「あて先が見つかりません」
…間違いか。そんなこんなで正しいアドレスがわかったのは次の日。
もういっかい出してみた。送れた。
返信が届いた。…暗号みたいだった。変換がおかしいよー。
そして電話がかかってきた。
「ねえ、いまのメール届いた?!」
届いたよーおかあさーん。

あたしね、すんごい今忙しいのよ。
夏の準備で!

そんなこともいえるわけもなく、しばらくぶりの親孝行をしました。
お母さん、早くメール覚えてね。

2003年07月21日(月)
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