ジョージ・エルスの日記...ジョージ・エルス

 

 

ラマダン - 2002年11月28日(木)

この時期のマレー人達は昼の間、異常に元気がない。

ラマダン(断食月)。今月はイスラム教徒の断食月だ。


今年のラマダンは11月5日から1ヶ月間とされた。陰
暦に従う為、毎年開始日が微妙に変わる。

子供や病人以外、イスラム教徒は全員、日が昇って
る間、食物を一切口にしてはいけない。水も飲めな
い。

日頃から食物に感謝する事を忘れないように、と
コーラン(イスラム教の聖典)の行動規範によるも
の。

いつも笑顔が絶えないマレー人従業員達も、この時
期、昼をすぎると空腹のあまり、目がうつろになっ
てくる。辛そうだ。



朝、7時10分。就業開始30分前。いつものよう
に工場の門を開けようと鍵を用意する。

後ろから、ぼろぼろの白い国産車が ゆっくりと静か
に近づいてくる。

品質管理を担当している、マレー人、アミールの車
だ。

めずらしい。いつも就業時間ギリギリに来る彼の、
”早すぎる”出勤だ。

あまり働きの良くない従業員。 今日から改心して
出直す、ということか。



ラマダンの間、マレー人達は 日が昇る(5時40分
頃)前に、食事をすませるため 異常に早起きになる。

家庭によっては、夜の2時半から食事の支度をする
妻や母もいるらしい。

妻子持ちのアミールも いつもより早起きしたからあ
の時間に現れた、というわけだ。



夕方、終業のベルが鳴るとほぼ同時に、腹をすかせ
たマレー人従業員が 急ぎ足で工場から出ていく。


そして あの ぼろぼろの白い国産車は、朝とは打って
変わって、猛然と 工場の門を飛び出していった。











...




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